【舞台】蜷川「日の浦姫」(シアターコクーン、東京・渋谷)
観てからもう一ヶ月近く経とうとしている……(現在12月4日)。
感想、というより、行った記録だけ。
和製オイディプス。
大竹しのぶ&藤原竜也という強力タッグで、まぁ安心して見ていられるんだけど。
「すごく面白かった」かといえば、私にはさほどでもなかった。
面白くないわけじゃないんだけど。
「面白い」と思う部分は基本的に役者さんたちの演技が「面白い」のだ。
何だろう。全体に何かが足りない。
たぶんカタルシスを呼ぶものが。
元のオイディプスは、そりゃーもう頂点に上り詰めたあとまっ逆さまで転落の一途、救いなんか何もない。
しかも(殺人はしてるものの)オイディプス自身にはどうも咎がないので(不可抗力っつーか「今さらそりゃねーだろ」的な)、オイディプス自身に同情して一緒に泣くことができる。
「こんな偉い奴でも神に憎まれればこれほどひどい目に遭うのだ」、と。
でも日の浦姫はどうだろう?
説教ものというジャンル上、まず、ラストはハッピーエンドでなければならない(仏の慈悲のみあらわしがなきゃならないから)。
ここでまずカタルシスがなくなる気が……。
そこにもう一ひねり、現実の落ちぶれを入れてるあたりは井上ひさしらしいけど、演出上、それが成功していたかは疑問だな~。
あとは舞台美術のせいか、「見立てのない舞台」って感じで、観客の想像力を刺激しないところもあったよーな。
あれ?
おかしいな、ただの不平書きと化しているぞ?(汗)
いや、役者さんたちの芸には本当に楽しませてもらいました。
特に大竹しのぶは本当に上手い。
そこで感想を止めておくべきかも。
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