【舞台】ピーター・ブルック「ザ・スーツ」(パルコ劇場、東京・渋谷) #ピーターブルック #ザスーツ #パルコ劇場
すんごい昔のことになっちゃったー(汗)。ので、本当に観た記録だけ(現在2014/01/14)。
どうしてそう思うのか説明できないのがもどかしいが、ピーター・ブルックは魔術師のようだと思う。
舞台を見ると、変幻自在という言葉が浮かんでくるのだ。
シンプルな舞台で、あれほど多様な場面を見せられるのは、なぜなんだろう。
もちろん、俳優たちの力量もあるのだろうけど、でもたぶん「演出」のせいなんだよね。
演出っておそろしい。
劇の冒頭で、「こんなことは南アのような圧政下でしか起こらない」というのが原作者の言葉として紹介されるのだが、最初はなぜそう言われるのかがよくわからなかった。
平たく言ってしまえば、パートナーの浮気に怒るって、普遍的なことじゃないの?、と。
それをずっと考えながら見ていると、だんだん解がわかってくる。
「明日への希望」が本当に「ない」社会では(言葉の上だけでなくて)、日常すらギリギリなのだ。
だから、笑って済ませられない。
だから、許すことが難しい。
ギリギリのところでやっと生きているときに、「それ」は喫水線を超え、彼の何かを溢れさせてしまった。
そしてその後の彼の仕打ちは、徐々に彼女の何かを溢れさせてしまう。
全編を通して様々な音楽に彩られているのがよかった。
しかも生演奏。しかも上手い。
女優さんが歌う場面もあるんだけど、これもうまかった。
そして最後の場面にバッハかモーツァルトのフレーズ(忘れちゃった)が持ってこられて、叩きのめされた。
英語での上演なんだけど、字幕もあるし、見て全く損のない作品だった。
とゆーか、見るべき作品。
あ~、もっと早くから観ておくんだった、ピーター・ブルック。
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