【映画】『バトルフィールド』
ほぼほぼ一か月経っているので簡潔に(現在7/24)。
まず断っておくと、ゲームじゃなくて映画である。
「ブリティッシュ・アクションの新境地」みたいなあおりにつられて観に行ってみた。
ネタバレがあるので、まだ観ていない方はここでストップ。
あらすじ 西暦1066年。征服王ウィリアムにより制圧されたイングランド。10万人ものサクソン人が虐殺され、家を失った流浪の農民たちはデュラント卿の圧政に苦しんでいた。彼らの前に現れた放浪者シャドウ・ウォーカーは兵士たちを斃し、デュラント卿の息子アルトゥスを人質に取る。彼はかつて父王を叔父のデュラント卿に殺され、国を奪われ、奴隷に売られたノルマン貴族の王子だった。農民たちはシャドウ・ウォーカーをリーダーに砦を築き、怒り狂った軍勢との最終決戦に臨む。血で血を洗う決闘を生き残るのは誰だ?
「シャドウ・ウォーカー」って名前、ほぼ出てこないんですけど(汗)。
字幕もなぁ……一番気になったのは、シャドウ・ウォーカーの父親が殺される回想シーンで、デュラント卿に向かって「Brother」とよびかけるのを「兄上」と訳していたこと。
逆だろ。
どう考えてもパパが「兄」でデュラントが「弟」のはず。
公式サイトの家系図にもデュラントは「弟」って書いてあるし。
末子相続のモンゴルならいざしらず、致命的な誤訳だと思うのだが……。
あっ、字幕の作者を覚えておくのを忘れたな。
しかしどのみち我々には字幕作者を選びようがないので、覚えててもしょうがないか。
とにかくそこがとても不満。
そんなところに気が行ってしまうのも、映画全体が……さほど面白くなかったからだな。
はっきり云って、「ミュージックビデオを2時間見せられた」としか思えない(笑)。
モノクロチックな映像は美しいが、同じ効果(スローモー)を使いすぎなのだ。
緩急をつけてくれ!(「緩」しかなかった)
あと、人物設計も甘い。
ルノアールのココアのように甘い!
どう考えても二番目の息子ロメイン・デュラントの感情の振れ方が納得いかない。
「(軍費につぎこんでしまったら)ノルマン王へ納める金はどうするんですか」と父親をいさめようとする現実的な視点をもちながら、決戦で父親が死んだらしいと感じたとたんに突撃を決めて「死ぬまで戦え!」って豹変するの、なんかおかしくない?
それ以前に親子の深い深ぁい情愛が描かれてたり、なんかその絆の強さが欠片でも提示されてたら別だったけど、特になかったし。
映像だけは美しかった。
残虐でもあったけど。
あとはなぜか『イージーライダー』を思い出しながら見ていた。
ビジョンで自分の(だれかの)最期を視る、みたいなシーンがあった気がする。
もっとも、あっちの方がはるかに暴力的で、はるかに絶望が深い。
古代的世界観の表現はまずまずだったけれど、他作品を抜くほどではないし、『ヘラクレス』や『エクソダス』のような入り込みやすさが足りない。
この作品はやはり中途半端だ。
まぁ、今後の成長に期待、なのかな。
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