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2019年9月12日 (木)

【舞台】外組公演「ひみずや」(東池袋アトリエファンファーレ、東京・東池袋) #ひみずや #池袋演劇祭

おもしろかった。
観に行ってよかった。

 

一昨年、鞭杆の師匠が出演したご縁で、外組特別公演「刀が無いっ!」を観に行った(日記にも書いた)。
それがめちゃくちゃ面白かったので(もう一度観たいくらい)、また機会があればこのユニットの舞台を観てみたいと思っていた。
昨年は健康上の理由でその機を逸してしまったから、今年はチャンスを逃さじとチケットを申し込んだ。
ちょうど池袋演劇祭に参加してて、東池袋という行きやすい場所だったのもよかった。
とゆーわけで観てきた。
おもしろかった。
熱量もおすそ分けしてもらった。
前回もそうだったが、外組の舞台には熱量がある。自分がなくしたものを見るようだ。
観に行ってよかった。

 

今回の演目は「ひみずや」。
端的に云えば、閉山する少し前の夕張あたりで働く炭鉱夫たちの物語だ(日を見ずに働く人々のハナシ)。
とかって現実的な知識を入れるといきなり辛くなるからか、炭鉱名は架空のものになっていた(「すすきの」って地名はセリフにあったけど)。
そうはいっても物語の未来は救いのない時点へと収束していく、それを観客も感じざるを得ないわけだが、そこへノスタルジー(バブル時代あるある)をちりばめ、何よりも笑いのエネルギーで最後まで正面から登場人物らを観させてくれた。

 

目の前で演じられていることが現実であるかのように感じられるくらい、よく調べてあった。
「刀が無いっ」のときも不思議だったが、どうやってああいう細かい過去の実情を調べるんだろう?

 

1980年代後半の「バブル」といわれた時代、その社会現象とは切り離されているかのように、昔ながらの泥臭い仕事に打ち込んでいた人々が多くいたことは、今更ながらに驚きだった。
自分もバブルには無縁だったが(お金のない学生でした)、それ以上に無縁な人々のことをきちんと知らずに過ごしてきた事実が突き刺さった。
彼らも、いや彼らが社会を回していたのに。
そういった人々を踏みしだいて、我々は現在まで歩いてきている。
踏みつけにしたつもりはなくても、知らずにいることを想像だにしない真正の無知だった時点で踏みつけにしたに等しい。
そしてまた、今このときにも、知らずに踏みしだいている存在がどこかに、それも多く居るのだろうと思わされた。

 

各キャラクターが非常にうまく立っていて、最初から最後までゆるぎなかった。
なんていうのかな、いい人ぶるところが一切なかったというか、徹頭徹尾欠点だらけの人格を演じきっていたというか。
それはリアリティと直結していて……いやもうこんな面倒な言葉で語ってもしょうがないよね。
楽しかったし印象深かったので、ぜひ観に行ってみてほしい。
9月16日まで、東池袋ファンファーレで。

 

最後にネタバレひとつ(嫌な方はここでストップ)。

 

一緒に行った友人(いろいろ知ってる)が云っていたが、そらちゃんのクビを切ると落盤事故が増えるのは本当のことなんだそうで。
炭鉱では、一所懸命に仕事をしている人たちは自分の目の前しか見ずに突き進むから、何も仕事せずにぶらぶらして、ともすればバラバラになる全体を見る人間「スカブラ」が必要なんだって。
でもって、作業していると気づかないような異音や、ちょっとしたお山の異状に気づけるのは「スカブラ」だけなんだって。
いわば「山の声」を聞く仕事なんだ。
だから彼がいなくなると落盤事故が増えるんだ、と。
そこまでしっかり入っている、佳い脚本でしたとさ。

 

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