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2016年8月15日 (月)

【映画】『シン・ゴジラ』


時間が経ってしまったので、簡単に(現在8/31)。
なかなか面白かった。
とにかくびっくりしたのは、「合成です」「特撮です」という感じがまるでしないこと。
「つくりもの」って印象がゼロですヨ。いや~驚いた。
以下、ネタバレあるかもなので、嫌なひとはここでストップ。


まず当たり障りのない感想から。
前半ずっと「会議は踊る」なんだけど、なんつーか、タイミングの出し方が絶妙なのか、会議中のお偉いさんの発言がすべてギャグにしか聞こえない(笑)。
巫山戯ているわけでは全然ないのだが、とにかくギャグに聞こえてしまう。
会議ってアホらしいわ。
しかし会議を経ないと何も動かん(作中、だれかが民主主義のせいにしてたけど、それは違いマス)。
ミサイル一つ発射するにも、許可を求める発言が現場からいろいろ経由してやっと総理まで届き、総理がOKを出すとそこから同様の伝言ゲームを経てやっと実施に至る(あるいは実施されない)。
これは実行力の面からみると弊害に映るが、セーフティなんだよなぁ。
ま、いいや、このへんはようわからん。
とにかく前半の会議ラッシュは滑稽だったってことで(そのおかげで会議場面ばかりにもかかわらず、観客は結構ストレスなく見られるのかも)。

ほかにもいろいろあるんだけど、書いてるときりがないわ。
とゆーわけで、今回のイチオシ。
なんといっても蒲田くん。
なにがなんでも蒲田くん。

注:「蒲田くん」とは、ゴジラの第2形態。蒲田から上陸してしばらく匍匐前進していたころの姿を指す。

いや~、気持ち悪かったよ蒲田くん(笑)。
濁ってて焦点の定まらないあの目つきが忘れられない。
前肢が進化途中で移動ツールとして全く使えないから、ずるずるぐにぐに進むしかないんだけど、その感じがなんとも「ただの生き物」っぽくてイヤ(注:ほめてます)
生きて、動いてるだけなんだよね。
生きてるだけ。
ニンゲン側の被害は甚大だったけど、でも奴は別に街を破壊しようとか人間殺そうとかは考えてなくて、ただ生きてるだけ。
サイコーですよ、蒲田くん。

なんでこんなに蒲田くんばかり印象に残っているのか、自分でもよくわからない(笑)。
ただわかるのは、「もふもふ蒲田くん」があったら即購入するだろうということだけだ!
なぜどこにも売ってないんだ!(怒)
ただし、かわいらしいつぶらな瞳で作ってたら買わない。
スペックはだいたいこんなの希望。

「もふもふ蒲田くん」
全長25センチ。しっぽ分はそれよりはみ出していい。
目玉は大きめに作ってよいが、黒目部分はぱっちりさせず、どろっとした気持ち悪さを出す(ここでつぶらな瞳を採用すると蒲田くんのアイデンティティが失われてただの怪獣ぬいぐるみに成り下がるので注意)。
全身、もふもふな素材でカバー。体液部分(もちろん赤)は毛を長くしてもいいかも。

売れると思うんだけど(特に女子に)。
なぜどこも作らんのだ?

もうちょっと真面目な話も書こうかな(笑)。
いや、蒲田くんの話も自分的にはかなり真面目なつもりなのだが。

さておき、構造的に「うまいな」と思ったのは、「核を使う」という通告の使われ方だ。
現実をシミュレートしていくとそうなる、ということかもしれないが、自分はそういう方面には疎いしそれはこの際おいておいて、何がうまいかというと、「核を東京に落とす」という条件がないと、観客はゴジラを倒す側に感情移入ができないのだ。
だってゴジラって生きてるだけなんだもん。
ただ「生存してる」だけだから善悪の範疇外なのだ。
「せっかく蒲田くんが鎌倉さんの形態にまで成長したのに、どーして殺しちゃうの」という気持ちを抱えたままだと(観客は災害の当事者ではないのでこの観点が可能……)、巨大不明生物特設災害対策本部(巨災対)に心からエールを送ることができない。
でも「核を落とされる」となれば、話は別だ。
そこで話の展開を受け入れる準備ができちゃうわけだ。

などとくだらない妄想をつらつら考えられる作品であった。
人間模様も楽しいっちゃ楽しかったけど、その感想書きはもっと思い入れの強い他者に譲ろう。
とりあえずだれか「もふもふ蒲田くん」を出してください。

追記: あのゴジラの動きを全部野村萬斎が演ったかと思うと本当にキモい(注:ほめてます)。見てて違和感が全くないとゆーか、事実、そう動くだろうとしか思えないんだもん。なんでゴジラの動き方なんかできるんだよ~(汗)。

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