音楽

2021年9月 5日 (日)

【ライブ】Tokyo No.1 Soul Set 「LIVE SOUND aLIVE」(渋谷クラブクアトロ、渋谷・東京)

時間が経ってしまったので簡単に(現在10/8)。

若いころ大好きだったユニットで、ライブもよく行った。
もう自然消滅したかと思っていたが、復活(?)したらしい情報を入手し、ついチケットを取ってしまった。
当日も、このコロナのご時世にライブへ行くべきか否かギリギリまで悩んだが、とにかく行ってみることに。

クラブクアトロがこんなところにできていたとは知らなかったので吃驚(G.U.と同じビル内)。
詳しくは知らないけど、以前はここじゃなかったような???
入場前に必ず自分の名前とメールアドレスを登録する方式だが、紙ではなくGoogleフォームへの入力だった。
会場内に入ってみたら、結構ちゃんと余裕のあるスペースというか客数というかで、そんなに怖がることもなかったかも。
むしろこのくらいの人数でおしくらまんじゅうせずに楽しめるなら僥倖というべきかも。

ライブは久々に楽しかった。
このユニット、やっぱり好きだ。再確認。
(ライブ後に、新しく出たアルバムも買っちゃった~)
当時は本当に好きで、機会があればチケット取って聴きに行ってたんだけど、ここの売り(?)が「年末の恒例ライブ」で、その時期はどうしてもコミケの準備と重なるのでなかなか行けず、足が遠ざかってたんだよなあ(というのも思い出した)。
チャンスがあればまた聴きに行きたい。

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2016年11月26日 (土)

【コンサート】マリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団(ミューザ川崎シンフォニーホール、神奈川・川崎)


ここから先、書くのが面倒なものばかりだなぁ。
時間が経ってしまったので(サボリで)記録だけってことで(現在12/20)。
それにしても書くのに手間がかかりそうなので、しばらくグルメ日記はお休みかも。

前回はうっかり見逃した気がするが(そう真面目にチェックしているわけではない)、今回は運よく前売り時点で見つけたので、気張っていいチケットを購入した。
2階席のとあるブロック最前列とゆー(わりと中央寄り)。
すんばらしい。
張りこんだ甲斐があったというもの(参萬円はそれなりにイタかったが)。


↓自分の席から見るホールはこんな(2曲目の演奏前)。
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演奏されたのは2曲(アンコールなし)。

 ハイドン: 交響曲第100番「軍隊」
 R. シュトラウス: アルプス交響曲

このうち、ハイドンは第4楽章で軍楽隊チックな4人が出てきて(いずれもパーカッション)、最後尾なんかどういう楽器なんだか全然わからないやつだった。
みんなが疑問に思うだろうとわかっていたのか、終演後、ロビーにはこんな掲示が(笑)。


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「シェレンバウム」かあ。
存じ上げませなんだわ。
はるか昔にトルコの軍隊博物館で見たのかもしれないけど、トリ頭なので覚えていない。
一緒に行った友人ならしっかり覚えているだろうに。

次のシュトラウスの「アルプス交響曲」が圧巻だった。
悪いけど、これ聴いたらハイドンは全部すっ飛んだ(すんません脳みその容量が少なくて)。

交響曲といいながら、一楽章しかない。
一楽章しかないけど一時間かかる。
演奏は途切れないものの、もちろん一楽章中は細かくパート分けされていて、それが全部音楽的テーマごとではなくて「描写される情景」ごとに分かれている。

夜/日の出/登山/森に入る/小川に沿って進む/滝/幻影/花咲く草原/山の牧場/林で道に迷う/氷河/危険な瞬間/頂上にて/景観/霧が立ちのぼる/次第に日がかげる/悲歌/嵐の前の静けさ/雷雨と嵐、下山/日没/エピローグ/夜

あー、しまった。
聞いてるときは「このパートはここがスゲー」などと思いつつ聞いていたのだが、全部忘れたな(トリ頭)。
ただ覚えているのは、まるで映画を観るように聴いてしまっていたこと。
おかしな話なんだけど、本当に映画を観ている気分だった。
映像があって、BGMがあって、みたいな。
映像はもちろん全員自分の脳内にしかないわけだけど。
でも本当にそういう感じで……すごく変なハナシだが、音というより映像の美しい曲だと思った。

も一つ覚えていることは、ハープやオルガン、そしてその他多数のパーカッションを擁する大部隊であったこと。
パーカッションなんか「初めて見たかも」って楽器まで登場してて面白かった。
そうやって目で見てもいるんだけど、演奏を聴いてて頭の中で上映されてるのは山の情景だ。
これ以上なんと云えばいいかわからない。
とにかく音とともに、色合いはもちろん、木々や土石の存在が迫ってくるようで、すごい迫力だったのだ。
何より濃厚だったのは、空気感とでも云うべきものか。山の空気。木洩れ日。あるいは暗さと足元の覚束なさ。剥き出しの岩。見はるかす景色。そうしたものすべてがあるようだった。
聴きながら、なぜこんなにイメージがちゃんと湧くのか、不思議でならなかった。

これ聴くの、生でも録音でも私は初めてだなぁ(初めてがライブでよかったかも)。
自分の行かないコンサートまで含め、演目として目にした覚えがほとんどない(トリ頭だからあてにならないけど)。
こんな素晴らしい曲を、どうしてみんな演奏しないのかなぁ。
パーカッション揃えるのが大変だからだろうか(笑)。

曲の構成が、夜で始まって夜で終わるのもいいなぁ。
実はこのままエンドレスで演奏できたりするのでは?(そうして山の日々は続く)
メロディを口ずさめないのが残念だが、主旋律らしきものも好きだった。

もう一度聞きたいと思うものの、ヤンソンス以外で聞くのは危険かもしれないと思わないでもない。
そのヤンソンスといえば、楽団員が退場し始めても拍手が全然鳴り止まないので(以前もそうだった)、最後の最後にもう一度出てきて挨拶していた。
ここに聴きに来ている人はほとんどが彼のファンだったのかも。
マナーのいい人が多かったしね。
最後、拍手をフライングしたお馬鹿さんが2,3人いたけど、他が静まり返っていたのと、指揮者が手を挙げたままなのとに気づいてすぐに止んだ。
そしてそのあと余韻が止んで彼が手を下ろしたところで、あらためて、万雷の拍手となったのだった。
久々に、何ものにも代えがたい時間、というものを過ごせたように思う。

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2015年11月 1日 (日)

【音楽】「ジョワ・ド・ヴィーヴル 第一部」(東京芸術劇場、東京・池袋)


行った記録だけ(現在12/9)。

なかなか面白かった。
そもそもはバッハ・コレギウム・ジャパンの合唱メンバーが出るというのに興味を惹かれて聴きに行ったもの。
BCJは定演を聴かなくなってからご縁切れ(?)だったので久しぶりに堪能できた。

もう時間が経ちすぎてよく思い出せない(笑)。
合唱はよかった。特にテノールとバス。
ソプラノはいま一つ聴きにくかった。ちょっと耳障りな部分が残るというのかな。
以前はソプラノがイチオシだったんだけど……星降るような歌声で。
まぁ、メンバーもずいぶん変わったみたいだし(変わってない人もいますが)、今後に期待。

パイプオルガンは、途中で2回、舞台のどんでん返しのように面が変わって、3種類のオルガンを楽しむことができた。
すごいなぁ。
この劇場って、3台もパイプオルガンを持ってるんだ、知らなかった!!

あとはダンス(モダンバレエ?)。これもまあまあ面白かった。
テーマが「祈り」だから、合わせやすかったかも。

ポジティフオルガンは、まあまあ。
ただ、途中の即興演奏はどうかなあ……?
他の部分は「意欲的」でまとめられるが、この部分はやや「自己満足的」な気がした。
3回も即興を入れる必要が???

全体にもう少し工夫の余地があったような気はするが(たとえばダンサーがそこかしこを踊りまわるよりも限られたエリア内で表現を深めた方が変化が見やすく、同時に音楽も聴きやすくなったのではないかとか)、久しぶりに生演奏を楽しめた。
BCJも他の古楽も近代クラシックも、またご縁があれば生で聞きに行きたい(今しばらくその余裕がないけど)。

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2015年6月 9日 (火)

【コンサート】KRYSLER & KOMPANY(日本武道館、東京・九段下)


本当にもう行った記録だけ(現在7/7)。

クライズラーアンドカンパニーは、気になったころには解散していて(あるいは解散目前だったか)、アルバムではさんざん聞いたもののナマでは聞いたことがなかったんだよね。
このチャンスに、と思い、安いチケットを取ってみた。
武道館は2階席でも距離が近くていいね。

お目当てのヴィーナス・ラヴも聞けたし、楽しかった。
彼らは三人とも体が音楽でできているに違いないと、聞きながら確信していた。

葉加瀬太郎のトークが予想以上に可笑しかった(まぁそれでもMCよりは演奏の長い方が好きですが)。
クラシックの演奏会でやられると凄く腹が立つのに、ここだと余韻のさなかに拍手が起こっても気にならないのは不思議だった。
クラシック曲を題材としているけど、音の楽しみ方が違ってるってことか。

新アルバムを買ってみようかなぁ……(まだ思案中)。

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2014年10月 4日 (土)

【リサイタル】ピエール・ロラン・エマール「バッハ平均律全曲演奏会」(彩の国さいたま芸術劇場、埼玉・与野本町)  #エマール #バッハ平均律


昔の話になってしまったので、本当に簡単に記録だけ(現在11/5)。

何年振りかなぁ、この人の演奏を聴くの。
やはりここ埼玉で初めて聴いたのだった。
今は「エトワールシリーズ」になっちゃったけど、昔はピアノリサイタルシリーズは別に新人に限らなくて、そのシリーズの一回に彼がよばれて来ていたのだった。
その「ピアニスト100」シリーズは2~3年継続して聴きに行っていた。
どの人もうまかったけれど、名前をばっちり覚えたのは数名のみだった、その一番印象の強かった一人である。

なんて綺麗に弾くんだろう、と、あのときも思ったが、今回も同様だった。
でもって今回はなぜだか、雲の上にいるように終始ふわふわぼんやりと聴いてしまった。
「次の曲だ……次の曲……次……」と、聞いているうちにいつの間にやら終わっちゃったという……。
……………バッハの曲は美しい。

そもそもの演奏時間が長かったせいか、アンコールもサイン会もなかったのはちょっぴり残念だった。
まぁ、とてもいい客層で(皆、最後の余韻が消えるまで拍手を堪えていた)、非常にいい席で聴けたので満足した。

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2014年4月18日 (金)

【コンサート】バッハ・コレギウム・ジャパン『マタイ受難曲』  #マタイ #バッハ #BCJ


聖金曜日に受難曲を聴いてきた。

ものすご~く久しぶりに聴きに行った、バッハ・コレギウム・ジャパン。
昔は毎月聞いていたのにね(定期会員だったから)。
久しぶりだしキリスト教徒じゃないし音楽に詳しいわけでもないんで、以下はごくごく個人的な感想。
ファンの方は読んでも怒らないように。

今回は、ゲルト・テュルクのエヴァンゲリストを聴きにいったのだった。
他は度外視。
いやまぁ、バスのペーター・コーイはもちろん安心できるファクターではあったけど。
お二人とも何度も定演で歌声を聴かせていただいたが、もうあと何回聴けるかわからない、『マタイ』なんて長尺の曲はいつ「最後の機会」になってもおかしくないと、昨年チラシを見ていて閃いたのだ。
それで一所懸命本日のチケットを取ったわけである。
(とりわけゲルト・テュルクの来日頻度はどんどん減ってきていると思う)

第一部は、なんだか全般的にテンポが速いし、全員参加の部分はリズムがちぐはぐに聞こえるしで、「ついていけない」感じだった(ソリストたちを除く)。
ただ一か所、テノールのアリアと、コラールおよび楽器パートとの掛け合いは、非常に美しかった。
20番と書かれたパートだろうと思う。
アリアはもちろんだが、呼応するコラール(向かって右)やオーケストラ(向かって右)の演奏が、アリアをつぶさないように音量は抑えつつも、情感にあふれる音色になっていた。
でもそれ以外は、往々にして「ついていけない」感じが強かった。

第二部に入ったとたん、それまでの「ついていけない」感覚が一切消えた。
休憩の間に魂を入れたんじゃないかと思うくらい、すべてが良くなっていた(ように感じられた)。
これこれ、このドラマチックな世界に入りこめるのが『マタイ』でしょ。

とゆーわけで(?)以下の感想はすべて第二部に関するものである。

今回は、大衆の叫び(コラールのパート)における絶望感がよく伝わってきた。
「バラバ!」と叫ばれたときの選ばれない絶望感やら、「ユダヤの王様!」と揶揄されるときの理解されない絶望感やら。
私の思い込みなのか、指揮者の思惑なのか。
コラールが美しければ美しいほど、やりきれなさが募るようだった。

今回初めて聴いたクリント・ファン・デア・リンデは、声を聴くと映画『カストラート』を思い出すようなカウンターテナーだった。
なんというか、自分にとってのカウンターテナーってこういうイメージなんだなぁと再認識したりして。
ともあれ、安心して聴ける歌い手だった。

びっくりしたのは(これからちょいと失礼なことを書きます…)、テノールの櫻田亮。
いったいいつこんなにうまくなってたの?
2年くらい、彼の歌は聴いていなかったと思う。
それ以前に聴いたときは「やっぱり声量が足りない」とかって感想をブログに書いたような覚えが……。
ところがどっこい、あふれるような歌声だった。
うわー、うわー、こんなに豊かに歌える人だったんだー。
ソロリサイタルを聴きに行きたくなるくらい。
とにかく素晴らしかった。

他の日本人ソリスト(ソプラノII、アルトII、バスII)はまぁ……まぁ……。
アルトのアリア「私のほほを流れる涙が」はもっとも好きなパートの一つなんだけど(むしろ悔恨のペテロのアリアより好き)、ちょーっと一本調子に聞こえて残念だった。
逆に、アリアじゃなくて司祭だの女召使だののソロをちょっとずつ歌う人たちの歌が、気負いがなくて気持ちよく聴けたかな。

ちなみにコラールもオケも、なんとなくの印象でしかないが、向かって右の方が歌や演奏のバランスがよかった。
他のパートを潰さずに、でも自分の音を美しいまま届けるのが上手かったような気がする。
特にコラールは向かって右の方が安心して聴いていられた。

さて、最後に目玉のゲルト・テュルクだが。
今更何も云うことはない。
というか、毎回文句のつけようがない。
彼のエヴァンゲリストを一言で表すなら、「豊か」である。
彼のエヴァンゲリストを聴くまで、自分は「エヴァンゲリストのレチタティーヴォって退屈ぅ~」と思っていた。
それが、ゲルト・テュルクのエヴァンゲリストによって、根本からひっくり返された。
なぜテノールの名手をエヴァンゲリストに充てたがるか?
それはエヴァンゲリストのパートが量的に多いからではなく、最も表現の豊かさ、可能性を内包しているからなのだ。

まぁ、そういう思い込みをもって聴いているせいか、同じように「静かな」歌い方でも、キリストの生前と死後とではまるで違って聴こえるのだった。
死後の静かなレチタティーヴォは穏やかだった。
生前の静かなレチタティーヴォは、悲しみだったり知恵だったり戒めだったり慎みだったりはしたが、穏やかさはなかった。
アクティブなレチタティーヴォにしても、死後のものは徹頭徹尾、穏やかに聴こえた。

最後のアリアが始まると、毎回、「終わるんだなぁ」と思う。
そして「ずっと聴いていたい」と思う。
ペーター・コーイのバスのアリアと、続くコラールは美しかったので、終わるのが本当に残念だった。
「聴きに来るのはこれで最後かも」と思ったけれど、できれば来年も聴きたいと思った(できることなら「彼」のエヴァンゲリストで)。

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2013年8月18日 (日)

【リサイタル】ベートーヴェン ヴァイオリンソナタ全曲演奏会(茅野市民館、長野・茅野) #ベートーヴェン


ベートーヴェンのヴァイオリンソナタ(日本では「ヴァイオリンソナタ」としか言われないが、本来は「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」である)全10曲を一気に演奏しちゃおうという企画。
ヴァイオリンは田代美恵子、ピアノはスタニスラフ・ボグニア。
(すみません、ご両名とも存じ上げませんでした……ま、私もあんまり詳しい人間じゃないので)

どれも聞けば「あ、これか」と思うのだが、特に有名なのは5番「春」と9番「クロイツェル」だね。
そして「クロイツェル」目当ての人が多かったらしく、9番が終わったら帰っちゃったという人も結構いた。
名曲だからしょうがないのだろう。

感想をひどく正直に書くなら、ヴァイオリンがもうひとつ……楽器(の出す音色)の限界のせいなのか、奏者のせいなのか、混淆としてよくわからなかったが、全般的にいまひとつ~……な印象だった。
ただ、「春」と7番は、安心して聞けたかな。他の曲とやり込んだ回数が違うのかも。
「クロイツェル」もやり込み度が高そうだったが、何しろ難曲である。それでもクロイツェルらしさを楽しむことができた。

ピアノは普通。
ピアノはいいね、「持っている楽器の格の差が音色の差になる」ってことがないもんね。

なかなかない、貴重な体験だった(全10曲……小休止はあれど、5時間以上ホールに釘づけ……)。
演奏者にはとにかくお疲れ様と言いたい。

余談だが、会場である茅野のホールは立派な建物だった。
さすが教育県長野、ホールの数は全国一らしいし、建物としてもかなりきちんと作られている。
リサイタルは定員数百名の音楽ホール(音響良好)だったが、別に大ホールがあって、そちらではウェイトリフティングの長野大会が開催されていた(笑)。
それでも混雑しないのがいいところ(羨ましい)。
あとは、一階の喫茶店がもうちょっと気の利いた店だとよかったんだけどな……。

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2012年1月29日 (日)

【音楽】寺神戸 亮「バッハとの対話」(さいたま芸術劇場、埼玉・与野本町)

「バッハとの対話」Vol.3(1/28)、Vol.4(1/29)を聴きにいった。
曲目は以下のとおり。

Vol.3 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲演奏会 1
J. S. バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番 ト短調 BWV1001
J. S. バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番 ホ長調 BWV1006
J. S. バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番 ハ長調 BWV1005
【アンコール】
テレマン:無伴奏ヴァイオリンのための幻想曲第12番 イ短調 TWV 40:25 より 第2楽章 ヴィヴァーチェ
J. S. バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番 イ短調 BWV 1003より 第3楽章 アンダンテ

Vol.4 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲演奏会 2
J. S. バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番 ロ短調 BWV1002
J. S. バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番 イ短調 BWV1003
J. S. バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 ニ短調 BWV1004
【アンコール】
J. S. バッハ: 無伴奏チェロ組曲第6番 ニ長調 BWV 1012より 第5楽章 ガヴォット I & II
J. S. バッハ: 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番 ハ長調 BWV 1005より 第3楽章 ラルゴ

バッハ、いいねぇ。美しい。

寺神戸亮を知ったのは、もう十年くらい前になるのかなぁ。
そのころはバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)の定演に通っていて、いつも枯れた味わいのヴァイオリンの音色ばかり聞いていたのだが(それはそれで「味」なんだと思うけど)、あるとき同じBCJの、定演ではない別枠の演奏会で、寺神戸亮が弾くヴァイオリンを耳にしてその音色の豊かさに仰天したのだった。
そのとき以来、気にはなってたんだけど、BCJにまれに客演するとき以外、なかなか演奏を聴く機会がなかった(演奏会があっても遠かったり予定が合わなかったり)。
今回はこうして堪能できて嬉しい。

初日。
第一曲目の第二節だったか、フーガの部分で偉く難儀しているように聞こえたが、他の部分は流れるよう。
気持ちよくてうとうと。
第三曲目は、緑の中を駆け抜けるようにして終わってしまった。

二日目。
前半はやっぱり気持ちよくてうとうと(外が寒かったし、駅から会場まで歩くし……)。
第三曲目はすごく難しそうで、はらはらどきどきしながら聴いちゃった。
聴きながらぼんやり思ったのだが、不思議と「繰り返し」が嫌にならない、バッハって。
(ブルックナーなんかでやられると体調によっては「もういい!」と叫びたくなることがあるが、バッハだと「もっとやって」と思っちゃう)
美しかった。
演奏が始まる前は体調がイマイチで、「サイン会なんか並ばずに帰ろう」と思っていたのだけれど、演奏が終わってみたら、うっかりサインもらいに並んでた(笑)。

それにしても、今回の客層はものすごくよかった。
ちゃんとヴァイオリン弾き終わって彼が手を下ろし、音の余韻がなくなってから一斉に拍手する。
最近は「余韻」を味わいもせずに「曲が終わった」と思うや手を叩き始めるお馬鹿さんが多いので、近年ないマナーのよさにびっくりだった。
おかげで最初から最後まで心安らかに聴けたのだった(まぁ初日に小音量アラーム鳴らしたおバカはいたけど(笑))。

またこういう企画があるといいな。

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2011年6月20日 (月)

【コンサート】 五嶋みどり&オズガー・アイディン(サントリーホール、東京・溜池山王)

五嶋みどり(vn)とオズガー・アイディン(pf)のデュオ・リサイタルを聴きに行った。
場所はサントリーホール。
うわぁ、なんと久しぶりな。何年ぶりかで行ったよ、サントリーホール。
ちなみに、朝、リサイタルへ行くことを忘れてほとんど普段着のような格好で出かけてしまい、焦ったが後の祭り。
ただ、夏だからだろう、ホール内にはいろんな装いの人がいて助かった。
私の普段着もこれなら目立つまい(よくよく観察すれば質の違いが歴然ですが)。
これが冬のコンサートだと、みんなコートにスーツで黒々しくて、下手なものを着ていくとすごく浮くんだよね。
タケミツメモリアルだとあんまりそんな感じがないんだけど。
場所柄ですかね、サントリーホールの。

さて、本題。本日の曲目は以下のとおりだった。

モーツァルト: ピアノとヴァイオリンのためのソナタ ト長調 K.301
ヤナーチェク: ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
ラヴェル: ヴァイオリンとピアノのためのソナタ ト長調
サッリネン: 4つのエチュード Op.21
ベートーヴェン: ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 第9番 イ長調 「クロイツェル」 Op.47
【アンコール曲】
ドビュッシー: 亜麻色の髪の乙女

書いてる時間がないのですご~く割愛すると、モーツァルトは明るく、ヤナーチェクは激しく、ラヴェルはなんだかわからない不可思議さがあって、サッリネンは短いながらも何やら曲の原型を見せられているようで興味深かった。

で、最後は、チケット買った全員がお目当ての(たぶん)、クロイツェル・ソナタ。
曲目解説でみどり自身が「オリュンポスのような存在」と言っているが、実際に聴いてて「化け物のような作品だ」と思った。
それを、最初から最後まで堪能した。
私の「クロイツェル」初体験は、恐らく、パールマンとアシュケナージのLPなんだよね。
数回聴いたと思うがかなり昔のことで、こんなにほとんどの旋律を記憶しているとは思わなかった(「次はこのフレーズ」と勝手に頭に浮かんでくる)。
別に記憶力がいいってわけでもないので、それだけ強烈な作品なんだろう。

みどりのヴァイオリン、グアルネリは、ストレートでストイックな感じの音色に聞こえるんだけど、それでいてちゃんと激情を表すから面白い(演奏者がいいからだと言われればそれまで……)。
音に揺さぶられ続けた数十分間だった。
ああ、気持ちいい。
いいなぁ、クラシック。

みどりのパートナーを務めたオズガー・アイディンは、アメリカ生まれのトルコ人。
(ちなみに、オズガーは米語読みっぽい。トルコ語ならユズギュルみたいな読みになる)
明るい音色のピアニストだった。
空のように澄んだ明るさではなくて、エーゲ海のような明るさ。

クロイツェルで唯一残念だったのは、終わった直後に「ブラボー」の掛け声がかかったこと。
余韻を楽しまないのかねぇ、彼らは。
最近、余韻を待たずに叫んだり拍手したり、こらえ性のない聴衆が増えているのは残念だ。

まぁ、とにかく脳みそを洗濯できて、よかったよかった。

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2011年2月10日 (木)

コンサート:BCJ第92回定期演奏会(東京オペラシティ・タケミツメモリアルホール、東京・初台)

■演奏:バッハ・コレギウム・ジャパン
■独唱:ハナ・ブラシコヴァ(ソプラノ)、ロビン・ブレイズ(カウンターテナー)、ゲルト・テュルク(テノール)、ペーター・コーイ(バス)
■日時:2011年2月10日(木)19:00~
■会場:東京オペラシティコンサートホール(タケミツメモリアル)
■曲目:
 ブクステフーデ プレルーディウム ト短調 BuxWV149
 J.G.ヴァルター 心より私はあなたを愛す、おお主よ LV95

以上、オルガン独奏:鈴木優人

 J.S.バッハ
   カンタータ第174番《私はいと高き神を心の限りに愛す》 BWV174
   カンタータ第145番《私が生きるのは、わが心よ、汝が喜びを得るため》 BWV145
   カンタータ第170番《満ち足りた安らぎ、魂の愉しむ悦びよ》 BWV170
   カンタータ第149番《勝利と歓呼の歌が響く》 BWV149

びっくりしたことに、今日はコンマスが寺神戸亮だった。
うまいんだよね、この人。
ゲルト・テュルクも出てるし、今日はラッキー。
最後かもしれないので、堪能して帰る。
(今年度の定演は予定が合わないことが多く、チケットも半分以上他人に譲らねばならなかったので、来年は年間購入をやめた=行かなくなっちゃうかも……)

最初のオルガン前奏。
……私、オルガンと体質が合わないんだろうか?
なんかこのリズムの無視っぷりが気になってしょうがない。
オルガンという器楽のせいなのかな。
(でもマドレーヌ寺院で聞いたときは全然そんなこと思わなかったんだけどな~)

カンタータの一曲めだか二曲めだったかは、金管が不調だった。
難しいことは重々承知だけど、ちょっとイマイチ。
楽器がまだ起動しきってない感じだった。
あとはオーボエの一人(三宮氏の奥に座っていた、あまり見かけない女性)が、リズムが悪い。
トリルっぽい部分がどんどん早くなって崩れる。
曲がきれいだっただけに残念。

お目当てのゲルト・テュルクは、朗々と歌うことがあまりなくて(そういう解釈なんだろうけど)、最後かもしれない私にとってはちと寂しかった。
贅沢だとわかっちゃいるけど。

一番最後の曲は、最後にふさわしい元気なファンファーレだった。
トランペットと打楽器がよかった。
オーボエとヴァイオリンも。

寺神戸氏はやっぱりうまい。どこか別のところへ聴きに行ってみたい(調べてみよう)。
オルガンは、他の人のをもっと聴くべきかも。
ピアノで育っちゃったせいで、単に体質が合わないだけかどうか、確認したい(笑)。

合唱は綺麗なんだけど、なぜ昔のように「降るような」歌声にならないんだろう?
人数減らしちゃってるから??

まぁ、このレベルのバッハをナマで聴けるんだから、実際は満足している。
それに、今日の演奏を聴いていて、久しぶりにまたバッハのCDや何かを聴きたい、と、思うようになった。
うまくタイミングが合ったら、またBCJも聴きにこよう。
それまではさようなら。

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国内でも海外でも注目されだしているのかな。
こういう地味で真面目な活動が評価されるのは
とても喜ばしいことだ。

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