【展示】『花鳥風月 柄鏡の美』(國學院大學博物館、東京・渋谷)
前回流れてしまった大学の友人との会合をもう一度やりたいがどうしようかと悩んでいたところ、そのうちの一人から「こんなのやってます」の情報が届いたので、これ幸いと乗っかることにした。
特に「無料」と「魔鏡」に惹かれて(笑)。
國學院大學博物館には、服部和彦氏寄贈による和鏡が899面(!)もあるそうだ。
これらのうち、中世の終わりごろに出現し、江戸時代を通して広く浸透した「柄鏡」を紹介するという。
鏡に「柄」がついたのは結構エポックメーキングなできごとだったらしい(16世紀)。
それはそうかも。
専用の掛け台に置かなければ使えなかった鏡が、手持ちで使えるようになったわけだから。
あまり例がなかったけど、柄に穴を空けておけば壁掛け収納だってできちゃうもんね。
伏せておくしかない柄のない鏡とは一味違うのだ(?)。
あとは、柄を持つゆえに、手でつかむための凸部分を裏面に作らなくてもよくなった。
そこで、裏面にはいろんな造形がほどこされることになる。
花鳥風月はもちろん、家紋、人物画、神話、武勇伝などもその背面に描かれた。
人気のある図柄がコピーされたようすもわかって面白かった。
オリジナルの鋳型を使えるわけではないので実際の製品から型を取るわけだが、そうするとやっぱりオリジナルよりもどんどん出来合いが「甘く」なっていくのが、目に見えてわかった(やはり「コピーはオリジナルに劣る」とゆー大原則が……)。
そして実は初めて見ました、魔鏡。
魔鏡といってもファンタジー世界で出てくるような呪いめいたものではなく、「鏡面に光を反射させると鏡背面もしくは内部に鋳込まれた図像が写し出される鏡」のこと。
残念ながら撮影禁止だったので、どういうものかお見せすることはできない。
ここに展示されていたのは仏さまの像が浮かび上がる奴だった(ここのコレクションには7点もの魔鏡が含まれているそうだ)。
ちなみに魔鏡としては、十字架のキリスト像が投影される隠れキリシタンの遺物が一番有名らしい。
隠れキリシタンにはそりゃあありがたいツールだっただろう。
ぴかぴかに磨かれていて、かなりよく自分が見える。
ちなみに右横の江戸っ娘カツラは撮影用。
だれでも自由にかぶって写真が撮れる。
(展示中写真を撮影できるのはここだけ)
そんな展示を友人らと一緒に4人で見て回り、余った時間は常設展示を楽しんだ。
(その前にここにお勤めの友人Vの仕事部屋を見せてもらったのはナイショ)
駅から遠いのが難点だが(笑)、点数も多いし展示法もちょっとずつ工夫されてるし、なかなか面白い博物館だった。
博物館もそうだったけど、他の建物も新しくて綺麗で先進的だったし(10年くらい前に全部建て替えたっぽい)、お金持ちなのかしら、國學院って……。
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