【舞台】「ジョン王」(埼玉会館、埼玉・浦和)
時間が経ってしまったので簡単に(現在3/30)。
というか、当日ツイートしたことをそのまま書くだけに近いかも。
そしてこれはシロートの個人的呟きにつきネガティブなことが書かれてても目くじら立てないようにお願いします(心の中で「フッ、これだからシロートは何もわかっていないな」くらいに思ってください)。
まずもって3時間半は冗長だと思う。
まだ原作を読んでいないので何とも云えないが、もうちょっと捨てるところがあったんじゃないか?
本作はなぜか歌唱を多用していて、中途半端なミュージカルのようだった。
別にミュージカルがいけないと云うつもりはない。
こちとらつかこうへいで歌と踊りの洗礼は受けてるし、最近時々見に行く鹿殺しだって歌をよく演出に利用するが、苦痛に感じることはほとんどない。
彼らの場合は歌と同時に舞台上が動くからだ(たとえ人が動かなくても舞台上にエネルギーの流れが感じられる)。
本作は動いておらず、退屈だった。
ただ停まって、役者が歌を歌うだけ。
オペラなら「歌を聴きに来ている」わけでそのやり方も通ろうが、オペラじゃないので。
そしてカタルシスはなかった。
もちろん「ない」舞台があってもおかしくないけど、シェイクスピアを見る以上は「ある」ことを期待しちゃうわけで。
最後に立たずにいられなくなるようなものはなかった。
最後の最後にはグッときそうになった瞬間があったが(そりゃみんなウクライナ危機ではいろいろ考えるよね)、時間のかけすぎなのと結局何も動かなかったのとで、そのまま何事もなく終わった。
終わってみれば「なにもうごかない」感じは通底していた。
役者はみな力量ある人ばかりだったが。
主役は云うに及ばず(なのでいちいち言及しない)。
ほかには個人的にパンダルフとヒューバートがよかったな。
ジョン王はジョン王というより役者本人のようだった(別に個人的な知り合いじゃないけどそう感じた)。
そのため前半の神をも畏れぬやんちゃぶりと後半の小心具合に落差がなく、連続していて(「ずっと同じ人だ」って感じ)変化がわからなかった。
そういう演出ならしょうがないが、個人的には面白くなかったかも(まあ、趣味の問題かも)。
やはりどんなに上手な役者さんでも、舞台上で演じつつ全体を客観的に見ることは相当難しいんじゃないかと思う(野田秀樹みたいなレアケースを除いて)。
だから多くの演出家は舞台に立たないんじゃないかな。
自分の企図に少しでも近づけるために、舞台表現を相対化し俯瞰して見なければならないから。
その点は考えたほうがいいんじゃないのかなあ(タイトルロールと演出家の掛け持ちはどうよ……)。
埼玉会館はいい劇場だった。
思っていたより遠くなかったから、また機会があれば行きたいかも。
とにかく埼玉シェイクスピアシリーズの最後を見られて、よかった。
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