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2013年4月23日 (火)

【展示】「スヌーピーと日本の匠展」(松屋銀座、東京・銀座)

日本の匠がスヌーピーの意匠を使って仕事する、スヌーピーと匠のコラボレーション展だというので、行ってみた。

なかなか面白かった。
まずもって、発起人の大谷芳照のファンっぷりが半端じゃない(笑)。
上手いんだわ、グリフアート。
書画ですがね。
その書画中のスヌーピーを「シュルツさんが(生前)描いたんだよ」と言われたら、おそらく全員信じるだろう。
というくらい、上手い。
好きで好きで描きまくっていたら、本人なみの技量になっちゃったんだなー、きっと。
本当に「大好き♪」なんだなー。
というのが、どの作品を見てもヒシヒシと伝わってくるのであった(笑)。
彼の墨絵アートのライブパフォーマンス、見たかったなぁ~。残念。

入り口を入るとすぐのところに、モビールがさがっているが、もちろんスヌーピーアート(日本の匠じゃないけど)。
これは頭がいい。
ぜひ見てもらいたい。
各パーツがばらばらに揺れているんだけど、うまくすると一瞬、チャーリーブラウンの顔になったりスヌーピーの顔になったり。
すごく難しいけどね(笑)。
あとは、チャーリーブラウンの顔の影ができるランプもかわいかった(これも日本の匠じゃないけど)。

今回、日本の匠で最初にびっくりしたのは、立体スヌーピーのかわいらしさだ。
だいたいこういうつるんとした素材でスヌーピーを立体造形してあるものって、総じてかわいくないのである。
本当にかわいくないものが多いと思う。
その中で今回の奴は出色の出来。
スバラシイ。
これは原型師さん(澤田啓介氏だっけ?)の腕前によるらしい。
こんなことを書いてはいけないのかもしれないが、立体スヌーピーの原型の近くに大谷氏がもらったスヌーピーのブロンズトロフィーが展示されているので、澤田氏の原型と、そのブロンズに付いてるスヌーピーとを見比べてほしい。
澤田氏の原型がとてつもなくかわいいことがよ~くわかる(ブロンズのスヌーピーは正面から見ると全然かわいくない)。
原型師ってすごい。

この原型を元に、それぞれの匠たちが作品を製作したらしく、3Dスヌーピーの再現度はどれも同じクオリティ(実はここからすでにおかしいのかも……)。

そして焼き物であの型どおりの形を出すか……思い通りの形に、歪めず焼き上げる技術があるって、それだけでブルブル(汗)……もちろんガスなど炎の均質な窯で焼けばいいのだろうけど、それだってあんなに凸凹してたら技術的に難しいだろうと思うのだが……。
九谷も有田もさすがというべきか。
特に有田焼スヌーピーにほれぼれ。

ミキモトのパール尽くしスヌーピーはオシャレで、異彩を放っていた。
黒真珠とか豪勢に使っちゃって。
いくらするんだろう、これ?

一刀彫のスヌーピー(&龍とか小槌とか)は、単に素敵な木彫というだけでなく、もちろん一本の材木から全部そのまま彫り出されているわけで、鎖とか見るだけで気が遠くなりそう。
イチイの年輪をどこにどういうふうに見えるように彫るかもちゃんと計算されてるんだよね。

あとは堆朱とか。
堆朱って割と好き。
色が派手な割に実は地味な感じが(笑)。
しかし、スヌーピーの耳の部分が堆朱なのはわかったけど、その堆朱の中にスヌーピー型の模様があることには気づかなかった……細かすぎる……。

蛇の目傘は、すごくイキな意匠だった。
開くと一面の雨(もちろんシュルツ風)、閉じると雨上がりに傘をたたんだスヌーピー柄が見えるようになる。
ホンモノは開いて展示されていたけど、閉じた状態で展示してくれないとスヌーピーの姿がわからないよう。
写真で展示されてたけどさー。
二本作ってくれればよかったのにー(わがまま)。

チャーリー・ブラウンとスヌーピーが並んで腰かけた欄間の彫り物は、和風の背景(もちろん浮彫)が見事で、たぶんどこに嵌めても最初は「スヌーピー」とわからないだろう。
それでいて、スヌーピーたちはわざとシュルツ風のぎざぎざな口になっていたりして、恐るべし。
シュルツ風のびよびよしたラインを再現していた作品は他にもたくさんあって、なんとゆーか皆さん、芸が細かい。
みんな細かいよう。

他にも輪島塗とか友禅とか錫とか象嵌とかいろいろなスヌーピーが!!
もう書ききれないのでパス(投げた)。
とにかくすごい技術だというのがよくわかった。

会場を出ると物販コーナー。
まー、みなさん買うわ買うわ。
そんなに買ってどーするのー。
(半分はお土産っぽい人も多かったが、あとの半分は全部自宅用と見た(笑))

自分は、いろいろ見たんだけど、やっぱりちゃんと「必要」で、機能まで気に入って使い続けられるものがいいなと思って篩にかけていったらほとんど何も残らなかった……がーん。
匠の作品は、気に入った奴に限って高すぎて手が出ないし……箸一膳●万円とか……。

で、全然機能的じゃないんだけど、あまりにかわいかったので、お座りスヌーピーのフィギュアを買ってしまった。
私としたことが……。
信じられない……。
ふだんはフィギュアなんて買わない人間なのに……。
だって飾る以外に使い道がないじゃないか。そういうのってあまり好きじゃないのだ。
しかも、3D造形のスヌーピーはクタクタスヌーピー以外、今まで買ったことがなかった。
なぜなら、どれも「かわいくなかった」から。
Tシャツとかノートとかマグカップとか、プリントもの(つまり2D)ばかり買っていたのだ。
なのに。
手を出さずにいられないかわいさだったのデシタ(笑)。
原型師万歳。
余談だが、5月頭になって(主にこのブログを書くために)もう一度ホームページを覗いたら、フィギュアは「完売しました」と書かれていた。
なんという速さ!!。
まだゴールデンウィーク後半が丸々残ってたのに……!
要するに、だれしも思うことは同じらしい(笑)。

またやらないかな、こういうの。
なかなか面白かったよ。
でもって、今度やるときは「有田焼スヌーピー」とか「ミキモトパールスヌーピー」とかの小さいフィギュアを作ってガシャポンにしてくれないかな(笑)。
匠のモノには手が出ないけど、300円くらいのガシャポンなら買って帰れるし、そのくらいチビならどこか置く場所もあるだろう。
たぶん、すごく売れるんじゃないかな、フィギュアの出来がよければね。


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