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2022年5月27日 (金)

【展示】「ボテロ展」(Bunkamura ザ・ミュージアム、東京・渋谷)

時間が経ってしまったので簡単に(現在6/30、追記7/3)。

ふくよか、とは。
ボリューム、とは。
幸福、とは。

以前の展覧会(20年くらい前?)は見逃した気がする。
無料券を入手していたし、今回こそは見ようと、足を延ばして鑑賞してきた。

コロンビアのヒトだったのね。知らなかった。
最近アンデス尽くしになってきたから、以前より親近感を覚えてみたりみなかったり。

まあどれもふくよか。
ふくよか=豊かさ、なのかなあ。
各作品には娘さん?による熱の入った解説文が添えられていて、「よくこんなこと考えるなぁ」的な思索的内容であった。
本当にそうなのかはわからない。
(たとえ画家本人からインタビューで得た情報だとしてもやっぱり不確定と思うべき)

自分と友人が気に入ったのは、梨の絵。
めちゃくちゃでっかくて(キャンバスが物凄いサイズです)ぼってりした梨が描かれているんだけど、その梨から顔をのぞかせている虫がかわいい(笑)。
あとでミュージアムショップにてこの作品のグッズを探したが、どれも虫の表情がわからず(ひどいヤツになると虫がいることもよくわらかない)、満足できなかったので購入しなかった。
つまり、これらのグッズや図版集を見ても、この虫の表情の楽しさは伝わらないわけだ。

ほかにもいくつかそういう「あっ、こんなところにこんな動物が!」みたいな作品があったが、グッズや絵葉書になるとやっぱり表情がわからなくなって面白くなくなるのであった。

やっぱり実物を見るって、すごく大事なんだな。
実感。

以前の日本での展覧会は、どっちかというと「見ると楽しくて幸せになる」みたいな傾向を打ち出していたようなイメージがあるが、実際に実物を見てみると、「コロコロしてて楽しい」とか「ぽっちゃりがかわいい」とかいったプラスの感想ばかりを手放しで持てる作品群では決してなかった。
もうちょっと怪奇的というか、ダークな部分が感じられるというか。
いい意味で期待を裏切られた、と、云っておこう。

そうそう、結局ミュージアムショップでは何も買わなかったのだが、本展示の図録が実に「ボテロらしい」作りだったのは印象的だった。
表紙裏表紙がふかふかなのだ(笑)。
ふかふかでぽっちゃりふっくらしていて(台紙とカバー紙の間にパンヤか何か入ってるっぽい)、手触りが書籍の手触りじゃないです、コレ(笑)。
「なかなかやるな」とかって思わず感心してしまった。

以下、写真にて(そう、動画作品以外のすべての作品が写真OKなのだ、スゴイぞ)。

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「果物のある静物」。
個人的には「静物画」ではウォーホルの作品が反逆的で一番面白かった(今でも忘れられない)のだが、これも結構可笑しかった。

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問題の「洋梨」の絵。
斜めからでないと全体を撮影するのが難しいくらい、キャンバスがでかい。
画面いっぱいに描かれた太めの洋梨の、中央よりやや左下に虫がいる(笑)。
なんとなくラブリィ。

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「枢機卿」。
右下隅に猫がいるのだが、ヒドイお顔である(笑)。
どうもこの画家はネコ科動物を描くのが苦手らしい(なぜ?)。

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聖女シリーズのひとつ。
右上に邪悪な誘惑の象徴たる蛇がいるのだが、これまた表情がひょうきんでかわいい。困ったな。

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「コロンビアの聖母」。
小難しい解説が書かれていたけど忘れちゃったな。
キリストが黒髪なのはコロンビア人をモデルにしてるから。

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「夜」。
こんなアクマが降臨してきたら嫌だ……誘惑や破滅以前に物理的に押しつぶされそう。

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サーカスシリーズの「赤ちゃんライオンと調教師」(たぶん)。
足元の赤ちゃんライオンの描かれ方が特にヒドイ(笑)。

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サーカスシリーズの「サーカス」だったかな?
ラクダは上手い。
余談だが、イヌ系はどれもまともだった。なぜかネコ系があかん。

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名画模倣シリーズ、「ピエロ・デラ・フランチェスカにならって(2点組)」。
ボリュームましましなのに、オリジナルに近い感じがして不思議だった。

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美術館前のテラスの噴水前にあったボテロの「小さな鳥」。
どこが「小さい」んじゃい!(笑)
立体になっても徹底しているのはスゴイ。

▼公式サイトはこちら。
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/22_botero

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