【舞台】「ヘンリー八世」(さいたま芸術劇場、埼玉・与野本町)
時間が経ってしまったのでごくごく簡単に(現在10/26)。
さいたま芸術劇場は建て替えに入り、しばらくお別れなので見納めとしてチケットを取って見に行った。
2度目の舞台だったが相変わらず今一つよくわからない脚本(笑)。
歴史ものだからしょうがないのか。
「失寵」がテーマらしいけど、ヘンリー八世は前回同様パラノイアにしか見えないし、ほぼだれにも感情移入できないとゆー……。
冒頭のバッキンガム公には最初は同情しそうになるんだけど、処刑前の長ったらしい口上を聞くうちにその同情も薄れちゃう(くどいんだもん)。
王妃は気の毒だが、第2部でお亡くなりになるあたりはやっぱりビミョーで感情移入できなくなっちゃう。
そう考えると枢機卿は普通のアップダウンだな、最初は権勢をふるいまくりなのに秘書のミスで財産目録が王に見られちゃって失寵。すごくフツウ。最初から最後までみんな同情しない(笑いは取ってたけど)。
千日アンは舞台上ではまだ失寵してないんだけど、オモテの顔とウラの顔とを使い分けてるあたり全然感情移入できない。もっとリチャード三世みたいにどろどろと野心にまみれてくれればまだ共感できなくもないんだが、単にウラが黒い優等生みたいな感じで。
そしてエリザベスが生まれて2年後くらいに頭と胴が泣き別れになるわけだが、その当時のイングランド国民はみんなその事実を知ってたわけで、いったいどういう思いで舞台を見てたんだろうなあ。まあ、みんなの注目はヘンリー八世に向くだろうから別にかまわないのか?
そして、血みどろの王室史だなあ。
現在のイメージ戦略も全部ひっくり返りそうな。
まあ、シェイクスピアの王室モノらしい舞台としてひととおり堪能した。
(が、この少し前に野田の「Q」を見て胸を震わせてしまっていたのでそれと比較するとそこまでのカタルシスはなかったかな)
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