【展示】特別展「古代ギリシャ―時空を超えた旅―」(東京国立博物館、東京・上野)
時間が経ってしまったので、簡単に(現在9/23)。
ゲーム仲間と連れ立って、ギリシャ展を観に行った。
1時間半あれば十分だろうと思い、16時上野待ち合わせにしたのだが、100分あっても後半の展示室が駆け足になってしまった。
見ごたえアリアリの展示ってわけだ。
特に前半の、暗黒時代より前の遺物の展示が、たくさんあるし興味深い造形だし仲間のネタツッコミが可笑しいしで、予想よりずっと時間がかかってしまったぁ。
自分としても、キュクラデスやミノス文明、ミュケナイ文明の遺物は好きなので、楽しく観覧した。
キュクラデスの人物像ってなんだか好き。
のぺっとしてて、それでいてちょっとあたたかみがある気がする(石の質感のせい?)。
何より、造形がシンプル。
いいよね、シンプルな造形って。
目玉の一つ、ミノス文明の《牛頭形リュトン》は、意匠としても工芸としても実にすばらしい出来だった。
面白かったのは、同じミノス文明期でありながら(むしろ時代が下っているのに)、牡牛をメインモチーフとしている他の作品を見たところ、どれも実に実に「ちゃちい」。
《牛頭形リュトン》を絵画とするなら、他の作品はみんな4コマ漫画の水準?(4コマ漫画をけなしてる訳じゃありません)
もちろん、写実的ならイイってもんじゃないけど、なんとゆーか造形全体に漂う「やる気」が、他の作品ではほとんど感じられなかったのであった(笑)。
そういう様式が確立されたわけじゃなかったのね~。
《牛頭形リュトン》はたまたま傑出した天才が作ったものだったのかも?
同じくミノス文明期の《漁夫のフレスコ画》は、やはり今回の目玉作品(ポスターになってるやつ)だが、仲間が「アメリカ人の『やれやれのポーズ』(肩をすくめるヤツ)がこんな昔からあったとは!」と云ったせいで、今後は見るたびに笑わずにいられないだろう……困ったことだ。
ちなみに彼は両手に漁獲物を持ってるのであって、「やれやれのポーズ」をしているわけではない!(笑)
ミュケナイの遺物は、なんだか中二病が喜びそうなものが多かった……気がする……。
連れが随分とはしゃいでたような……気がする……。
シュリーマンの名前にも、久々に触れた気がする。
考えてみれば、ローマ文化関連の展示はあっても(ルネサンスの展示では必ず言及されるし)、クラシック期より前まで含めた総合的なギリシャ文明の展示って、今まであまりなかったような気がする。
「気がする」づくしで失礼しました。
ミュケナイの《黄金マスク》が来ていなくて、ちょっぴり残念だった。
あとは、いわゆる「ヘレニズム」でくくられる見慣れた造形(肉体美の像形)が立ち並ぶのを見たあと、マケドニア文化で展示されていた金冠は目を引くすばらしさだった。
二種類展示されていて、二つとも美しい。
いや~、カッコいいわ。
こんなのかぶってたら鼻高々だわ。
残念ながらクラシック期から最後のブロックまで(オリンピック競技関連やマケドニア、ヘレニズム)は、もう本当に駆け足になってしまった。
ま、みんなオリンピック競技を素っ裸でやってたってことはよくわかった(?)。
そういや、ギリシャ時代の兵士たちって、立派な盾と兜を持ってるのに、あとはハダカだったらしいわ。
自分の肉体美を誇示しなきゃならなかったからしょうがない(?)のかもしれないけど、戦うには不向きなんじゃないのかぁ~?
それよりも何よりも、肉体美(による自己表現)が大事だったのかしら。
いろいろと楽しい展示だった。おススメ。
もうちょっと早い時間から見ればよかったな~と後悔したが後の祭り。
東京では終わってしまったけれど、長崎(10/14~12/11)と神戸(12/23~4/2)に巡回するらしいから、近隣の方はぜひどうぞ。
▼この展示の公式サイトはこちら
http://www.greece2016-17.jp/
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