文化・芸術

2025年9月 8日 (月)

【展示】特別展「運慶 祈りの空間―興福寺北円堂」(東京国立博物館、東京・上野)

時間が経ってしまったので簡単に(現在10/27)。

内覧会の招待券を譲ってもらったので有難く見に行ってきた。
いつものような企画展をイメージしていたら、本館1階の奥の部屋一間のみの展示だった。
興福寺北円堂の修理完成を記念して弥勒如来坐像の約60年ぶりの寺外公開となったらしい。
お題目の弥勒如来像と、無著・世親菩薩立像に加えて、かつて北円堂に安置されていた可能性の高い四天王立像を合わせた7躯体の国宝仏像を展示する。
そういえば以前にもこの形式でやってたね。
そのときもどこかのお寺のお堂をまるごと再現していたような……?
(そしてそのときにお土産に買った大根のぬいぐるみは満員電車で盗まれた……だから今回はお土産買わない……)

まあとにかく運慶です。
運慶作品だけどうしても「違う」と感じる(いい意味で)。
実際に作っているかだけじゃなくてプロデュースしてるだけでも凄く変わる。
なんでこんなに違うんだろう?

弥勒如来は仏像のなかで最高傑作との呼び声が高いそうだが、これまで見てきた他の仏と比べて身体のバランスがとてもいい。
おかげで人間的に見える。

無著・世親菩薩立像は生きて動き出しそうだった。
こんな静かな佇まいでいて「表情」を感じられるのが凄い。
世親のほうには玉眼が入っており、うっかりすると目が合いそうである。
遠くを見ている姿なので目は合わないはずなんだけど、「目(瞳)がある」と思い込んじゃうので「目が合いそう」と思っちゃうのかな。
少なくとも半分くらいは木像でなく人間として見てしまっていると思う。
(サイズとして向こうの方が大きいにもかかわらず)

あと、慶派の作品はどれもそうだが衣文の襞の彫りが深く見える。
考えてみると、実際に布がそんなに彫りの深い襞を作るかというと、作らない、たぶん(笑)。
ただ、動かしているときは別だ。
動いている瞬間瞬間は襞が深くなることもあろうから、それを落とし込んでいるのだろうか?
そして深い方がリアルに見えてしまうこの不思議さよ。

四天王は運慶一門の作だろうという説があるが明確ではないらしい。
が、生き生きとして躍動的だったのでやっぱり運慶じゃないかなあと思っている。
本当に「今にも動き出しそう」。
獅噛み(ししがみ/しがみ)がめっちゃキュートだし(友人曰く「ライダーベルト」)、どうみても慶派っぽい。
みながみなチャーミングだった。

点数は少ないが、結構満足した。
ついでに常設展の関係する箇所も観覧して、さらに満足した。

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2025年7月18日 (金)

【展示】「大奥展」(東京国立博物館、東京・上野)

時間が経ってしまったのでごく簡単に(現在9/5)。

内覧会に行ってきた。
江戸ものなので、前回の「蔦屋重三郎展」とまるで続き物のよう。
「蔦重展」では一番最後に見た日本橋とプロジェクションの仕掛けが、今回は一番最初にあった(そこから順路スタート)。
もちろん映像の内容は変わっていたけど、わぁ~使いまわしてるぅ~(笑)。

何しろ着物が多かった印象だ。
内覧会だというのに、先生に引率された着物姿の一団がいた。
お着物を好きな人に訴求する展示らしい。
お道具類も展示されていたが、やはり着物が目玉っぽかった。

まあ、そこそこ面白かった。
個人的には「蔦重展」のほうが好みだった。
大奥のマップはものすごく面白かったけどね。
無駄に広い(笑)。
そしてみんな迷子になりそう(同じ部屋が細かく並んでて)。
「こんなに広くする必要ある??」(=こんなにたくさんの女を囲う必要を全く感じられない)と、この見取り図を「無駄」にしか感じられないロマンのない自分は、要するに「大奥」への関心が薄いんだろうな。

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かようにお着物がずらり。

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一番気に入った「打掛 黒繻子地注連縄海老模様」。
(坂東三津江の舞台衣装、『廓文章』より)

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仕事を選ばないキティちゃん。

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快晴でスカイツリーがよく見えた。

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2025年6月13日 (金)

【展示】遺物の内覧

時間が経ってしまったので簡単に(現在8/25)。

縁あって家族が遺物を譲られることになり、それを一目見に行く機会に参加した。
滅多にない機会で、おもしろかった。
ごちゃごちゃ書くことでもないので、写真だけ。

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遺物2件。

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ある遺跡から出土した矢はず(骨製)。

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由来は不明の須恵器。5世紀くらい?

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会場。

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2025年5月 9日 (金)

【展示】「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」展(東京国立博物館、東京・上野)

ものすごく時間が経ってしまったのでごく簡単に(現在8/15)。

科博で「古代DNA―日本人の来た道―」展を見たあと、ついでだからとこちらも展示を見に行った。
ちょうど金曜日だったので、20時まで開けてくれているのだ(ありがたや)。
一日でもいいから平日の夜に開けてくれると、積極的に「行こう」という気になるものだ。

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いろいろ見た!(すみません、具体的に思い出せない……)

特に後半は歌麿特集、最後尾は写楽特集で、久しぶりにまとめて見られてよかった。
一昔前は、江戸の美術と云えば浮世絵、浮世絵と云えば写楽、みたいな風潮だったが、いまや浮世絵では北斎や国芳に、江戸美術のくくりでは若冲に水をあけられている気がする。
写楽の露出度はかなり減ったよね?
不思議なものだ。

最後のほうにプロジェクションで江戸の一日と花火の映像を流しているところがあり、また、耕書堂などのセットが展示されてて(江戸博由来?)、そこは撮影自由だった。
プロジェクションは、手前に日本橋らしき橋がかかっており、橋の手前から向こう側を見やる体裁になっていた。
結構いいなと思ったら、次の「大奥」展でも映像だけ差し替えて使いまわしてて、ちょっと笑った。

▼おまけの写真たち。

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2025年3月15日 (土)

【イベント】旅チケット10

時間が経ってしまったので参加した記録だけ(現在5/7)。

昨年か一昨年に友人から存在を聞いて、せっかくベルギー旅行記を作ったし、一度出て見ようと参戦。
別な友人に手伝ってもらった。

会場はなかなかいい建物だった。
広々してて、みんな余裕をもって見て回れる。
「旅チケット」(旅行系)と「めしけっと」(飲食系)の併催で、どうしても「めしけっと」のほうが客の回りがいい(笑)。
そうだよね。
私もめしけっと系で1冊買ったし(高かった……)。
まあ、旅行系でも1冊買ったんだけど。
(さらに鉱物も1つ買っちゃった……なんとなく……)

久しぶりにゆっくり回れて楽しかった。
なんというか、昔ながらの同人誌即売会の楽しみを味わえた感じ。

戦果としてはプラマイゼロか、ちょっとマイナスくらいかな。
わりといろんなサークルが参加しているおかげで、うちの存在が「浮く」ようなことはなかった。
しかしコストと売り上げのバランスを考えると、東京開催以外は参加できない(笑)。
来年は名古屋開催らしいから(セントレアが会場?)、東海の方はぜひ見に行ってみて。

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2025年3月13日 (木)

【舞台】「やなぎにツバメは」(紀伊国屋ホール、東京・新宿三丁目)

時間が経ってしまったのでごく簡単に(現在4/30)。

大竹しのぶに段田安則に木野花に浅野和之という「芸達者しかいないじゃん」の組み合わせを見て、チケットを買ってみた。
あたたかいけれど、切ない話だった。
カタルシスはなく、切なさばかりが残った。

娘が乱暴に見えて母親思いでグッときたり、母親が届かぬ思いを抱きつつ一生懸命に生きている様にエールを送りたくなったり、ほかにもいろいろあった。
役者が上手いのか(若手2人もよかった)演出が優れものなのか混淆としてわからなかったが、嫌な思いをすることのない、あたたかい舞台だった。
台詞の応酬は小気味よかったし、全部きちんと聞き取れたし(重要)。

自分は基本的にカタルシスを求めて観にいく人間なのだが、たまにはこんな舞台もいいなと思った。
そして最後に、開幕前と終幕後に流れるナレーションが高橋克実と聞いて、ちょっとしたサプライズを食らって帰ったのだった。

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2025年2月27日 (木)

【展示】「エミール・ガレ:憧憬のパリ」(サントリー美術館、東京・六本木)

時間が経ってしまったので簡単に(現在4/23)。

写真ではよく見るけど、実物を見るのはほとんど初めてかもしれない。
アールヌーボーを代表する作家の一人で、「なんとなく好き」に分類していたが、実物を見たら写真(や映像)で見ていたときと印象が異なった。
さらに、各作品においても、遠景と近景での印象がまるで違う。
遠くからでは薄い印象しかもてなかった作品を近くで見たときに凄い衝撃をくらったり、近くで見て「いまいち」と思った作品をあとで遠くから振り返って「美しい」と感動したり、作品ごとにいろいろ。

そして有名な《ひとよ茸のランプ》も、実際に見てびっくり。
こんなに大きいの!?
(知らなかった……)
写真で見たときはむしろ「かわいらしい」印象だったが、全然そんなことない。
面白いなあ。
一番の衝撃だった。

「実物を見るって、大切だな」としみじみ思った。

▼以下、写真の記録。

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2025年2月10日 (月)

【展示】「濃厚なチョコレートの歴史展」(銀座三越9階、東京・銀座)

時間が経ってしまったので簡単に(現在3/12)。

ツイッターでこのイベントの情報が流れてきたので、チョコ好きな友人を誘って行ってみた。
結果、大満足だった。

ドリンク状のチョコを味わえるイートインコーナーの脇で、岡山のBIZEN中南米美術館がミニ展示を行っていた。
自分としてはどっちかっていうとそっちが主目的。
チョコを飲む前にまず鑑賞。
すでに何度もお目にかかってる奴らが多かったが、それでも楽しかった。
ついでに、甥っ子ちゃんへのプレゼントとして、マヤ文字ドネーションに参加。
晴れてヤシュ・ナーブ村の村民に!
▼マヤ文字ドネーションとヤシュ・ナーブ村については以下のサイトで。
https://peccary877choco.seesaa.net/article/202101article_2.html

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BIZEN中南米美術館のマスコット、ペッカリー(ヘソイノシシ)の原型(チョレーラ文化、エクアドル)。

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人の顔のかたちをした鐙型ボトル(レプリカ、エクアドル)。

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頸部にカカオポッド(外殻)の造形があるボトル(モチェ文化、ペルー)。

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カカオポッド(外殻)とイグアナの香炉蓋(マヤ文化、グアテマラ)。

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彩文チョコレートカップ2種(マヤ文化、グアテマラ)。

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ヤシュ・ナーブ村村民登録記念で触らせてもらったマノ(石棒)(ニコヤ文化、コスタリカ)。

さて、ひととおり鑑賞し終わったところで、カウンターに座ってチョコドリンクのお時間(本来は逆順だったかも)。
まずは9種類のチョコの欠片を味わい、それらのうちのどれをドリンクにして飲むかを決める。
ちなみに複数種類をブレンドすることもできる。

自分は、メキシコのホワイトカカオチョコに一目(一口)惚れしたので、ホワイトカカオのみで、牛乳割りを選択した。
めっちゃ美味しかった!!!!!
酸味がありながら嫌味では全然なくて(むしろこの酸味が好き)、そしてとにかく味わいがほかと比べて断然濃厚だった。
こんな美味しいカカオがあるなんて?!
衝撃のあまり、限定販売されてたお高いホワイトカカオチョコ6粒も買って帰ったのだった(一粒300円くらい……)。

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チョコドリンクを作る機械はとても静かだった。
これで、ガラス部分を外してそのまま飲める仕様だったらな~。

ともあれ、とっても満足した。
三越さん、またやって……。

 

 

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2025年2月 7日 (金)

【舞台】NoismO / Noism1「円環」金森穣 近藤良平 Triple Bill(彩の国さいたま芸術劇場、埼玉・与野本町)

時間が経ってしまったので簡単に(現在3/10)。

先に書いておくとダンスに関してはシロートである(てゆーか何に関してもシロートかも)。
シロートの勝手な感想を書いてるだけなので、そこんとこよろしく(シロート相手に目くじら立てないよーに……つってもそもそも大したこと書かないけど)。

以前からちょっと気になっていたNoismの公演で、コンドルズの近藤良平も振付をするというので、行ってみた。
Noismは基本的に新潟がベースだから、そもそも東京近辺で公演を見るチャンスが少ないし、いい機会かと思って。

(1)Noismレパートリー『過ぎゆく時の中で』
演出振付:金森穣
音楽:John Adams《The Chairman Dances》
出演:Noism0、Noism1

これは面白かった。
なんだかずーっと見ていられる感じで。
追いかけたり追いかけられたり、引きとめられたり押し進められたり。
でもすべては美しく過ぎ去ってゆく。
不思議と、「いつまでも見ていたい」と思ってしまう舞台だった。

(2)Noism1新作『にんげんしかく』
演出振付:近藤良平
出演:Noism1

最初は全員段ボールの中に入っていて、そこから動きが始まる。
途中は段ボールを脱いで思い思いのファッションで踊り、最後はまた段ボールのなか。
段ボールをかぶったままのダンスは面白かった。
ただまあ、作品全体はちょっと冗長だったかな(自分にとっては)。
コンドルズの作品を見ているときと比べて、そこまで面白いとも思えなかった。
違うものを表現しているんだろうけど、シロートには面白いか面白くないかが一番重いので……。
実は段ボールを被っていないあいだ、見ていてつい「五月蝿いな」と思ってしまったのだが、他の作品が静かだっただけに、逆にこの作品ではもっと五月蝿くできたんじゃないかとも思った。
五月蝿くっていうか、パッションを観客に伝える、というか。

(3)Noism0『Suspended Garden-宙吊りの庭』
演出振付:金森穣
音楽:An Ton That(トン・タッ・アン)
出演:Noism0=井関佐和子、山田勇気
ゲスト=宮河愛一郎、中川賢

全体に眠かった……実際にいくらか寝ちゃった(すみません…)。
綺麗だとは思うが。
面白かったかといわれるとうぅ~ん。
未消化かも。
(こちとら所詮はシロートだし……)

まあ、一度見られてよかった。
『過ぎゆく時の中で』はとても気に入った。

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2024年11月 3日 (日)

【展示】「英一蝶」(サントリー美術館、東京・六本木)

時間が経ってしまったので行った記録だけ(現在1/15)。

昔々、どこかの美術館で作品を見て、どんな作品だったかは忘れてしまったのに、「あ、この人の絵は好きだ」と思ったことは覚えていた。
というわけで見に行ってみた。

やっぱりちょこっと滑稽味のある主題の作品がイイな。
遠島の憂き目に遭って、その後江戸に帰京したあとはわりとお堅いテーマを手掛けていたようだけど、どうしても日常を描いた絵のほうが自分は好き。

とにもかくにも堪能しました。
頑張って見に行ってよかった。

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撮影が可能だった《舞楽図・唐獅子図屏風》

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