【展示】特別展「空也上人と六波羅蜜寺」(東京国立博物館、東京・上野)
時間が経ってしまったので簡単に(現在4/20)。
東博の本館1階の中央奥にある一室で展示されていた。
ちょっと狭くないですか?(これで1800円?)
続けて常設展示を見に行けということなんだろうか(常設展示にも関連のものがあった)。
同時に平成館で大々的に開催中の「ポンペイ展」とは違って、撮影がいっさい禁止のため、写真はナシ。
けちー。
【見どころその1】重要文化財 空也上人立像
運慶の息子の康勝が作ったとされる。
空也上人は平安のヒトで、慶派は鎌倉時代だから、死後200年以上経ってから作られたわけだが、さすが慶派、「これが空也上人だ」という説得力が半端なかった。
こういうリアリティがあるから、この像が「空也上人」として広まるんだよね(教科書に載ってるからとかではなく)。
「念仏」を、口から飛び出す6体の仏で表すその表現法も凄いが(どーやって思いついたんだ?)、手指の表現がまた秀逸だった。
しわとかが本当に細かく、リアルに彫り込まれていた。
実に慶派らしい。
【見どころその2】平安・鎌倉彫刻の宝庫 六波羅蜜寺の名品
京都・東山に位置する六波羅蜜寺の周囲は、古くは鳥辺野(とりべの)という葬送の地だった。
おかげで小野篁がここの井戸から地獄へ出入りして(入口か出口のどちらかがココ)、エンマ大王のもとで夜な夜なアルバイトした話も残っている。
というわけで、このお寺には閻魔堂がある。
その閻魔様もいらしていた。
実は六波羅蜜寺へは5年くらい前に行ったことがあり、そのときは表から薄暗がりの中に鎮座ましましているのを覗いただけだった。
こんなに近くでしっかり見られるとは。
ご立派です、閻魔様。
そういやこのお寺では建て替えか何かの寄進を募っていたから、その折、記念に2千円ほど寄付したのだった。
そしたら後日、「地獄へ行かないようにお祈りしておいた」って証拠のハガキが届いた。
いいでしょう?(笑)
閻魔様のほかにも何体もの仏像があったが、なかでも運慶作の地蔵は圧巻だった。
何が違うって、衣の襞のなまめかしさが(笑)。
整然と波打つのではなくチラリとはみ出していたり、袖の内側まで襞襞が彫り込まれていたり、造詣がリアルなうえにたまらなくカッコイイ。
はっきりいって中二病的である。
こういうところがファンの多いところなんだろうな。
宗教彫刻でありながら、芸術として独立しているところでもあるんだろう。
どうしても慶派の彫刻に見入っちゃうんだけど、平安末期の仏像もかなりの力作だった。
一命を賭して作られているような迫力があったと思う。
(ちなみに慶派は命を「削って」作ってるっぽい)
土産物売り場では、牛頭馬頭付きポーチが異彩を放っていた(笑)。
なかなか秀逸なデザインだった。
入れて守ってもらうものを思いつかなかったので、なんとか買わずに踏みとどまったが、危なかった。
もう少しでうっかり買っちまうところだった(今もまだちょっと欲しい)。
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