コンサート:ラン・ラン☆ピアノリサイタル~「ピアニスト100」52/100
■演奏:ラン・ラン
■日時:2002年6月9日(日)15:00~
■会場:彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール
■曲目:ハイドン ピアノ・ソナタ第31番ホ短調 作品14-5
メンデルスゾーン 3つの幻想曲、またはカプリッチョ 作品16
シューベルト さすらい人幻想曲 作品15 D.760
ブラームス 6つの小品 作品118(第1~第3曲)
チャイコフスキー ドゥムカ(ロシアの農村風景)ハ短調 作品59
ショパン ノクターン第8番変ニ長調 作品27-2
バラキレフ イスラメイ
ほんの一握りの人間にしか与えられないもの----才能。
演奏を聴いていると、「天才」という言葉がちらつく。
豪華絢爛。派手なうえに派手(悪い意味ではなく)。
私はどっちかといえばストイックなピアノの方が好みなのだが、ストイックのスの字もない。
いっそ清々しい。
会場は音の洪水。とても一台のピアノからとは思えない。
どの曲も装飾性高く、めりはりだらけに弾き変えられ、すべてラン・ラン色(男性です)。
だからといって暗さを出せないというようなこともなく、ブラームスの3曲目などはあまりの沈みようにその場から出ていきたくなった。気が重くて。
音も表情豊かだが、それ以上に弾き手が表情豊か。曲にあわせて歌うのなんかあたりまえ、全身これ動かざるはなし。
おかげでほとんど目を閉じて過ごした。目を開けていると、どうしても奏者に注目して耳が疎かになりそうだったから。
アンコールの2曲目は故郷・中国の民謡だったが、今日弾いた中で音色が一番美しかった。
アンコールの3曲目はシュトラウスの「こうもり」。
(もしかして小澤征爾がウィーン・フィルでやったっけ?)
若いっていいなぁ(彼は20才)。はちきれそうなエネルギーを鍵盤にぶつけ、爆発しながら弾いている感じの、度肝を抜かれるような演奏。身の毛が本当によだつんじゃないかと思った。
手が4~5本ありそうなくらい音を重ね、それでいて濁った音は一音も出さない。
ピアノは彼の体の一部のようだった。
先に述べたとおり、私ゃどっちかってーとストイックな方が好みらしい。その私がここまで書くのだから、華麗なスタイルがお好みの方々にはもっともっとぐっとくるものがあっただろう。
余談だが、会場に中村紘子が来ていたようだ。監督として毎回来るのかしら。
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