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2019年3月14日 (木)

【映画】「グリーンブック」

時間が経ってしまったので簡単に(現在4/3)。

なかなか評価が高いので観に行ってみたら、なるほど、面白かった。
甘い、と云われるかもしれないが、この手の内容(差別する側とされる側の相互理解)にしては、胸が張り裂けそうな痛みまでは伴わないので、その意味でとても見やすい映画だった。
「もっと陰惨な現実があったんだよ」っていうのは一応わかってる(まあ「映像の世紀」を見ただけだろって云われればその通りですが……)。
でも、「こういう『いい話』もあったんだよ」っていうだけの作品も、あってもいいよね。
見て、胸があたたかくなるっていうのは、それだけでいいことじゃない?

以下、ネタバレがあるので、まだ観ていない方はここでストップ。


ヴィゴ・モーテンセン(馳夫さ~ん)がまるっきりガハハなイタリア系アメリカンになっちゃってて、仰天。
フライドチキンの油でハンドルがべたべたになっても気にしない、だって食べることが人生だから!(笑)
美食のイタリア人らしく太ってて貫禄があってがさつでお喋り、と、今までのイメージを根こそぎ覆してくれちゃっておきながら、ところどころでカッコイイとゆー、なかなか説明しづらい不思議な魅力をふりまいている(笑)。

マハーシャラ・アリがどうみても自分でピアノを弾いてるようなので、吃驚。
え、ホントに弾いてるよね??
弾けるんだ??
もしかしてご本人、「何でもできちゃう」系のヒト?(笑)
そして、黒人でありながら文化人ゆえに「下層にいる黒人とは違う」と云われ、でありながらも黒人として差別される(つまり白人扱いはされない)という複雑な立場ゆえの孤独をもって、その役どころを演じていた。
それにしてもコンサートの主賓として招いておきながら、その会場内レストランでは「黒人の方はお入りいただけません」って呼んだ側が拒否するの、意味がわからん(「意味が解らない」と云える時代に生まれてラッキーだったかも)。
それはそれは根深~い人種差別が存在していたってことで、それはいまだにくすぶっているわけだ。
徐々にでもいいからなくなりますように。
(いまや白人のほうがマイノリティなわけだし!)

ところで、最初はコップを捨てるほどの黒人差別を見せていたイタリア人が最後はハグし合い信用し合う仲になる、この急激な変化は「描ききれなかった」のか「わざと」なのか。
肯定的に考えて「わざと」だとしたら、彼が最初に抱いていた黒人差別の意識が、特段、強いものではなかったということだろう。
一見、強い感情のように見えて、実は「みんながやってるから」という根拠の薄い大衆心理によるものであり、簡単に覆せるものだったってことじゃないのか(イタリア系移民がどちらかといえば白人の中でも差別される側だったって要素もあるだろうが)。
そういう「簡単に覆せる」差別意識が、この世には多いんじゃないか。
それらが現実の出遭いによってなくなっていきますように。
そんな祈りを思いつく作品だった。

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