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2011年6月27日 (月)

【読書】『天と地の守り人』 第三部 新ヨゴ皇国編

書名: 天と地の守り人〈第3部〉新ヨゴ皇国編
著者: 上橋 菜穂子 (著)
価格: ¥ 620
頁数: 403ページ
出版社: 新潮社 (新潮文庫)
ISBN-13: 978-4101302829
発売日: 2011/5/28

ほとんど美容院で読んだ(笑)。
いい読書タイムだったー(暇だし乗り過ごしもないし♪)。
ちなみに以下は、<第1部><第2部>をお読みになられているものと想定しての感想を書くので、そちらを未読でちょっとのネタバレも嫌な方は読まれぬように。

あらすじ ロタとカンバルがうごいた!北の諸国のうねりを背に、瀕死の故国へ帰還するチャグムに父との対決の時が迫る。緒戦の犠牲となったタンダの行方を必死に探し求めるバルサ。大地が揺れ、天変地異が起こるとき、金の鳥が空を舞い、地を這う人々の群れは、ひたすらに生きのびようとする。―十年余りの時をかけて紡ぎだされた大河物語の最終章『天と地の守り人』三部作、ついに完結。

ちゃんと完結していてよかった。
ここまで書いてもらえてよかった。
ここまで書いてもらえれば「これで終わり」と言われてもきっちり納得できる、バルサのように。

それにしても、自分の身を守る術を持つバルサや、守られる立場にあるチャグムと違って、タンダを待つ運命は厳しかった(これ以上は言うまい)。

青弓川の氾濫については、これまで読んでくる間に募らせていた危機感ほどには「大事」になっていない感があった。
まぁ、一番の障害である帝がむにゃむにゃ。

蛇足ながら念のために書いておくと、文庫版は今般発行されたばかりだが、この物語が書かれたのはずっと前のことで、3.11の津波とはいっさい関わりがない。
(にもかかわらず、連想はしてしまう。これだけ自然災害の多い国で生きているんだから、この辺はしかたあるまい)

この一冊の中で、それぞれの主要キャラにそれぞれの見せ場をちゃんと作ってあるあたり、上手いと思うし、作者自身もこれらの登場人物を好きなんだろうなということが感じられる。
そういう意味でも読んでいてシアワセになれる話である。

そして一番最初の(『精霊の守り人』の)観点に戻るなら、だれもかも、なにもかもが独りで存在しているのではないということ。
守り人ワールドでは、世界すら、別世界と干渉しあい支えあって存在している(我々の世界がそうではないと、だれに言えるだろうか?)。
ナユグの春によってこの世(サグ)にもたらされる自然災害(天災)は、帝が言うように天の神が人を罰するために下されるものではない。
ただ「生きる」という営みを繰り返しているだけで、「善悪」などそこにはないのだ。
同様に、他者に支えられて存在するということも、善悪のない、単に普遍的な事実でしかないのかもしれない。

ああ、シアワセな時間が終わっちゃったなぁ。
あとは余韻にひたるのみ。

……あとは『獣の奏者』の続編2冊が講談社文庫になるのを待つのみ。

非常に面白い作品なので、『精霊の守り人』から全部通して読んでほしい。
子どもから大人までだれでも楽しめること請け合い。
ただし、電車の乗り過ごしには重々ご注意を(笑)。
乗り過ごしキケン度 ★★★★★

▼この本はこちら。3時間くらい。

天と地の守り人〈第3部〉新ヨゴ皇国編 (新潮文庫)

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