君津製鐵所見学
株主優待で抽選に当たって、工場見学へ行けることになった。
お昼に集合し、バスに乗り込んで出発だ。
50人乗りのバスに20~30人くらいのゆったり仕様。
さすが、サービスいいなあ。
ちなみにほとんどが白髪頭のおじいさんたちでした。
まあ、なんつーか、今は一定額以上投資してないと工場見学の抽選に参加できないから……やっぱりリタイア後の人々がメインになるわけね。
(そして相手が重工業なので圧倒的に男性ばかりが興味をもつのデスね)
往きは、途中で海ほたるに立ち寄った。
寄ったっていってもトイレ休憩程度だけど、自分は初めて来たのでちょっと嬉しかったりして。
お天気が素晴らしく、いい眺めだった。
「特濃プレミアムソフトクリーム」が美味だった。
東京駅を出て、休憩も含め90分程度で工場に到着した。
わー、人がいっぱい並んで出迎えてくれちゃってて、なんだか恥ずかしい~。
まずは大きい部屋に通されて説明会。
工場長さんの挨拶を拝聴したり、映像による君津製鉄所紹介を見たりしたあとで、やっと今後のスケジュールの説明を聞いた。
それにしてもじいさん率高し……(他のバスも合流して、全部で100人くらいのうち9割方がじいさん)。
一人一個ずつヘルメットを支給され、再びバスに分乗して、いよいよ構内見学に出発だ。
といっても、そんなにくわしく見られるわけではない。
ほとんどの部分が機密らしくて(「君津製鉄所」だけに……さむっ)。
途中の建物がなんであるかなど、バスガイド(担当の社員)の説明を聞きながらしばらくバス移動。
しっかし広い敷地だなー。
「東京ドーム220個分」って、それはもうたとえになってないから。
千代田区の3分の1くらいの面積らしい。
歩いて移動できる距離じゃないから構内では毎日バスが走っていて、社員はそれに乗って移動するそうである(ここまではマイカー通勤)。
やっと着きました、第4号高炉(高炉工場=原料を溶かし、銑鉄を造る工場)。
唯一の写真撮影可能スポットである。
他はどこもすべて写真撮っちゃいけないんである。キミツだから。
でかくて古めかしい高炉が青空を背景にそびえたつさまはなかなかに雄大な眺めだったけど、もーちょっと近寄らせてもらえないのかしら……?
あまりに遠くない?
目の前には高炉と他の建物をつなぐ線路が何本も敷かれていた。
広軌らしい。
さほど頻繁ではないが、貨車がやってきたり向こうへ去っていったりする。
土曜日なのに稼働中なんだなあ。
高炉工場の下のほう。黄色い乗り物の右に見える白くてちっちゃいのが、ニンゲン。
さらに下をズーム。左端にちょろっと赤い何かが見えてる?
水蒸気もくもく。左側の建屋も超古そう……。
クリックすると拡大されます。
高炉に関する説明板。
材料に関する説明板。
見学スポットから向かって右手にそびえる排ガス設備。こちらもでっかい。
やっぱりどう考えてももうちょっと近くで見たかった。
銑鉄って見てみたかったのにぃ~(ドロドロしてて赤いだけだろうけど)。
再びバスに乗って、お次は熱延工場(=真っ赤な鉄の塊(鋼片)を薄く延ばす工場)。
残念ながら写真は一切ございません。構内撮影禁止だから。
真っ赤な鉄が向こうから送られてきては、圧延ポイントごとに物凄い量の水蒸気をあげ、そのたびに四角い表面を何やら黒っぽいものがザーッと流れていく(錆なんだって)。
ここでは1400度のスラブを圧延して、24センチの厚さだったものを最小1.2ミリ厚にまで薄くできるんだそうだ。
ここは面白かった。
やっぱり鉄が見えないと面白くないんだ(笑)。
場内は非常に暑かったが、先に進むにつれて(つまり後工程の機械のほうに行くにつれて)暑さが弱まっていった。
最初は1400度あった鉄も、最後にロール状に巻き取ってクレーンで運ぶあたりでは600度にまで下がっているかららしい(つまりわれわれに届く熱はみんな鉄の熱)。
それでも熱かったですが。
途中で水をかけて冷やすパートがあるんだけど、買主のオーダーどおりの鉄になるように、水の量や間隔を調整するという話だった。
確かに、最初に流れていった鉄板はかなりの量の水をかけられていたけど、次の鉄板はそれと比べるとほとんど水をかけてないように見えた。
そんなんで鉄の性質が変わるんだ~。
でも私にはよくわからない~(汗)。
とにかく機械が全部でかい。スケールがまるで違う。
大きいし、剥き出しだし、一基ごとに部品が山のように使われてるし(本当にそんな大量の部品が必要なの??)、黒いし、ゴツイし、なんか別の生き物みたいだし、音はでかいし、不気味だし、なんと云い表わせばいいかわからない。
日頃、目にする「機械」とはあまりに違っていて、衝撃だった。
印刷工場の印刷機械くらいは見たことあるけど、これらと比べるとやはり「洗練」されていて、こんな異質な感じは受けなかった。
写真とかで見るのと、実際に見るのって、やっぱり違うなぁ。
しかしあれってどーやってメンテナンスするんだろ?
すごくすごくめんどくさそう……だいたい全部の部品をメンテできるものなのか?
清掃とかも大変そう。
などと、見学しながらいろいろ余計なことばかり考えておりました(笑)。
そうそう、この工場で一日に使用される水量は200万トンって云ったかな。
90%は再利用しているそうだが、残りの一割である20万トンが毎日毎日水蒸気でお空に昇っていく感じ?
なにもかも「桁が大きすぎ」てよくわからない~(汗)。
これで工場見学はおしまい(早い~…)。
このあとは製品岸壁(輸送用の船に直接積み込むための岸壁がある)を車内から眺めつつ、「郷土の森」(緑化促進区画)を通ってもう一度最初の建物(コミュニケーションホール)に戻った。
初めに通された大きな部屋に集まって、最後に締めの会である。
質疑応答もあり。
それにしても毎度不思議なのだが、「質問はお一人様一件でお願いします」と云われているのに、「2つある」とか「3つ訊きたい」とかしゃあしゃあと云う奴らってどういう神経してるんだろう? 理解力がないのか? 2つ3つ質問をすることで、他の人間の機会を奪ってるっていうことに全く思い至らないのかね?(今回もやっぱりいました)
ちなみにその大きい部屋の手前には開発された技術のいくつかを紹介する展示スペースがあり、少し見てきたが、なかなか面白かった。
「何トン分か」を表すのに、ゾウ何頭分であるかで示したりして(ちゃんとゾウのぬいぐるみがその頭数分乗っかっていた)、工夫が感じられた。
ちょっとは見たのだけれど、もう少し時間があればよかったかな。
何しろ工業的なアタマは皆無の人間なので、説明文を読んでも時間をかけないと理解できないってゆー……。
あとは技術の展示のほかに、「うちの工場の『匠』紹介」みたいなパネルがあって、これが非常に面白かった。
いろんな『匠』たちがいるのだ。
正しくは「君津スチールマイスター」って云うらしい。
クレーンの匠とか(そういえばさっき熱延工場で鉄のロールをクレーンで運んでたけど、アレの熟練した人だね)、線材品質の匠とか(「髪の毛以下の太さのワイヤを手作業で研磨し、指先に伝わる振動の微妙な変化で介在物の有無を感じ取る」とかってもはや何を云ってるかわからない(汗))、圧延機の匠とか、もういろいろ。
凄いなぁ。
最後にお土産をもらって帰途についた。
お土産、たくさんもらってしまった。
記念の「鉄鉱石」とか(笑)、使い道がなくてどうしよう。
ほかにも帰りの車中用の軽食(助六みたいなの)にお水、菓子箱(あられ)、パンフレット、ポプリ(なぜ?)などなど。
バスに乗って出発する際も、工場長はじめ担当の社員さんたちがずらっとお見送りしてくれた。
帰りのバスではよく寝てしまった。
東京駅で降ろしてもらい、工場見学終了である。
とにかくお天気が良くてラッキーだった。
面白い体験だった。
| 固定リンク
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 【イベント】おもてなし講座(2020.02.15)
- とあるクラウドファンディング顛末記(2019.01.26)
- 君津製鐵所見学(2016.03.05)
- 【展示】国際文具EXPO & 販促EXPO #文具フェア(2014.07.09)
コメント