« 2012年8月 | トップページ | 2012年10月 »

2012年9月の記事

2012年9月28日 (金)

【舞台】NODA★MAP「エッグ」(東京芸術劇場、東京・池袋)

青字のところはネタバレがあります
まだ観ていない人は読まないことをオススメ。
(だいたいこの部分は観念的になっちゃったので、読んでも楽しくないかも)


最初は、オリンピック熱狂の様を哂っているのだと思った
マスコミのアスリートに関する過熱報道は、とりもなおさずお茶の間にいる我々の愚昧ぶりを映す鏡だから。
あるいは、スポーツの祭典への傾注を利用した、「総体」の意識操作に警鐘を鳴らしているのかとも思った。
それらもあながち間違いではあるまい。
彼は、これまで「大衆」の「総意」によって醜く歪められる現実と、それによって転落する人生も描いてきたのだから。

だが、話はどんどん変わっていく。
「男のスポーツ!」のように思われていたものが、実は「起源は女性」だったり、戦後の東京オリンピックかと思われていたものが、実は開催されなかった戦前の東京オリンピックだったり。
当然、日本が舞台と思われていたのに、「満州」であったり。
一般的に起こりやすい「思い込み」を逆手に取った、逆へ逆へと向かう騙しの展開。

「後世に語り継がれる」ことが、いかに歪められうるか。
舞台をすべて通して観た我々観客にも、結局のところ、どこからどこまでが主人公「アベ」の実像なのかがわからない。
「イメージのすり替えが行われたらしい」ことが提示されるために、「本当はこうじゃないのかも」と懐疑の姿勢で臨めるにすぎない。
そしてそうした歴史的事実の「すり替え」の暴力は、あまりに強力で、我々は避けることができない。
そのことも親切に気づかされる仕組みになっている。

単純な「反戦」のようにも見えるが、実は違う。
それは最後に演出家が語る言葉に凝縮されていた。

過去と向き合わないことは、愚かだ。
現実の真の姿を知ろうとしないことは、愚かだ。
この二つを遂行しなければ、我々は再び同じ過ちを犯すだろう。


俳優陣に関してちょっと述べておくなら、みんな「かわいらしさ」と「嫌らしさ(人間的な意味での)」との同居を上手く表していたと思う。
特に橋爪功とか(笑)。
かわいいオジサンだったのに、蓋を開けてみりゃトンでもないむにゃむにゃ。
秋山奈津子は安定のクオリティ(この人に関しては毎回何の心配もなく見られる)。
あとは、深津絵里が見事だった。
椎名林檎の劇中歌もよかった(林檎らしくて)。

まぁ、百聞は一見にしかず。
どうぞ観に行ってください。

▼公式サイトはこちら
http://www.nodamap.com/productions/egg/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月21日 (金)

【展示】「元素のふしぎ」展(国立科学博物館、東京・上野)

ゲーム仲間と4人で、金曜の夜に見てきた。

かなりのボリュームだった。
すごく真面目に、かつ、創意工夫を凝らして構成された、「王道」を行くような展示だ。
チラシを見たときは「子供向けか」と思ったけれど、なかなかどうして、大人もたっぷり楽しめる。

最初に、海や山はどういう元素で作られているか、といった、「世界を作っている元素」を提示したあと、「いよいよ元素に迫ります」となって(つまりそこまでは導入)、各元素の紹介が始まる。

この各元素の紹介が凄い。

100以上ある元素の一つ一つにパネルを作ってあり、発見された年代や発見した人の名前、元素の性質、主な用途などがそれぞれ書き込まれている。
そしてその下にはショーケースが用意され、「この元素が形作っているモノ」が展示されている。

この展示品を見るだけでもかなり楽しい。
仲間内でヒットしていたのは、「高野豆腐」とか「味の素」とか「ベニテングダケ」とか(笑)。
(ちなみに「味の素」については「国立科学博物館所蔵」になっていて、いったいどこの部署が何のために保管しているの?と、そっちでも話が盛り上がりましたとさ)

そうそう、最後の方になると、「実験によって発見されたが自然には存在しない元素」ばかりになっちゃって、用途欄がおしなべて「研究上の興味だけであり、特に用途はない」みたく書かれちゃってたのも、みんなにウケてた。

他には、同じ体積の鉱物を持ち上げて、それぞれの重さを量るとか(これは導入部か? なんといっても黄金は重かった~)、日本画に使われる顔料に含まれる元素とか洋画に使われる絵の具に含まれる元素とか、それはそれはいろんな展示がござった。
本当に全部見て、すべてのテキストを読むなら、3~4時間必要そうだ。
我々は75分しか見なかったけど(笑)。
でもそれなりに満足。

展示といえば、「元素冷蔵庫」というパートがあって、これが秀逸だった。
「この元素を含んでいる食べ物は?」というテーマなんだけど、冷蔵庫みたいに扉がついていて、その扉を開けると、たとえば「Na(ナトリウム)を含む食べ物」が冷蔵庫の棚に並んだように陳列されている(アクリル窓付きで触ることはできない)。
なんとなく楽しいんだよね、この扉を開けて中を見るのが(笑)。
大人の我々もいちいち全部開けてみちゃうくらい。

あとは、プラズマボールが個人的に楽しかった。
大きな水晶球みたいなボールに手を当てて動かすと、中のプラズマが手の動きと一緒に動くというもの。
とても綺麗だし、自分の手に光が付いてくるのが楽しい。
後ろのカップルが「フォースみたい」と口にしていて、なるほどと思ったり。

いろいろあったんだけど、とにかく面白かった。
10月8日までやっているので、興味のある人はぜひ行くべし。

お土産売り場に「元素まんじゅう」とか「元素クッキー」とかが売られていなかったのが、残念であった(笑)。

▼この展示のサイトはこちら。
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2012/genso/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月11日 (火)

谷中のかき氷と栗スイーツ

ちょいと早目に上がって、谷中へかき氷を食べに行った。
ひみつ堂」っていう、かき氷専門店。
メディアでも取り上げられてるっぽい。

16時半くらいに行ったんだけど、20人近く並んで待ってる。
この平日の日中に(他人のことは言えんが)。

ただまぁ、モノがかき氷なので、30分ほど待つと自分たちの順番が回ってきた。
これでも混雑していない方だったんだろう。

残念なことに、本日の「ひみつの桃」と「いちごミルク」が売り切れ!!
友人はショックのあまり何を注文していいかわからなくなり(かわいそうに頭の中が真っ白になっていたと思われる)、仕方なく生メロンみるくを頼んでいた。
自分は河内晩柑ヨーグルトに決めてあったので問題なし(笑)。
さっきから、他の人の注文で氷の上に真っ白な何かが乗っているのを見て「なんだろう?」と思っていたのだが、ヨーグルト蜜というのがあるわけね。


20120911himitsudo

河内晩柑ヨーグルトはこんな。
氷を覆う白いのがヨーグルト蜜。
晩柑蜜は別の器に入っており、
氷の上に穴を掘って流しいれる。

さっぱりして非常に美味しうございました。

友人の生メロンみるくは、友人によれば今一歩。
「生メロンヨーグルトの方がきっと合ったと思う」そうで。
どこかでリベンジしたいものだ(とはいえ、人気メニューは昼までに売り切れるらしいから、リベンジしたくても難しそう……)。

ひみつ堂を出たあと、谷中銀座をぷらぷら。
猫グッズショップはあるのに、肝心の猫がナゼかいなかった。
猫がいない、猫がいないと隣で友人がうるさかった(猫センサー持ち)。

いろいろ楽しそうなお店があるなかで、友人のスイーツセンサーが和栗のスイーツ屋さんの前で強力に反応。
和栗や」だって(そのまんまや)。
店内に入り、自分は栗薫モンブラン&ほうじ茶ラテ(ホット)を、友人は栗薫パフェを注文した。

ストレートに栗のお味がして、何から何まで栗な感じ(ほうじ茶ラテ以外)。
実は食べながら、ちょっぴり中津川の栗きんとんを思い出したりしていた(そのくらい純粋にお味や香りが栗栗していた)。


20120911kurikaoru

栗薫モンブラン(手前)と栗薫パフェ(奥)。
栗好きにはたまらないと思われる。

ちなみに、栗大福もそれはそれは美味しそうだったが、売り切れていた。
友人、またもがっかり。
ここもリベンジのリストに入るのか?(笑)

いろいろあるなぁ、谷中。
今日は入れなかったお店もあるから、機会を見てまた来ようっと。

余談だが、夜はサンマを塩焼きにして食べた。
なんとなく和風な秋らしい一日になったかも♪(かき氷を平気で食べられるくらい暑かったことはひみつ)

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2012年9月 5日 (水)

【読書】『図書館内乱』 有川浩

書名: 図書館内乱 図書館戦争シリーズ(2)
著者: 有川 浩 (著)
価格: ¥ 700
頁数: 410ページ
出版社: 角川書店 (角川文庫)
ISBN-13: 978-4043898060
発売日: 2011/4/23

あらすじ 図書隊の中でも最も危険な任務を負う防衛隊員として、日々訓練に励む郁は、中澤毬江という耳の不自由な女の子と出会う。毬江は小さいころから面倒を見てもらっていた図書隊の教官・小牧に、密かな想いを寄せていた。そんな時、検閲機関である良化隊が、郁が勤務する図書館を襲撃、いわれのない罪で小牧を連行していく―かくして郁と図書隊の小牧奪還作戦が発動した!?書き下ろしも収録の本と恋のエンタテインメント第2弾。

やっと読んだぜ、第二弾。

相変わらず面白かった。
もうこれだけでいいか?(←感想を言語化するのがめんどくさい)

各話単体でも楽しめるんだけどこの巻全体を通して大きなストーリーになっており(藤沢周平とかミヤベもよくやるよね、これ)、さらにシリーズの(1)を読んでいる人には「あ、人物関係が少し進展している」というのがわかるニクイ仕様になっていて、話の構成が実に上手い。
人物関係の進展は、別にラブに限らない。
たとえば柴崎が、シリーズの(1)では主人公の郁のルームメイトの域を出てるんだかいないんだかわからないんだけど、この本では(以下自粛)。
主人公は相変わらず馬鹿丸出しで笑えるし(注:褒め言葉です)。

まぁなんつーか、この本も根っからのエンターテイメントですんで、他人の感想やら分析なんぞはうっちゃって、とにかく手にとって自分で読むのがよろし(←投げてる)。

何を書いてもネタバレになりそうなので、この辺で。
通勤のお供にグー。

乗り過ごし危険度: ★★★★

▼この本はこちら。3時間くらい?

図書館内乱 図書館戦争シリーズ(2) (角川文庫)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2012年8月 | トップページ | 2012年10月 »