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2019年4月 5日 (金)

【舞台】中国国家話劇院「リチャード三世」(東京芸術劇場、東京・池袋)

時間が経ってしまったので簡単に(現在4/25)。

チラシで見つけて、劇場のアクセスがいいし「面白そう」ということでチケットを取ってみた。
「リチャード三世」なら、だいたいどういう筋書きかわかってるし。
(と思ってたけど、やっぱり字幕を見まくってしまった)。

端的に、面白かった。
そして身のこなしがものすごく上手いように感じた。
何一つ「不自然」な所作がない。

申し訳なかったのは、京劇の女形がアン役と幼い王子役を演じるときに、掛け声をかけてあげられなかったこと。
とてもよかったんだけど、近代的な舞台として見ちゃったもので……すみません。
すごくよかったです(今更だけど)。

刺客役を演じる二人の身のこなしも素晴らしかった。
トンボ切りはもちろん、刃を振る技の一つ一つが「決まっている」。
でもって、コミカルで見ていて楽しい。
あとは後半、二人で一役を演じたときも面白かった(昆劇の要素なんだとか?)。
とにかく見てて楽しかった。
これも本当は掛け声をかけるべきだったのね……すみません。

リチャードは、最初は普通の野心家なんだけど、王位に就いた途端、ちょっとサイコパス気味になった。
なんかそのへんでガラッと人格が変わった気がして、興味深かった。
有名な「馬をくれ、馬を!」というセリフは、中国語では「一匹馬! 一匹馬!」だった。
そうか~、そうなるのか~、感慨深い。

しかしてこの舞台中で一番存在感があったのは、マーガレット元王妃だな。
ああ、コワかった(笑)。
コワいのなんのって、もう……。
王妃というより、魔女のおばあさんなんだけど、とにかくセリフがきついし、怨みと憎しみがビンビンに伝わってきてコワイの怖くないの。
凄かった~。

あとは背景の幕に書かれた書。
漢字に見えるけど、実はアルファベットを組み合わせてあって、全部人物名だ。
彼らが死ぬごとに朱の墨が引かれていくという、洒落た趣向であった。

シェイクスピアと中国王朝劇って、ものすごく合ってるかも。
また機会があったら、他の演目も見てみたい。

20190405richardiii

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