文化・芸術

2024年9月29日 (日)

【舞台】NODAMAP「正三角関係」(SKYシアターMBS、大阪・梅田)

時間が経ってしまったのでごくごく簡単に(現在11/22)。

東京でチケットが取れなかったので大阪で観劇(マイレージで飛行機代を安くあげ、日帰りした)。
こんな遠出、普通はやらないんだけど、どうしても見たかったので。
最近ではカタルシスを得られる舞台は、自分にとって結構貴重なんである。

ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』がネタになっていると気づくまでにちょっと時間がかかった。
主人公の三兄弟はそれぞれドミートリ、イワン、アリョーシャのオマージュ。
竹中直人が困ったちゃんな父親役をやってて、心から「困り者だ」と思った(笑)。

長男が父親殺害の裁判にかけられていたり、次男が「おれが殺した(ようなもの)」と自白したり、いろいろと『カラマーゾフ』らしい装置があったが、舞台は戦中の長崎。
次男は科学者で原爆開発中、打ち上げに花火師である長男の技術を生かしてもらおうとする(まあ、ごくごく単純に説明すれば、そんな感じ)。

敵が大勢殺されれば喜ぶ人間がいるかと思えば、一方で一人の殺害に汲汲としている、といったセリフがあった。
もちろん、戦時であろうと罪は罪、罰は罰たらねばならない。
だからこそ逆に大量殺人(戦争)の愚かしさがフォーカスされねばならない。冷静に考えるならば。
この「冷静に」というのも難しい。
劇中では「竹槍で爆撃機を攻撃する」という精神論の極致みたいなことが描かれていて、その精神性の醸成は吐き気がするくらいおぞましいが、嵐のように避けようがないものでもある。
大勢に巻かれるか、対抗するか(できるのか?)は小さな個人にゆだねられる。

といったことどもを描きたいのかと受け取っていたが、最後に三男が避難先で「神様がお守りくださるはずだと思うことは、人間の傲慢な考えではないのか」といった問いを発しており、これが一番描きたかったことなのかと思い直した。
つまり、「宗教的信仰が戦争の言い訳になると考えることは、正しくない」のではないか。

カタルシスは得られた。

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2024年8月25日 (日)

【展示】「どうぶつ図書館 FINAL」(ギャラリーコピス、東京・清澄白河)

時間が経ってしまったので簡単に(現在9/24)。

思い立って、友人が出品しているギャラリーの展示を見に行った。
最近、こういう活動をさぼってたから、たまには頑張ろう。
この「どうぶつ図書館」の企画は今回で最後らしいし。

友人は昨年の雑誌の表紙に使用したペーパークラフト(立体)作品を展示。
どうするとこんなペーパークラフトを作り上げられるのかとても不思議だが、設計図とかは一切なく、「テキトーに」組み上げていくらしい(本人はいつもそう云ってる)。
そういう話を聞くたびに漱石の「夢十夜」を思い出しちゃうのであった。

以下、写真で友人の作品を紹介。
このほかにもたくさんのアーティストさんたちが動物のアートを展示されていて見ごたえがあったが、実はちょっぴり疲れていたのでそちらの写真はナシで。

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シマエナガがかわいい……。

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2024年8月 4日 (日)

【舞台】CHAiroiPLIN おどるシェイクスピア「PLAY!!!!!」(夏の夜の夢)

時間が経ってしまったので簡単に(現在9/4)。

まあまあ面白かった。
前回のほうが秀逸だったかな。
今回も面白いっちゃ面白かったんだけど、人生ゲームと恋愛シミュレーションがごっちゃになっていて「どっちだよ」と思っちゃって。
「どうやってハーミアとヘレナを一人で演じるんだろう」と思っていたらまさかのキャラクター変更だったのは笑ったけど。
あと、最初の双六風「○歩進んで、○歩下がって」みたいな振付がよかった。
オーベロン(ブチさん…)とティターニアは登場するたび笑えてよかった。
あの二人だけ生楽器付きなのとか、演出はかなり凝ってる。

ただ、今回はやはり「人生ゲームってゆってるけど恋愛シミュだよね」みたいな引っ掛かりがずっと頭の片隅にあったのがネックだった。
個人的には前回の「十二夜」の方が最初から最後までしっくりきた。
これは単に個人的な好みの問題かもしれない。

そうはいっても次があれば見に行くでしょう。
シェイクスピア好きだし。
毎回見ごたえあるし。

▼おまけの画像。

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2024年6月14日 (金)

【グルメ】カフェ 加賀麩不室屋(サントリー美術館ミュージアムカフェ)

時間が経ってしまったので簡単に(現在8/5)。

サントリー美術館の迷品展を堪能したあと、せっかくだからとミュージアムカフェに入った。
残念ながら食事系はもうないとのことで、友人とスイーツを注文(もちろんシェア)。
当然、お茶も。

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加賀棒茶、セット価格350円。

非常に飲みやすかった。
お茶って美味しいんだな。
(自分で煎れるとそこまで美味しくならないんだけどな~他人に煎れてもらうと美味しいんだよね……フシギ)

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くるま麩のフレンチトースト、1540円。

サクサクかと思ったら、くるま麩はもっと面白い食感だった。
ふわっとしてるんだけど皮の部分がなんかこう……しっとり……? つるり……?
小さいお麩のほうはサクサクで、食べてて楽しかった。
豆乳アイスもホイップクリームも美味い。
そしてメープルシロップがたっぷり! 幸せ!

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水ゼリー(展覧会限定メニュー)、1210円。

非常に美しかったが、美しいだけじゃなくて美味しかった。
豆、うま~。
お麩も、生麩っぽいやつと毬麩と種類があって楽しい。
シロップも嫌味のない甘さだった。

いいな、このカフェ。
ぜひとも再訪したい。

サントリー美術館 shop×cafeカフェ / 乃木坂駅六本木駅六本木一丁目駅

夜総合点★★★☆☆ 3.5

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【展示】「名品ときたま迷品展」(サントリー美術館、六本木・東京)

時間が経ってしまったのでごくごく簡単に(現在8/1)。
(7月中はベルギー旅行記を書いてて、日記を更新する余裕が全くなくなってしまった……)

招待券をいただいたので、工芸品好きな友人と見に行った。

地球儀のような蹴鞠と鞠挟みとか、
金粉と螺鈿の手箱(自分も欲しくなる)とか、
芸術的な漆塗りの笈(おい)とか、
ジャコウネコの描かれた屏風とか、
精緻な陶器磁器(野々村仁清の茶碗が欲しかった)とか、
かわいいウサギ柄の手箱とか、
藍色の美しいガラスの器とか、
竹を編んだ籠枕(造りが異様に凝ってて変態的なワザもの)とか、
写真撮影できなかったものもいろいろ面白かった。
(写真は撮影できる物品とできない物品に分かれていた)

写真のないものの中では、簪(かんざし)や笄(こうがい)が特に面白かったな。
実際にくるくる回る風車が付いてたり、三味線の棹を模していたり(バチ付き)、どの作品も凝ってるの凝ってないのって。

駅からのアクセスもよかったし、思ったよりずっといい美術館だった(←失礼)。
また機会があれば行きたい。

▼写真たち。

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鞠と鞠挟。

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浮線綾螺鈿蒔絵手箱。

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椿彫木彩漆笈。

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樹下麝香猫図屏風(伝 狩野雅楽助)。

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手前からおそらく、色絵赤玉雲龍文鉢、色絵桜文透八、色絵梅枝垂桜文徳利。

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染付松樹文三脚大皿(有田鍋島藩窯)。

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白泥染付金彩薄文蓋物(尾形乾山)。

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色絵七宝繁文茶碗(野々村仁清)。

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兎蒔絵茶箱。

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藍色ちろり。

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薩摩切子 藍色被船形鉢(薩摩藩)。

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飾枕(籠枕)。

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2024年6月 8日 (土)

【舞台】コンドルズ「Here Comes the Sun」(彩の国さいたま劇場、与野本町・埼玉)

時間が経ってしまったのですごく簡単に(現在7/19)。

端的に面白かった。
コバケンがコントでかなり暴れてたし。
若いもんもやっとコバケンに慣れたっぽい(?)。

いろいろ笑えて楽しかったが、ちょっと小粒になってきたかなぁ?
以前、影絵とか鎌倉さんの力業とかを見せられて感じてた「次から次へ!! もっともっと!!」というボリューム感は減少した気がする。
期待が大きすぎるゆえの気のせいかもしれないが。
まあ、年に一度の楽しみなので、期待はつい膨らみすぎる傾向にある(笑)。

石渕さんのお告げは毎度面白いけど、そろそろマンネリかなあ。
新作が出ないかなあ(←ワガママ)。

東京公演も行けたらいいな。

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2024年5月24日 (金)

【舞台】外組「亀屋ミュージック劇場(ほおる)」(浅草九劇、東京・浅草) #外組

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時間が経ってしまったので簡単に(現在6/17)。

「刀が無い!」を観て以来、ファンになった外組の公演を、久しぶりに見に行った。
情弱のつもりはないんだけどマメじゃない(=無精)もんだから、ファンと云いつつ公演情報をよく見逃がしてきた。
でも今回はメンバーだったヒロキチ最後の舞台ということで、なんとか情報を追っかけて、チケット買って、指折り待って、満を持して観劇。

自分はどっちかっていうと外組がよく取り上げるような下町系あるいは人情噺の社会とは疎遠なので、ここの舞台はいつも知らない世界を見せてくれて印象深い。
今回の脚本はもともとイナダ組という劇団の脚本だそうだが、舞台は浅草・昭和のストリップ劇場で、ハナシはやっぱり人情噺。
落語に出てきそうな人物がいっぱい登場していた。

詳しくは書かないが、最初のほうの、ある人物に対する印象(有体に云って「ダメ人間」)が、一番最後に見事に引っくり返る(「根っから優しい人間」に)。
途中でもその呼び水というかヒントみたいなセリフや設定はあるんだけど、なぜか第一印象を最後まで引きずるようになっていたので、「ああそうだったんだ」と最後の最後にしんみり納得できた。
この構成が上手かった(演出は毎度こんな感じで上手い)。

演技については、外組の舞台は毎度毎度とても自然で、「セリフを聞いている」と身構えることがほぼゼロ。
前から2列目の席を陣取ったとはいえ、聞こえないセリフはないし、わざとらしさは一切ない。
毎度毎度「自然に」観ていられるのが、何気に凄い。
悪役もうまかったなー。
途中で過去話をやるときは一変して普通のいい人なんだけど、現在進行形に戻ると、そんないい人要素は全部払拭されちゃうくらい、きっちり悪役を演じきっていた。

途中で日替わりゲストが登場する場面があり、本日のゲストは、元・外組組長の中野マサアキさん。
「刀が無い!」で近藤局長を演じた人だ~、懐かしい~。
本編と切り離して、その場のアドリブで丁々発止とやるんだけど、受けるほう(ヒロキチさん)は大変そうだった(笑)。
まあ、客席からするとただゲラゲラと笑ってればいい感じで。
よく笑わせてもらった。

今回の舞台には鞭杆の先生がお一人出演されていて、やっぱり身体の切れがカッコよかった。
もっといろいろカッコいい役を観てみたいな、とも思ったのだった。

ヒロキチ退団で外組もキャスト1名だけになっちゃうのでどうなるのか心配だが、いまのところなくなるわけではなさそうだ(?)。
今後は情報を欠かさず追いかけられますように。

▼おまけの画像たち。

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クラファンのお祝い熨斗紙。自分の名前もあった。

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こちらはファンや後援者の投げ銭による提灯。
100個そろえたらしい(凄い)。
自分がお世話になってる鞭杆協会も出資してる!

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舞台はこんな感じ。この場でずっとドラマが繰り広げられる。

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左から三上さん、ヒロキチさん、中野マサアキさん。

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終演後のキャスト挨拶。

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万歳!

 

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2024年2月21日 (水)

【展示】「和食展」(国立科学博物館、東京・上野)

時間が経ってしまったので簡単に(現在4/8)。

有難くもチケットをもらったので友人と楽しんできた。

キノコや山菜の実物見本があったり、大根のレプリカがずらっと並んでいたり(練馬大根とか聖護院とかいろいろ)、日本で食べられている魚の実物標本があったり、いろいろ面白かった。

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「野菜はほとんど外来なんだよ」という展示。

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大根勢ぞろい(笑)。

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マグロだらけのコーナー(笑)。

あとは、昔のお偉いさんが何を食べてたかとか。
これはねー、庶民との落差が激しすぎて、見るたび腹が立つんだよねー(笑)。
(以前も何かの展示で見て、庶民の食卓の貧しさに愕然とした覚えがある)

江戸の「味処番付」みたいなのとか、江戸の屋台見本とか(たぶん大江戸博物館から借りてる)もあった。

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屋台たち。

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江戸っ子たち大好き!の「番付」。

「江戸の味を再現しよう」ということで、江戸の食い物見本と、クックパッドに載せられたレシピ連動のQRコードなんかもあった。

なかなか面白かった。
手で触れる展示も用意されてて、親子で楽しめそう(親も楽しめると思う)。
惜しむらくは、クジラがいないのは政治的にしょうがないとして、とろろがいなかったのは寂しかった(笑)。

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おまけの「雑煮文化圏」展示。

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2024年1月21日 (日)

【展示】2024年の「ちゃかほい展」(ギャラリー大和田、東京・渋谷)

時間が経ってしまったので簡単に(現在2/21)。

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古い知り合いが毎年このグループ展に参加していて、ご丁寧にハガキをくださるので、頑張って見に行ってきた。
美大出のひとたちってこーゆー作品を作るんだなーと毎回思いながら見てる(笑)。
以下、写真でご紹介。

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「時空独楽2024」

紙皿に着色したり穴をあけたりして、独楽を作ってあった。
面白い。
つい回しちゃった(触るなって書いてなかったし、いいんだよね?)。

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木でできた絵本。
表紙1ページ+3見開き(6ページ)+末尾1ページで話が完結するのが凄い。
くり抜きと切り出しも面白いし、この厚みがいい(薄くしてページを増やそうとしないところがイイ)。

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「地球は燃え狂い人間社会は戦争で燃え狂う」

そのまんま。ホント、そのまんま……。

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「進化と退化」

ハガキを送ってくれた知り合いの作品。
どちらを向いているのか。
どちらも同じことなのか。

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写真作品「夢の日々」

なんとなく雰囲気に引かれてシャッターを切らされた感じ(笑)。

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雑草紙「風の森」

去年もこの人は雑草から作った紙を展示してて、面白いと思った。
つい足を止めちゃうのは自分も紙が好きだからかな?

 

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2023年8月30日 (水)

【舞台】CHAiroi PLIN presents おどるシェイクスピア「BALLO~ロミオとジュリエット~」(LINE CUBE SHIBUYA、東京・渋谷)

時間が経ってしまったのでごくごく簡単に(現在10/12)。

なかなか面白かった。
やっぱり演出が上手いんだな。
まあ好みの面では若干むにゃむにゃだが、それでもちゃんと伝わってくるし、現代への投影の仕方が上手くてリアル感あるし、演出力はかなり高そう。

もちろん個々の登場人物のダンスや演技も熱があって(とにかく頑張ってるし一定以上のレベルを担保)、下手を打つ部分がないのは見ていて楽ちん。
下手さが出てくると見ていて時間が過ぎるのが遅くなるが、ここの公演は割とあっという間に時間が過ぎるのでありがたい。

コンドルズの面々は(自分は彼らを見に行ってるわけだが)、コンドルズ公演のコントで鍛えられているからかなり呑気に見られてよきかな。

まあとりあえず今後もチャンスがあれば追っかけてみるかーくらいのモチベは舞台を見たあとに毎回生まれるのであった。
わりと凄いことだ(だって自分、コンドルズファンとはいえ、けっこーものぐさで、本来ダンスなんか素人だし、そーゆー門外漢に「行ってみるかー」と思わせるってなかなか凄いよ)。

▼おまけの画像(終了後の舞台)

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