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2020年2月22日 (土)

【舞台】「ヘンリー八世」(彩の国さいたま芸術劇場、埼玉・与野本町)

時間が経ってしまったので簡単に(現在3/5)。

先にお断りしておくと、感想は好き勝手に思ったままを書くが、基本的にシロートの言にすぎないのであまり気にしないでほしい(気になる人は読まないでおくといいかも)。

今回の演出は、前回までのような「オレが、オレが」という我を抑えてあって、わかりやすかった。
ものすごく新奇なものはなかったが、とにかくわかりやすくて安心して見ていられた。
BGM以外は。

BGMが生演奏、って、使いどころは限定されていたのでセリフの邪魔とかにはならなかったんだけど、何しろボリュームが大きすぎる。
音楽ホールなら適当に音が拡散するかもしれなかったが、ここは違う。
あんな音量で流したら、電気的ノイズが妙に反響して、耳障りでしょうがない。
ボリュームを下げてほしかった。
そも、パイプオルガン的雰囲気を狙ったんじゃないのか、それならアコースティックじゃいかんかったのか。

幕間のとき、一階の吹き抜けのところで、オルガンとバロックチェロの演奏を聴いた。
どうもあとから考えるに、明日の発表会のリハーサルをしてたんじゃないかと思う。
つまりアマチュアの演奏だったんじゃないか。
でも、素直な演奏を聞いてて(たぶんバッハだった)、「これでいいじゃん。こういう音がいいんだよ」と思って癒されたのだった。
こういうBGMにしてほしかった(ワガママ)。

さておき、ほかは面白かった。

キャサリン妃は高貴でよかった。
『ヘンリー八世』におけるヒロインはやっぱりこっちだよなー。
欲を云えば、もうちょっと声量を上げていただけると……。

アン・ブーリンは、演者自体が役を解釈しきれていない気がした。
まあ、難しい立ち位置ではある。
どう解釈するかで、印象もがらりと変わるだろう。
今回は優等生的な演出だったのかな。

タイトルロールのヘンリー八世は、なぜだかパラノイアに見えて仕方がなかった(笑)。
もっとも、開幕から終幕までに奴のせいで3人の大物が死ぬわけで、あながちハズレでもないのかも?
考えてみれば変な脚本だ。
主役はタイトルロールの王様なのに、脚本上、時間をかけて描かれているのは、バッキンガム公、枢機卿ウルジー、そしてキャサリン妃という3人の死である。
それもみんな「失寵」による死と云っていい。
これに「千日アン」まで含めれば(舞台の出来事の数年後には斬首されるから)、4人の失寵による死を内包した脚本ともいえる。
しかも舞台のラストは女王陛下へのお追従である(どう考えてもお追従……「これは追従ではない」とか断ってたけどお追従以外の何物でもナイ)。
わからん(笑)。
変な脚本……。

まあ、あの当時に書かれた以上は、エリザベス一世バンザイ脚本になるのは仕方がない。
だがしかし、どうにもそのパパであるヘンリー八世が胡乱だ(笑)。
阿部寛は立ち居振る舞いも声もカッコいい……はずなんだけどなあ……喋りがカッコよければカッコいいほどになぜだか「この王様、狂ってるんじゃないか?」という印象がせりあがってくるという……なんとも不思議だった。
寵愛していた者を次の瞬間に平気で見捨てそうな危うさがあって、しかも自分は被害者の立ち位置を確保するという、そのあたりがパラノイアチックということなのか……?
だから、最後のカンタベリー大司教のくだりはちょっとホッとした。
「またか?」と思ったら違ったから(「また失寵による死者が?」と)。
そのカンタベリー大司教が女王陛下へのお追従を謳いあげるのはなんだか象徴的だった。

一度脚本を文字で読もうっと。
気になって仕方ない……。
(注文したのだがまだ届いてない)

全体に質の高い舞台だった。
笑いがきちんとちりばめられていたし、狂言回しの紳士たちはセリフも演技も達者だったし、権力闘争に明け暮れる貴族や神職どもはきちんとイヤらしかった。
(そのなかで王様だけが異質だった気がするが、演出の意図はどうだったんだろ。)
客席まで含めて縦横無尽に空間を使うやり方は、かつての蜷川演出を彷彿させる。
あと、最後に、観客全員で旗振りをしたのは楽しかった。
旗振りの音頭を取った役者さんは、セリフの感じやらタイミングやらがとても美味かったように思う。

なお、自分は運よく見られたが、結局コロナ騒ぎによってこの舞台も中途で打ち切られてしまった。
血のにじむような努力をもって準備してきただろうキャストもスタッフも、実に気の毒と云わざるを得ない。
残念だ。

20200222saitamageigeki 
幕間で見た(聴いた)オルガンとバロックチェロの演奏。

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