« 3時のおかしさんのスコーン | トップページ | 岐阜駅の信長サマ »

2012年4月14日 (土)

【舞台】平原慎太郎ソロダンス公演「ノーコン」

「コンドルズ」の舞台を見たときに、ものすごくムーブメントが柔らかくかつ大きな新人がいるのが気になっていた。
それが平原慎太郎。
コンドルズ(とゆーか現在はフリー?)の前はりゅーとぴあで活動するダンス集団 Noism にいたらしい。
コンドルズは割りと直線的な動きの人が多いんだけど、この人はすごく曲線的。
で、その彼が単独公演をやるというので、ちょっと観に行ってみた。

私が観に行ったのは「テツのツノのサイ」という14時からの公演の方。
(もう一本、18時からの公演もあって、内容が全然違ったらしい)

個人的な感じを見たまま述べると、正気と狂気の間を行き来しているかのような内容に見えた。
正気のときは現実の背景画像やお喋りなどの日常的雑音が流れており、舞台上の踊り手は普通に歩いているだけに見える。
だが、やがて全身に震えが起こりだし、なんつーか狂気 (insanity) というか吐き気 (nausea) というかをカンジさせる時間が始まる。
BGMも変わる。
不自然で狂おしい時間が流れる。

その「震え」を、だんだん左腕だけに絞っていって、最後は右手ですぽんと抜いてやる。
そうすると常態に戻る。
そこのところの表現が上手くて、面白かった。
あとは何者かに吊り上げられている感じの動きとか。

しかしまぁ、終わった時点でツイートしたとおり、狂気から正気への立ち直りよりはむしろ、身近に在る狂気にだれでもすぐさま陥る危険性の提示の方が印象的で、したがって不安感が圧倒的に勝る内容だった。
刺激的ではあったろうが、お世辞にも「見ていて楽しかった」とは言えなかったと思う。

私はダンスについては素人だけれど、だからこそ見るときにはシンプルに「面白いと感じるかどうか」を重視している。
で、オハッド・ナハリンや、えぇと咄嗟に名前が出てこないが他の振付家のダンス公演を観たときは、多くは「面白い」と感じる瞬間があって、「そのうちにまた見てもいいな」と思わされるのだった(こんな素人観客でも!)。
というわけで(?)、振付家(コリオグラファー)の重要性をひしひしと感じてしまった。
ダンサーの身体性がどれだけ類まれなものであっても、そのダンサーが自分の思うがままに踊ったからといって内面をより深く表現できるとは限らない。
どうも、振り付けはちょっと次元の違う話なんだなぁ。

などと、つらつら考えていたのであった(笑)。シロートのくせに。
そうやっていろいろイメージを想起できるという意味では良い公演だった。
(こういう書き方しかできなくてスミマセン>もっとコアなファンの方)

|

« 3時のおかしさんのスコーン | トップページ | 岐阜駅の信長サマ »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【舞台】平原慎太郎ソロダンス公演「ノーコン」:

« 3時のおかしさんのスコーン | トップページ | 岐阜駅の信長サマ »