【展示】特別展「三国志」(東京国立博物館、東京・上野) #三国志展
やっと金曜夜に時間が取れたので、東博の「三国志」展を見に行った。
混んでおらず、ゆっくり見られた。
なんと今回はすべて撮影OK!(フラッシュは不可)
やるな、東博!!
とゆーわけで、最後に怒涛の写真掲載シマス(それでも展示全体から見ればごくごく一部にすぎないが)。
NHKの人形劇やゲーム「真・三國無双」とのコラボが目立つが、展示内容も真面目でわかりやすく、その当時の世相がわかる仕組みで、とても面白かった。
たとえば三国志時代は今よりも寒かったらしく、そのせいで魏の土地は農作物の収穫が減っていたらしい(それで曹操が屯田制を導入したって話だった)。
戦乱のうえに減収もあって、なにしろ厳しい時代だったんだな。
あとは地図が要所要所で示されていて、いろいろとイメージしやすかった。
蜀は広大な田舎(農業国)、呉は海運盛んな商業国、魏は文化レベルの高い軍事国家、って感じの詩が最後の方に展示されており(書いた詩人としては魏がイチオシ)、あらためて三国の違いを知った。
ちなみに中華文化としては魏が正当な後継なのかもしれないけれど、私には蜀の造形が一番ユニークで一番魅力的だった。
どーでもいーけど、冒頭の展示(関羽像とか)は明・清時代のものだったが、それ以降はみな前漢から三国時代の遺物だった。
なんだかあたりまえのように置かれていて、うっかりあたりまえのように見て回ってしまったが、あの展示品(かなりの数)がすべて2~3世紀の遺物……凄い。
舌なめずりしながら見るべきだったわ~。
各コーナーの冒頭には横山光輝の漫画の生原稿が飾られていた(全部で5枚くらい?)。
個人的には、この生原稿を見るだけでも満足できるレベル。
やっぱり生で見ないとわからないものってあるなあ……。
今はデジタルだからこんなものもないだろうが、ペンタッチの美しさ、効果のラインの細さ(びっくりする細さだった)、人物の主線に宿る勢い、その他もろもろ。
こんなに立体的に迫ってくるものなんだと、ひそかに感動していたのだった。
亀甲文字っぽい「足元注意」の標識には笑った(下記写真参照)。
こういうのって楽しいよね(笑)。
お土産コーナーには、みんな大好きな「げぇ! 孔明!」の手ぬぐいやクリアフォルダが!(笑)
ガチャの中には、これまたみんな大好き?な「一番乗りだ!」も(引き当てるの難しそう)。
「真・三國無双」風のオーディオガイドを聞いて笑い転げているカップルもいたし、きっとだれでも楽しめること請け合い!(?)
▼この展示の公式サイトはこちら。東博での展示は9月16日(月・祝)まで。
https://sangokushi2019.exhibit.jp
以下、写真コーナー。撮影順に(パノラマを除く)。

鉤ジョウ(金へんに襄)、3世紀。盾の一種で裏面に持ち手がつく。上下の棒状部位と中央の突起で相手の攻撃を受ける。普通はもう片手に刀を持って戦うが、魏の曹丕は一対の鉤ジョウを両手で扱う特殊な武芸を学んだ(シールド攻撃!)。

ゲーム「真・三國無双」の張飛の蛇矛(じゃぼう)レプリカ、馬鹿でかい(笑)。「張飛の蛇矛は実在したか?」ってコラムが貼られてたけど、なぜ実在したかどうかが問題になるのかとゆー前提がよくわからんかった。あとでサイトで見たら「張飛の時代の蛇矛はまだ見つかっていない」と書かれていて、やっとわかった。説明ボードにそう書いておいてほしかった……。

神亭壺(しんていこ)、272年。神亭とは呉から東晋にかけて焼かれた明器の一種だそう。上には楼閣や貯蔵用の甕や家畜や人物などがびっしり。江南の豊かさを物語っているとか? 銘から、かつて孫堅も務めた「長沙大守」にちなむものであることがわかる。側面のカニがかわいい(笑)。
数年前に発見された曹操高陵の墓室を再現していた(画像をクリックして拡大してみてね)。曹操は「墓を豪華にするな」という遺言を残したそうで(この一点において心から尊敬する)、実際に他の墓陵と比べると副葬品などが質素だったようだ。遺言自体もよかったけど、後継がちゃんとそれを実行するのもイイね。
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