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2014年11月の記事

2014年11月30日 (日)

【展示】「日本国宝展」2回目(東京国立博物館、東京・上野)  #国宝展 #東博


これも昔のことになったので、サクッと行った記録だけ……(現在12/26)。
年内に今年の日記を全部書き終えるのが絶望的になってきた……。

展示替えを狙って、2回目を見に行ってきた。
かなりの数、替わっていた。
「第一章 仏を信じる」「第三章 文学、記録にみる信仰」「第四章 多様化する信仰と美」のブロックは総入替えに近かった。
特に「第一章 仏を信じる」は、水瓶、香炉、鏡、箱などの工芸品が多く(このへんを見るのが好き)、二度目にもかかわらず回るのに時間がかかった。
巻物なんかも、同じものでも律儀に展示内容が替わっていた。たとえば前期は上巻だったのが後期は下巻に切り替わったような感じだ。

オススメな地獄草紙の中身も変わっていた。
前期は「酒を水で薄めて売ったやつが堕ちる地獄」や「坊主に飲酒を勧めたやつが堕ちる地獄」のように全部「酒」がらみだったけど、今度はもっと普通の罪による地獄だった(人を騙すとか放火とか)。
ただ、堕ちる先がエキセントリックだったかも(笑)。
「火を吐く鶏に追い回される地獄」や、「膿や糞尿の煮立った中に落とされて鉄の口を持った蜂に襲われる地獄」などがあり、しかもなかなかに絵が上手くて迫力がある。
昔の人は想像力がとても豊かだから、こんなの見せられつつ説教されたら大人でも怖かっただろうな。

金印は、初めて実物を見たけど、思っていたよりずっと小さくてびっくり。
考えてみれば、そんなに大きかったら重くて扱えないよね、黄金だもん。
「白菜」ほどじゃなかったが、ここも混んでて、自分の順番が来るとあっという間に通り過ぎなければならなかった。

後期の目玉の一つである土偶ちゃん勢揃いは、案外混んでいなかったが、まぁ、茅野の考古館に比べるとやっぱり「のんびり」見るのは難しかった。
そしてやっぱり茅野出身の二体が好き(縄文のビーナスと仮面の女神)。

後期の目玉の一つ、白糸縅の鎧は、かなりしっかり見られた。
白布のいたるところに、その布を取り替えた年号が書きつけられていて(ほとんどテキスタイル状態)、ちょっとおかしかった。
「ここも、ここもここもこの年に取り替えたから、次も忘れずに取り替えろよ」ってことなのかしらん。

ともかくも見ごたえのある展示で、楽しかった。
ちゃんと二度観られてよかった。

20141130kokuhoten

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2014年11月27日 (木)

【映画】『ヘラクレス』  #ヘラクレス #ドゥエインジョンソン


時間がたちまくりなのでサックリ行った記録だけ(現在12/24)。
ちなみにネタバレまくりなので、まだ観ていない方はここでストップ。


「ロック様」ラブな友人につきあって観に行った。
これが意外に面白かった。
どんな筋肉お馬鹿さんが出てくるかと思えば、まぁもちろん肉体的に優れた主人公が出てはくるが、彼一人で超人的な何かをするわけではなく、ときどきある「マッチョなだけのお話」ではなかった。

神話をうまく織り交ぜながら、推測される現実を提起するやり方は嫌味がなく、脚本がよく練れていたと思う。
まぁアレですな、『ドラキュラZERO』を観たあとだったから余計にそう思った、っていうのはあるかもしれないけど(笑)。

コンセプトは、「チーム・ヘラクレス」。
確かに中心にいるのは並外れて頑強で意志強靭な人間だが、神の子だからではなく(つまり「超人」ではなく)、仲間と力を合わせることで難業を成し遂げている、という見立てだ(エンディングで見られるシミュレーションも面白かったなぁ)。
その仲間がいろいろ癖があって面白い。
みんなの人気者になりそうな予言者もいて(私もお気に入り)、ギリシャらしかった。
運命を試すべく、矢の雨の中に身をさらしたりしちゃう予言者らしい予言者で、しかもこれがまた武器を持たせると強い。戦う予言者(笑)。
ツンデレ友人とか、ほかにもいろいろいるが、それはまぁ、観てのお楽しみってことで(観た人にはわかってるだろうし)。

とゆーわけで、予想に反してかなり良質な娯楽作品だった。
とにかく脚本がしっかり考えられているのがいい(『ドラキュラ…』で懲りた)。
「ロック様」ことドゥエイン・ジョンソンもカッコよかったし、並外れた事象(土中から敵兵がむくむくとか)と、人間らしい(=現代的常識の範疇の)事象とをバランスよく配してあって、無理なく楽しめた。

もしかして続編とか作るのかな?
作ったら見に行ってもいいかも(笑)。

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2014年11月25日 (火)

【グルメ】(る)ハレノヒ ルミネエスト新宿店  #ハレノヒ #新宿


なんかもー、家に帰って食事を考えるのがめんどーになったので、新宿で食べて帰ることにした。

このお店は二度目。
一度目の印象が割とよかったのと、同じルミネエストのレストラン街の中では一番遅くまでオーダーを受け付けてくれるのとで、再び入ってみた。

海老マカロニグラタン

海老マカロニグラタン。

なんだかものすごく久しぶりに食べた、海老マカロニグラタン。
グラタンって大好きなんだけど、最近はカロリーを気にして必ず注文から外していた気が(笑)。
グラタンらしく、美味しかった。
海老もちゃんと入っていたし。
グラタンって、食べるとやっぱり幸せになるなぁ(カロリーを無視すれば)。


オムレツケーキ?

オムレツケーキ?だっけ?

一口食べたあとの写真ですみません(汗)。
このデザートは……まぁ、可もなく不可もなし。
メニューで見るととても期待しちゃうけど、そこまでのものではない。
むしろ、他の料理なんかと比べると、コストパフォーマンス的にあまりよろしくない気がする。

というわけで、ここで食べるときには、ミニデザートの付いてるセットを頼んで、ちょっぴり甘味を楽しむのが一番コスパがよさそうだなぁ。

(る)ハレノヒ ルミネエスト新宿店
夜総合点★★★☆☆ 3.0

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2014年11月23日 (日)

【グルメ】帝国ホテルさんのパークサイドダイナー、再び  #帝国ホテル東京 #パークサイドダイナー


これも昔の話になってしまったので、ざっと記録だけ(現在12/19)。
そうだ、写真だけ載せればいいんだ!
あとはひたすら「美味しかった」。


スモークサーモンとポテトサラダ

スモークサーモンとポテトサラダ。

毎回毎回スモークサーモンの美味しさにノックアウトされている……。


ミネストローネ

ミネストローネ。

スープストックあたりで食べるよりは自分で作ったミネストローネの方が断然美味しい!と思っているが、ここには脱帽。かないません。


豚バラ肉の煮込み

豚バラ肉の煮込み。

「煮込み」と云いながら、全然煮崩れる気配はない。でも柔らかい。
食した友人曰く、ブイヨンで煮込んでからローストしたんだろうとのこと。


リブアイステーキ

リブアイステーキ。

わたくしステーキ好きなのです。好きだけにちょっぴり五月蠅いのです。でも文句なし(まぁ、厚さが5cm以上なければステーキとは思わないアルゼンチン人からは文句も出ようが……)。

そして豚バラ肉の煮込みにもステーキにも付いてくる付け合わせの野菜が……!!
絶品!!
特に白菜のバター煮は超絶危険な食べ物だった。
美味しくて丼一杯食べられそう……かなりの高カロリーと推察されるが(汗)。
ブロッコリーにしたって、ただのブロッコリーのくせになぜこんなに美味しいのか……!(凄い敗北感)


チョコバナナケーキ

チョコバナナケーキ。

ナッツがうみゃー。「普通サイズだ」と侮っていたけど、食べ終わってみると何だかお腹がズッシリ重く……。


チーズ入りパンケーキロールのベリーソース

チーズ入りパンケーキロールのベリーソース。

パンケーキと云っても薄焼き、つまりクレープだな、これは。
実はあんまり甘くない、大人のお味。でも美味しい。
(かつてエッグむにゃむにゃで食べたパンケーキロールとは雲泥の差……)


今月のスペシャルサンデー

今月のスペシャルサンデー。

コース外だけど、注文してしまった。だって今しか食べられないから(来月になると別のサンデーに)。
しかしてお目当てのナッツバーが品切れ!! ただのゴーフルになってる!! ヒドイです!!(涙)


洋梨のコンポートとキャラメルのサンデー

洋梨のコンポートとキャラメルのサンデー。

ナッツバーがないのは痛恨だったけど、でも美味しいんだよね~(遠い目)。
私なんか洋梨はちょっぴり苦手なのにさ~、全然問題ないどころか止まらなくなりそうなんだよね~。

美味しゅうございました m(_ _)m 。

▼これまでの記事。
2014年01月10日 【グルメ】帝国ホテルさんのパークサイドダイナーへ行った
2013年02月27日 【グルメ】帝国ホテルさんのパークサイドダイナーで食事してみた
2012年10月26日 帝国ホテルさんのパンケーキなど
2011年05月17日 プレミアムオーダーブッフェ

パークサイドダイナー
夜総合点★★★★ 4.0

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2014年11月22日 (土)

【舞台】「四天王楓江戸粧(してんのうもみじのえどぐま)」(明治座、東京・浜町)  #猿之助 #鶴屋南北


これも時間が経ってしまったので、本当に行った記録だけ(現在12/17)。

ちょっとお安く購入するチャンスがあり、猿之助が出ることと、源頼光がらみのお話ということでチケットを取ってみた。
行ってみてわかったけど、なんと明治座は初めてだった。

いや~、最初の口上で「ストーリーはあまり気にしないで」と頼まれたが確かに。
話がむちゃくちゃだ。さすが鶴屋南北。
ツッコミどころ満載で、よく笑えます(笑)。

猿之助は相変わらず超上手い。
本当によくセリフを聞き取れるよなぁ、この人と菊之助は。
体のキレもいいし。

ただ、元のお芝居を半分の上演時間に縮めたせいか、逆に舞台として全体のテンポが少し悪くなっていた気がする。
それだけが残念だった。

それ以外はまぁ、幕間のお弁当も楽しんだし、宙乗りやら早変わりやら歌舞伎らしい仕掛けを堪能できた。
あのでっかいクモがよかったな~(笑)。
上に乗ってみたい(笑)。
あとはあの2メートルくらいある長い太刀。
あんなふうにかっこよく、さりげなく振ってみたいものだ~。

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明治座。


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歌舞伎弁当。2200円も(!)
するけど、美味しかった。

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2014年11月14日 (金)

【舞台】「皆既~トータルエクリプス~」(シアターコクーン、東京・渋谷)  #シアターコクーン #蜷川 #生瀬勝久 #岡田将生


時間が経ってしまったので、もう本当に記録だけ(現在12/16)。

最初から最後まで「ダメ男」のお話だった(笑)。
もう本当に上手いんだ、生瀬の演じるポール・ヴェルレーヌの「ダメ男っぷり」が半端なくて。
なぜあんなにダメ男かってくらいダメダメである。
上手い。上手すぎるよ、そのダメっぷり(笑)。

「どんなに自立しているように見える人間も他者に依存しているんだ」みたいな発言をテレビで聞いた覚えがあるが、それは逆に「依存」の意味を浅く捉えた物言いである、ということがこの舞台を見るとわかる。
「依存」って、こういうものだよ。
お互い助け合うとか、そういうレベルのものじゃない、ひたすら「依存」。どっぷり「依存」。そりゃ「自立」とは対立項になるわ。
「これぞまさに依存」ってのがよくわかる舞台であった。

というように、ヴェルレーヌとランボー(二人とも男だよ)のダメっぷりを満喫してきました(笑)。
二大詩人のダメダメ愛の逃避行を堪能しましたとさ。おしまい。

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2014年11月13日 (木)

【グルメ】グリルビクトリヤ  #カキフライ #ビクトリヤ #鶯谷


以前からお気に入りの洋食屋さん。でも最近は年に数回行けるか行けないか。
もうちょっと食べに来たいのだが……。

今日は頑張ってお昼に食べに行ってみた(移動も含めて本当にギリッギリ……)。
カキフライ定食がまだあるというので、そちらを注文。

ここのカキフライは「普通に美味しい」と、ずっと思っていた。
でもあるとき、他のレストランで食べて「違う! これはカキフライじゃない!」とショックを受けたのだった。
自分の中で「普通」と思っていたレベルが、普通じゃなかった、みたいな……。
それ以来、自分的には美味しい一体型「カキフライ」と、単にカキに衣をつけて揚げただけで衣とカキが一体化していない「カキのフライ」とを区別している。
普通の外食店舗で食べられるのはほとんどが「カキのフライ」。
でもここのは「カキフライ」。

変な話をつらつら書いてしまったけど、今日もやっぱり美味しかった。
今日のカキは小粒だった(そして最後の一皿だったのか量が多かった気がする(笑))。
小粒でプリプリして、衣はサックリとして美味しかった。
ソースをかけてもかけなくても食べられる美味しさ。
おかげさまで食が進んで、付け合わせのキャベツの千切りもポテトサラダ(サワークリームの?)もライスも、一緒に全部食べちゃった。

去年は食べ損ねたから、今年はもう一回くらい食べに来たいなぁ。


カキフライ

カキフライ。


ビクトリヤ

昼総合点★★★☆☆ 3.5



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2014年11月12日 (水)

【グルメ】志げ その2  #志げ #西日暮里


西日暮里でおススメの焼き魚屋さん(ちょっと違う)。
お奨めはなんといっても焼き魚である。
出てくるまでに凄く時間がかかるけど(20分くらい(笑))。
その代わり、焼き魚は必ずジューシー。

というわけで、今日は大好きなサバの塩焼きを注文。
ジューシー♪
いくらでも食べられそうにうみゃい。

ただ一つ難点があるとすれば、大根おろしが少ないことだな(笑)。
美味しゅうございました。

サバの塩焼き定食

サバの塩焼き定食。


サバの塩焼きのアップ

サバの塩焼きのアップ。


▼以前のレビューはこちら
2014年10月27日(月) 【グルメ】志げ


志げ

昼総合点★★★☆☆ 3.2



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2014年11月 8日 (土)

【グルメ】KEBA1 グランプリ  #KEBA1 #トルコ


「行ってきました」の記録だけ。
ケバブ屋だらけだった。
にもかかわらず、夕方に行ったら半数以上は売り切れ御礼。
早すぎる~。
イベント的には明日もあるのにどーすんだ~……。
ちなみに、トルコ食材屋も一軒あったけど、キョフテリッキ(キョフテ用ミックススパイス)は売ってなかった。

ケバブを2種類ほど試した。
美味しいけど、キャベツが圧倒的に多い(笑)。
マヨネーズの嫌いな私はソースなしで食べるので(そもそもソースをかけるようになったの、日本でだもん!)、お味のバリエーションのために、もうちょっとお肉を入れてほしかったな~。
そして、ここでも炊飯器から盛り付けられるのを見ると、やっぱりテンション下がるな~……(笑)。

ドンドルマ(のび~るトルコ風アイスクリーム)は寒いので食べなかった。
他の人たちが買うのを見て楽しんだ(店のおじさんにコーンごと取り上げられちゃったり……まぁ、今度実際に見てください、笑えるから)。
しかし、反応の悪い男もいて、どうしてあんなにつまらなそうに買っていくのかわからなかった。
もうちょっと楽しんだらどうだろう?

KEBA-1 グランプリをやるかどうかはともかく、来年もやってほしいな、トルコフェス。
次回はできればエキメッキ(トルコで売ってるフランスパン)で作るサンドイッチも売ってほしいな。

20141108keba1

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2014年11月 5日 (水)

【グルメ】美味卵家  #美味卵家 #神田


すごくすご~く久しぶりに神田の美味卵家に入ってみた。
神田はよく来るが、ここは終了時間が早めだし人気でいつも混んでいるためなかなか入れない。

本日のメニューはこんな。
本日のメニュー黒板


マンゴーとフレッシュモッツァレラのバジルマリネのせ

マンゴーとフレッシュモッツァレラのバジルマリネのせ。
コロッケはオプション。

かなり真面目にマンゴーが使われてて凄かった。


牛舌煮込みの“デミ”オムライス

牛舌煮込みの“デミ”オムライス。

美味しゅうございました。
もっと味が濃いかと思っていたら、そうでもなくて食べやすかった。
トマトソースがさっぱりしていて美味しいのなんの。


オムライスのアップ

オムライスのアップ。
牛タンが覗いております。

牛タン、美味かったです。ゴロゴロ入ってた。

ときどき食べに来たい洋食屋さんの一つである。
ただ、コレステロールが気になるので、間をあけないと無理かも(笑)。

美味卵家
夜総合点★★★☆☆ 3.2

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2014年11月 4日 (火)

【舞台】ピーター・ブルックの「驚愕の谷」(東京芸術劇場、東京・池袋)  #ピーターブルック #驚愕の谷 #キャサリンハンター #マルチェロマーニ #ジャレッドマクニール

▼演目紹介(フェスティバルトーキョー14のサイトより転載
 20世紀演劇を代表する演出家で、今もなお目覚ましい活躍を続けるピーター・ブルック。初来日を果たした『真夏の夜の夢』から、近作の『ザ・スーツ』まで、ごくわずかな装置、小道具と俳優たちの表現力を駆使し、観客の想像力を最大限に引き出す作風は、日本でも根強い人気を誇っている。
 本年4月にパリで初演された最新作『驚愕の谷』は、人間の脳の神秘、奇蹟をたどる冒険譚。超記憶能力や共感覚を持った人々のエピソード、世界の果てに住む霊鳥を訪ねる旅を描いたアッタールの物語詩『鳥の言葉』を参照した舞台は、われわれの意識をどれほど遠くまで連れ出してくれるだろう。


遅まきながら『ピーター・ブルックの魔笛』で体験して以来、「来日があれば必ず観たい」と思うようになったピーター・ブルック(『マハーバーラタ』を観られなかったのは痛恨の極み……)。
しかも今回はキャサリン・ハンターが出演するという。
キャサリン・ハンターは、化け物のようなイギリスの女優さんである。
男役を演じれば女っ気ゼロになるし、サルを演じれば本当に猿にしか見えない腰つきや動作をしてみせる、こわいこわい女優さん……ホントにこわいんだよ(汗)。
こんな豪華メンバー、見損ねたら後悔の嵐になっちゃう!

で、見てきました。
もうかなり時間が経ってしまったのでざっとだけ(現在12/5)。

実はあんまり大きなドラマはない。
中心となるのは、キャサリン・ハンター演じる超人的記憶能力を持つ女性だが、それ以外の「共感覚」とよばれるものの類例も散りばめられている。
たとえば、音楽を聴くと、音と同時に映像も浮かんでくる人とか。
イマジネーションを働かせるということではなく、音を聴くときに聴覚だけでなく視覚も情報を受け取るらしいのだ。
すばらしいギフト(能力)だが、「共感覚」という概念が現れるまでは(あるいはその後も……私なんかも今回初めて知ったわけだし)、本人たちはとにかく狂人扱いされないように、他人を恐れ自分を恐れながら生きてこなければならなかったらしい。

サミー(キャサリン・ハンター)は並外れた記憶力を持つ「共感覚者」だ。
そうであることを自分でも知らなかったが、あるときそれがわかって、会社を解雇されてしまう。
しかたなく、紹介された見世物のプロデューサーと組んでショービジネスで成功するが、人気とともにショーの回数も増えていき、やがて限界に至る。
何しろ彼女は「いったん記憶したらそれを忘れることができない」のだ。
何の意味もない言葉の羅列が、記憶のフィールドに敷き詰められてしまってどうしようもなくなっていく。
どうすれば「忘れる」ことができるのかと苦しむサミー。それを見て、その能力が特別だと明らかにしたことは果たして正しかったのかと悩む研究者。
そして結局、サミーはショーに出るのをやめた。
研究者のもとへ行き、調査や実験などをいくらしてもらっても構わないから研究に協力したいと申し出る。
そうして、自分と同じような境遇に苦しむ人たちを手助けできるようになりたいのだ、と。

というお話だった。
というわけで、カタルシスがどこにあったのかよくわからない。
なかったのかも。
でも観て満足したんだよね。
なぜなんだろう?
魔術師の舞台はホント、言葉にしづらくて困る(自分が未熟者だから悪いんだけど)。
面白かった。これだけは確か。

3人の俳優もよかった。
同じ俳優さんが複数の役をこなすんだけど、ちょっと白衣を羽織っただけで変わったり、そういう転換がものすごく上手かった。さすが。
場面転換も、俳優さんたちがさりげなく椅子を動かしたりテーブルを動かしたりして変えちゃうんだよ。
あとはマルチェロ・マーニの英語がすばらしく聞き取りやすくて、感動した(昔昔のハリウッド映画のようだ!(笑))。

そして楽譜のない生音のBGM。
舞台を生演奏と組み合わせても全く邪魔にならず違和感もない。
しかもこの舞台ではBGMも「即興」がメインらしい。
すばらしかった。

20141104peterbrook


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2014年11月 3日 (月)

大会参加


記録するのを忘れていた。
今年も全国大会の集体に参加。
また端っこの列でしたとさ。

20141103gym

会場から帰る前にパチリ。

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2014年11月 2日 (日)

【映画】「ドラキュラZERO」  #ドラキュラZERO


昔の話になってしまったので、行った記録だけ(現在11/26)。
ルーク・エヴァンスのファンは読まない方がいいかも。
彼自身が悪いわけじゃないけど、演出・脚本が超超超ド下手だったから、ほとんど文句しか書きません(笑)。

久しぶりに見た「ダメ映画」。
何がダメって、シリアスぶってるくせに、セリフが全部「薄っぺら」い。
「なんでこんなに薄っぺらなんだろう???」と思ううちに、薄っぺらな挑発に乗って薄っぺらな見込みで薄っぺらな行動(叛逆)を起こしちゃって、まあなんとも……。

とにかく脚本が悪い。
セリフが全部薄っぺら(何度でも書くぞ)。
そして演出も悪い。
あの脚本であっても、たとえば「ニンゲン的には当たり前の優しい母親だが、為政者の立場にいる者としては利己的に映らざるを得ない奥方が、魔女のような狂気をもってヴラド公を追い詰めていく話」として演出すれば、セリフは狂気を帯びて薄っぺらでなくなり、ドラマもそりゃあ鬼気迫って面白かったんじゃないかと思う。
……その場合、主人公的立場は奥方に食われるので、ヴラド公は猿回しのサルになっちゃうけど(つまり演出案としては却下されるだろうけど)。
でも今回の演出だって、奥方のセリフ(ひたすら自分の子どもを取り戻そうとするばかりで後先のことは一切考えない)は、ほとんど呪いに近かったわけだし。
奥方にそそのかされなきゃ(しかも「遺言」で!)、ヴラド公は吸血鬼に堕ちずに済んだわけで。
もうちょっとセリフが薄っぺらでなければ、悲壮感ぐらい出せただろうに、あれじゃただの「呪い」。
それに乗っかって吸血鬼となって仲間を増やして反撃するヴラド公も、結局領民を地獄に突き落とす(吸血鬼の眷属に仕立てておきながら最後は人間である自分の息子を守るために日の光で焼き尽くす)という最悪の選択をしておるわけで、どうやっても感情移入できん。

というわけで、これから見る人は(個人的には見ない方がいいと思うが)、お笑いとして楽しむといいだろう。
シリアス映画というスタンスがよくない。
私もずいぶん後になって諦めたら、笑うことができるようになった。
いろいろ突っ込みどころ満載なんだもん。
特にあのトルコの皇帝メフメット様が、銀貨を敷き詰めて「ほ~れ、お前は魔物だから銀が苦手だろう~」と嫌がらせ満載で迎え撃つところ、大好き(笑)。
ええ、そうですとも、「やった、成金パワー炸裂!!」とかって喜んで見てましたとも。
残念なのは、メフメット様がヴラド公を殴るときに、指の間に銀貨を挟まなかったことだな(笑)。

あとで同じくこの映画を見た友人と感想を語り合ったら、友人曰く、テーブルトークRPGゲームのリプレイのようだったと……。
そうなのかも。
そういう観点で楽しむならいいのかも(どのみち「お笑い」要素を楽しむことに変わりはないが)。

結局、「カッコいい!」と思えたのはマスター・オブ・ヴァンパイア様ただお一人でした。
セリフに重みがあったのって、彼だけ。ホントに。

あ、そうそう、一点だけ見てよかったのは、ヴラド公が走りながら蝙蝠の群体に変身したり、蝙蝠から人間の姿に戻ったりする切り換えが映像としてうまくできていたので、これは見ていて楽しかった。

ダメ映画のダメな感想でした。おしまい。

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