【舞台】新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」(新橋演舞場、東京・東銀座)
ものすご~く時間が経ってしまったので簡単に(現在1/17)。
オープニングが、泣きそうに美しかった。
お琴で奏でられる(たぶん)久石メロディーがまた胸に響いて泣ける泣ける(お琴と相性いいなあ)。
ここを見ただけでキャストとスタッフの本気の度合いがわかろうというもの。
全体に、凄い熱気だった。
キャストも凄いが、美術が凄まじい。
立体も平面も「これでもか」という具合に次から次へと繰り出されてくる。
何人か昇天されたんじゃないかと不安になるレベル(笑)。
それでもまだ「未完成」という感じがした。
だからこそ逆に、この演目を歌舞伎でやるのは案外いいかもしれない
ふつうの舞台は一回きりだけど、歌舞伎なら今後も上演される可能性がある。
そして上演を重ねるうちに完成に近づきそうな気がする。
そういうふうに、次に続くかもしれないと思うと期待したくなるのだ。
あとは覚えていることをぽろぽろと。
素人ゆえ当たらないことを書いてたらご容赦。
三幕めの最後にいわゆる宙吊りでメーヴェに乗るナウシカ(菊之助)が登場するのだが、これが凄かった。
最初は2本の足で立ってて(それだけだってあの高さはコワいと思うのに)、最後は足を後ろにあげて腕だけで支えるという、原作でよくやる飛行姿勢を再現したのだ。
左手で舞台上の村人たちに手を振ったりして(つまりこのときの支持は右手のみ)、体操選手か(汗)。
見ていて、右近の身体の使い方が上手いと思った。
必要なところでピタリと止められる。
松也はお疲れなのか、ちょい重心が上気味だったかも。
でもユパ(松也)とアスベル(右近)が虫使いたちとチャンバラするシーンは最初から最後まで見ごたえがあった。
水の使い方も素晴らしかったし、「やるかな?」と思っていたらちゃんと六方で退場してくれたし、敵方は何度トンボを切ったか何度水桶に飛び込んだかわからないくらい激しい立ち回りだったし、歌舞伎の醍醐味が盛り沢山な、サービス満点の場面であった。
クシャナ(七之助)が前半いまひとつノリが悪い感じがした。
それでも三幕めのナウシカとの会話は気概もリズムも感じられてよかった。
立ち姿はいつでも美しいし。
でももっと上手くできるヒトだと思うんだけどなあ……
などと失礼な感想を抱いていたら、夜の部に入ったら全員キレッキレになっちゃって、一切文句ございませんの出来栄え。
どうしちゃったの?(笑)
夜の部でいうと、庭の番人が女形と男の声とを切り替えて演技していて、すごくすごくよかった。
ここは原作以上に面白かったかも。
あとは、墓所の主とオーマとの戦いを獅子舞で表現したのは面白かった。
個人的には非常に納得できた。
このへんはさすがというか、引き出しが多い歌舞伎ならではかも。
クレバーな演出だと思う。
ほかにもいろいろあったんだけど。
書いてると終わらないのでこのへんで。
次回は歌舞伎座でやってくれないかな~(ワガママ)。
来年またやってくれたらまた観に行こうかな。
お小遣いを貯めておかなければ……。
ツイッターなどでも話題になっていた引幕。世界観を表していて素晴らしい。
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