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2012年6月20日 (水)

【読書】『大穴』ディック・フランシス

書名:大穴
著者:ディック・フランシス (著), 菊池 光 (翻訳)
価格: ¥ 903
頁数:362ページ
出版社: 早川書房 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 12-2))
ISBN-13: 978-4150707026
発売日: 1976/4/20

ZAPPAなあらすじ 由緒正しいシーベリィ競馬場は、土地を狙う投機家の妨害工作によって閉場に追い込まれようとしていた。ラドナー探偵社に勤める元騎手のシッド・ハレーは調査を進めるが、出てくるのは証拠能力のない状況証拠ばかり。果たして彼はこの陰謀を止めることができるのか?

なぜかどこにも「あらすじ」が載っていないので、これで勘弁して。

月曜から通勤時間に読み始め、水曜の夜には読了……三日しかもたないってどういうことよ?(笑)
それだけ面白くて一気に読んじゃうってことなんだが。
「やめられないとまらない」。
ボリュームとしてはかなりあるはずだが(活字は小さいし…)、テンポがよくてどんどん読めちゃう。
「通勤のお供」としての唯一の欠点は、「止められない」ことかな(笑)。
電車を降りたくなくなっちゃう(笑)。

『大穴』は、シッド・ハレー初登場の作品かもしれない。
フランシスのミステリはだいたい「競馬もの」とカテゴライズされるが(そしてそれは正しいのだが)、自分的には「ハードボイルド」に入れてもいいんじゃないかと思う。
やらされることがすっごいハードなんだもん、どの主人公も。
詳しくは書かないけれど、全員必ず生命の危機(それも結構ヒドイ)に見舞われる(笑)。
そこに至るまでの行動も実に(いい意味で)男らしいし。
追い詰められちゃって、それでも一人で耐えて耐えてやり抜こうとするところとかね。
トレンチコートだの煙草だのボクシングだの一匹狼なスタンスだのがなくたって、ハードボイルドなのだ。
そう、シッド・ハレーは一匹狼では全くない。
でも、状況に追い込まれつつも奮闘しているのを読むと、まさに「ハードボイルド」の世界。
個人のスタイルや演出に関係なくそれを感じさせるあたり、逆に「良質だなぁ」と思わされるわけである。

主人公(シッド)だけじゃなくて、脇役もいい。
探偵社の同僚チコもいいし、ハグボーン理事長も最後まで読むと…むにゃむにゃ。
そうそう、女たらしかと思いきや国際的に最も有名と思われる日本人の名前が出てきて(ホントーに名前だけだが)…むにゃむにゃ。

だめだ。
何か、これ以上書こうとするとネタバレになりそうなので(他の作品ならともかくこれはミステリなので)、もう書かない(笑)。
ああ、面白かった!!!!!

乗り過ごし危険度: ★★★★★

▼この本はこちら。5時間くらい?

大穴 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 12-2))

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