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2013年2月の記事

2013年2月28日 (木)

【映画】「二郎は鮨の夢を見る」

アメリカの監督が撮ったドキュメンタリー映画。実際に見たのは昨日だが、こちらで。

知る人ぞ知る寿司店「すきやばし二郎」のドキュメンタリーだ。
アメリカではかなりの人気だったようだし、外国の人が日本の鮨を撮るとどうなるんかいなという興味が湧いて、観に行ってきた。
平日昼間のすいている時間帯を狙ったのに、満席。
箱が小さいとはいえ、もっとガラガラだろうと思っていたので、まずそこが驚きだった。

映画の内容は、二郎サンがいかに職人気質であるかということと、ミシュラン三ツ星を三年連続で取るほどの「鮨」をつくりだすのにどれだけの人々が関わって「すきやばし二郎」を支えているかということだった。

たとえば、タコは40分、塩もみしてから使う(他で食べるタコはゴムみたいだと二郎サン談)。
見習いは40分間ずーっとタコを塩もみしなきゃいけないわけ。
しかもこんなのはほんの一例にすぎない。

個人的に一番びっくりしたのは、寿し飯つまりシャリが寿司桶に全然くっつかないこと。
巻きずしなんかを作ったことがある人ならわかると思うけど、どうやったってごはん粒はまわりの器にくっつくんである。いやらしく。
器を先に濡らしておいても寿司酢を少し引いておいても換気扇回しても何をしてもダメ
それなのに、「二郎」のシャリは最初から桶に一粒もくっつかない!!
なぜ!?!?!
なぜってそれは、ものすごくコシが強くて、全然粘り気のないお米を使っているからなのだ(たぶん)。
そのお米をふっくら炊き上げるために、ご飯釜には銅の蓋をした上で、さらに水を汲んだでっかい寸胴鍋を乗せて炊く。
つまり、並じゃない重量=圧力をかけて炊き上げてるってことだ。

まぁ他にもいろいろあるんだけど、書いているとキリがない(興味のある人は映画を見てください)。
個々の下準備を際限なく(ワタシから見ると「際限ない」デス)こなしてゆく「二郎」のスタッフはもちろん、上で述べたようなトンデモないお米を仕入れてくるコメの仲買人だの、いいネタを売ってくれる築地の仲買人だの(マグロはこの人、エビはあの人、というように分業してて面白い)、そうしたいろんな人々の支えがあって、最後にあのツヤツヤの鮨ができあがる。
つやつやてりてりで福々しい、宝石のような鮨が。
「二郎」を支える彼らのことは、エンディングロールで「ギルド」と記されていたそうだ(友人談)。
「ギルド」か、なるほどね~。

ちなみに、割と最初の方で下調べもせずに軽い気持ちで店にやってきた若者(?)が、「昼も夜も予約オンリー」「おまかせのみ(注文というシステムはない)」「最低3万円から」「おつまみなど、鮨以外のメニューはない」といったことを聞かされて、半ば逃げるように去って行ったシーンがあった。
「いっちょ行ってみっか」と軽いキモチで食べに行こうとする観客の浅慮が、その場面で早々にたしなめられていいかも(笑)。
逆に、「雲の上」ではなくなるのもいい。
実際に何がどうなっているか、店のシステムが事実としてわかるところは、米国人監督ならではという気がする(日本人監督だと変に遠慮して出さなかったりしそうな気がする……)。
もちろん、いろいろと重要な部分は秘されているのだけれど、写せる部分だけでしっかり映し出しているせいか、あまり不足は感じないまま自然に見られたと思う。

3万円から、か……(3万円から、だから、その日のネタによっていくらかかるかわからない……)。
自分にはちょっと……宝くじでも当たらない限り、なかなかご縁がないかも。
せめて映画で見ておいてよかったと思うことにしよう(笑)。

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2013年2月27日 (水)

【グルメ】帝国ホテルさんのパークサイドダイナーで食事してみた

福利厚生の方でお得なプランが出ていたので、誕生日記念に食べてきた。
コースは、前菜とメインとデザートという、とてもシンプルなもの。
(それだけでも十分なんですけどね)

前菜は、自分はキノコのスープを選択(写真なし)。
猫舌気味の私でも飲めて、しかも「ほかほかあったかい」と思わせる絶妙の温度で出てくるところが、スゴイ。
もちろん、香りも味もキノコ風味がよく出ている。
そうなんだよ、キノコのスープって美味しいんだよね。自分では作らないけど。

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本日のシェフおすすめメイン料理。
子羊のなんとか。トマトベースで私好みの味。


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友人が頼んだハンバーグ。
そんなに大きくないけど、お肉が「ぎっしり」って感じ。

そしてデザート!!

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私の誕生日だと友人が話したら、盛り付けがこんなことに!
ちょっと感動。
ほとんど忘れていたしそれほど期待してなかったので、運ばれてきたものを見たときはホントにビックリしちゃった(「ビックリした」を連発してしまったよーな……)。
イチゴのサンデーのスモールサイズだが、スモールといいつつアイスクリームが丸々2スクープ入っており(本当に「丸々」)、結構食べごたえがある。
イチゴはもちろん美味しいし、サンデーの中に入っているラスクがまた一緒に食べると美味いの美味くないのって。
ちなみに写真はないけど、友人はモンブランを頼んでその美味しさに悶絶していたようだ。

どれも美味しゅうございました。
食後の紅茶も(風邪気味で不調なのでコーヒーは断念)。
紅茶もコーヒーもなんとなく飲みやすいんだよね、ここのって。

価格はそれなりにするけれど、毎回その分は満足できる内容なのが凄い。
またちみちみとお金を貯めて(庶民ですから)、機会を作って食べに来たいなぁ。



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2013年2月21日 (木)

【グルメ】ブルガリアン・ダイニング ソフィア(東京・東京駅八重洲口)

大学院時代の仲良しと年に一度の会合。
今年も六人全員集まれてよかった(危うかったけど)。

今年はブルガリア料理を楽しむことになった。
場所は「ソフィア」というレストラン。
ブルガリア大使館公認だそうだ。

おしゃべりに専念するため(笑)、最近はコースで頼んじゃうことが多い。
今回も、歓送迎会用のコースを頼んだ。
18時までの来店で、5000円を4000円にしてもらえるので、かなりお得だ。
しかも飲み放題付き。
まぁ、そんなに飲む面子ではないんだけど、何しろ楽だよね、会計が(だれが多く飲んだとか考えなくていいし)。
それに、飲み放題の中に「アイリャン」や「アイリャン・カクテル」があるのがまた魅力的だ。

コースはこんな感じ。

 ショプスカサラダ
 スネジャンカ
 バニッツア シレネ
 ブルガリアンムサカ
 豆の煮込み
 キュフテ
 カヴァルマ
 デザートの盛り合わせ

以下、写真でご紹介。


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右がショプスカサラダ。野菜サラダの上に削ったチーズがいっぱい。
左がスネジャンカ。チーズクリームボールみたいな感じ(水気を切ったヨーグルトらしい)。
手前のパンも美味しかった~。


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たぶんこれがバニッツァシレネ。シレネというのはチーズの名前らしい。
パイ皮とチーズを交互に重ねるような感じで、トルコ料理にも類似のがあったよーな気が。
お味はこちらの方がサッパリして日本人には食べやすいかも。


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ブルガリアンムサカ。ムサカといえばギリシャですが。
ギリシャとかトルコとかと共通する部分が多い気がする。
やはり隣国だから?
このムサカも、ギリシャのムサカよりサッパリしていたと思う。
あ、あと、なんだかただのムサカよりもオシャレな感じだった。


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豆の煮込み。美味しいんだよね、こういうのが。
それにとてもきれい。


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カヴァルマ。ブルガリア料理といえば、コレらしい。
ブルガリアの煮込みオーブン料理。
美味しいんだけど、みんなもうおなかいっぱい(笑)。


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キュフテ。トルコだとキョフテだなぁ。要するに肉団子のことなんだけど。
ホウレンソウが入っていて面白かった。
トルコのものはスパイシーだけど、ブルガリアのはサッパリ味。


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デザート盛り合わせ。ぜいたくな気分になれる。
ヨーグルトアイスがとにかく美味。


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アイリャン・カクテルなるものを飲んでみた。
コーヒーリキュールをアイリャン(甘くないヨーグルトドリンク)で割ってある。
それはそれは不思議なお味(笑)。
アイリャンだけで飲んだ方が無難ではある。
ちなみにこのお店では、アイリャンは加塩と加糖の二種類から選べる(どっちも飲んだ!)。
(トルコ語ではアイラン。似てるなぁ)

どれもたいへん美味しゅうございました。
お店は綺麗だし、そんなに高すぎないし、とてもいいレストランだと思う。

会合の方はといえば、案の定、みんなで喋りまくり。
よくしゃべって、よく聞いて。
あー、ラクチンだ。
何が楽って、大学で学科が同じなので、なんとなく「専門用語」っぽいことを言ってもOKだし、とにかく「つーかー」な感じがすごく楽。
誤解を恐れずに言うならば(←恩師の一人の口癖)、「これをこのまま言ってわかるかな?」などと手加減する必要が一切ないところが、「楽」なんだなー。
おたがい、土台として共通している範囲が広いっていうのかな。
ただの友達だから、立場を気にしなくていいし(笑)。
ただの友達って大切。

最中に、一人が「開店する」と爆弾発言をして、みんなびっくり仰天。
ぜひ応援したいから、次回は一年後よりも早くに集まるかもね(お店を見に行くとかで)。
「お店」についてはまた後日レポート(まだ開店前だし)。

楽しい夜だった。



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2013年2月 9日 (土)

【グルメ】和風カフェ 北斎茶房(東京・錦糸町)

蔵前にカキモリというお店を見に行ってみた。
予想より広かったが、思っていたよりずっと人が多いせいで(女性客多し)、窮屈に感じた(人口密度がね……)。
オリジナルノートを作れるお店で、自分で好きなパーツを選んで組み合わせ、リング製本してもらう。
自分も作ろうかなと思っていたのだけれど、B5/B4しかサイズがないのがネック(私はA判派)。
さらに、あまりの価格の高さについヘタれ……今回は見送ってしまった(ノート一冊作るのに3000円くらいかかる)。
プレゼントにいいかもね。
贈られた相手は価格がわからないから、ちゃんと使ってもらえるはず。
自分用だともったいなくて使えないかも(笑)。

その後、友人と「北斎茶房」へ。
以前、メトロのフリーペーパーに美味しそうなかき氷が載っていたお店だ。
今は冬なのでかき氷はないけれど、一度来てみたかったので。

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私は北斎あんみつと抹茶オレを、友人は白玉パフェとコーヒーを頼んだ。
北斎あんみつは、写真ではよくわからないかもしれないが、アイスクリームの下にいろんなフルーツが隠されていて、美味しくて楽しい。
ボリュームも結構あったし、満足した。
あとは抹茶オレが、ちゃんと抹茶で、いくら和三盆を足しても甘々にならず、いつまでたっても抹茶の苦みがなくならない。
いいなぁ、こういう抹茶オレって好き(スタバとかああいうところの抹茶オレは単に甘いだけだからなぁ)。
友人の白玉パフェも、なかなかボリューミーで美味しそうだった。

唯一の問題はちょっぴり「お高い」ことだな(価格が)。
でもまた機会があったら食べに来たい。
次は夏、かき氷を食べに来なければ!



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2013年2月 2日 (土)

【展示】「チョコレート展」(国立科学博物館、東京・上野)

上野の科博でやっている「チョコレート展」を、ゲーム仲間4人で観に行った。
大まかに分けて、1.カカオの歴史、2.チョコレートの歴史、3.日本におけるチョコレートの歴史、4.チョコレートの製造工程、5.目で見るチョコレート。

やはりカカオの歴史とチョコレートの歴史が面白かった。

マヤなどの文明におけるカカオ飲料は、今のココアとはずいぶん異なっていた。
すり潰して液体と混ぜて、空気を含ませて泡立てて、その泡を飲むものだったとか(うろおぼえ)。
しかも一緒にトウモロコシ粉やトウガラシを入れる。
全然甘くないよね、それ(笑)。
あまり美味しそうには思えないけど、飲むと抜群に精力アップしたんだろうなぁ。
なんというか、「高貴な人しか食せない」位置づけからしても、日本における「酪」「醍醐」(要するにチーズ)と同じような感じに思えた。

ちなみに、歴博だったら「マヤにおけるカカオ飲料の役割」について語るだろうけど、科博の展示ゆえかそれはなく、製法と道具(と目されるもののレプリカ)の展示に終始していた。
レプリカは、あんなにたくさん展示する必要はないんじゃないかな、レプリカなんだし。
どうせ度重なる中南米文明の展示でみんな目が肥えてるもん(笑)。
一個見れば「ああ、これか」って想起するんじゃないかしらん。

あとは、現在のカカオ採集から初期加工までのようすが動画で紹介されており、よくわかって面白かった。
こんな感じなんだなぁ、と。
一緒に行った仲間が言っていたのだが、同じチョコレートの原料であるサトウキビに比べると、カカオには「強制労働」的な悲惨なイメージを持ちにくい。
それはカカオがこういう植物で、こういう工程で生産されてるからなんだな~、と、見て実感。
(もちろん、カカオを理不尽に買い叩けば、労働形態のいかんにかかわらず悲惨なことになるわけだが)

チョコレートの歴史では、周りの仲間のツッコミを聞いてげらげら笑っていた。
最初はスペインが「チョコラトル」を独占して秘匿していた、という展示のあたりで、「チョコレート・パーティー」を描いた絵画の複製をしげしげ眺めて「ここでもあそこでも女性を口説いてる」と論じてみたり(まぁ、「チョコレート=精力アップ」だからしょうがないネ)。
ヴァン・ホーテン(ココアの発明者で、もちろんヴァン・ホーテン社の創始者)に向かって「なぜお前はそこで仮にも食べ物をアルカリと混合させようなんて考えつくんだ?」と言ったり、「ココアの黒いのを漂白しようとでもしたのか?」と言ったり。
リンツ(コンチェの発明者でリンツ・チョコの創始者)に向かって「他の奴らは本当に『発明』してて偉いけど、お前さんはただ工場の機械の電源切り忘れただけだよな?」と言ってみたり(いや、科博の説明ボードに「うっかり72時間稼働させ続けてしまった結果……」みたく書かれてたから……割と有名な逸話らしい)。

ああ、おかしかった(この展示でこんなに笑ったのは自分だけではないかと……)。

その後、日本におけるチョコレートの歴史が紹介されていた。
その中に明治や森永などのチョコ製品史も展示があり、昔のCMを流していたりしたので、なんだか懐かしい気持ちになった。
各商品にしても、開発にかかわる話が載っていたり、昔のパッケージや海外向けパッケージが陳列されていたりで、今まで知らなかったこともあって面白かった。

でもって、チョコレートの製造工程を勉強するパート。
ここではまず「カカオの気持ちになってみよう!」と言われ、その後、グラインドされたりコンチェされたり加熱されたりする仕掛けがあったのだが、どうにも子ども騙しな仕掛けだったな~。
子どもも、あれじゃあ小学生以上はほぼ騙されないだろう(笑)。
このパートに関して言えば、「カカオになってみよう!」は諦めて、製造工程をもうちょっと丁寧に記してほしかった。
たとえば、説明文中に「メイラード反応によって」とあったが、その「メイラード反応」とは何であるかが書かれていない。
仲間に聞いてわかったけど、それについてさくさく説明できる人が客の中に多いとはとても思えない。
内容が難しかろうがなんだろうが、「メイラード反応とは」という但し書きもどこかに書いておいてほしかったな。
そうやって、もうちょいと科博らしく、サイエンスの部分もしっかり取り上げたらよかったんじゃないだろうか。
この製造工程のパートがそれに一番適していたと思う。

って、書いてて気づいたけど、今回の展示は「植物部門」主催だったわ。
工業プロセスはオマケの扱いなのかも。

最後のパートでは、ショコラティエの作ったさまざまな一口チョコを展示してあったが、なぜ女性観客らがこれの写真を撮るのかは理解できなかった。
どこかのショコラティエで買えば似たようなのを手に取って見られるよ?
一番最後に、チョコレートで作られたパンダ(上野だから)や恐竜(科博だから)などを見ておしまい。
(そのあとで物販コーナーがあるが、すげー混み具合で、つい購買意欲がそがれてしまった。いろいろおいしそうなものも多かったのに、あとから考えると惜しかったかも(笑)。ちなみに仲間の一人は礼儀正しくお土産を買っていた)

総じて、前回の「原子のひみつ」展の方が、サイエンスの香りが高くて、その意味で面白かったかなぁ。
今回のチョコレート展も面白かったけど、サイエンスの部分があまり見られなくて、なんつーか「イベント屋がウケを狙いすぎて外した」感じがちょっぴりする。

とはいっても、一時間半、じっくり見られて楽しかった。

▼公式サイトはこちら
http://event.yomiuri.co.jp/chocolate/index.html


おまけ、あるいは証拠写真。

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チョコ恐竜。ちゃんと最新の研究成果が盛り込まれているあたり、さすがデス(笑)。
さらに、下に落ちてる葉っぱはカカオの葉らしい。


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シーラカンスとその仲間たち、だったかな。


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チョコシーラカンス、角度を変えて。

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