コンサート:トン・コープマン オルガンリサイタル(東京カテドラル聖マリア大聖堂、東京・雑司が谷)
椿山荘のお向かいにある、東京カテドラルの大聖堂で、パイプオルガンのコンサートを聴いてきた。
椿山荘って行くのに不便だよね……(そしてお馬鹿なIMEは「ちんざんそう」では変換してくれず、「つばきさんそう」で漢字を出さないとイカン……馬鹿だー)。
目白駅からバスでぼんやり15分。
なんだかアングラな建物の建つ教会の敷地へ。
すごい建築だなー。
聖堂の壁はコンクリ打ちっぱなし。
斬新だ。
(ちなみに演奏会の最中は暖房が切られちゃって、寒い……)
内陣の奥まったところにメタルのでっかい十字架が立ち、その奥の壁に沿って長いハシゴ状のオブジェが高い高い天井のてっぺんまで伸びている。
とにかくこの建築にびっくりだ。
聖堂内は撮影禁止なのだが、わからずやのオッサンやオバチャンが無礼にも携帯やらスマートフォンやらでいいように撮影しておる。
来ないでほしいわ、こーゆー人たち……。
特に5列ぐらい前に座っていた白い服のオバチャンは、恥知らずだった。
と、恥知らずなオバチャンを見てむかむかしているところで演奏会開始(えー)。
目を開けているとオバチャンの背中が見えてムカつくので(笑)、目を閉じたら音だけの世界に入ることができた。
オルガンの音色は、一つ一つが独自の色を持って、それぞれのポジションに置かれていくようなイメージだ。
ピアノを聴くときとは違うような気がする(ピアノのときは個別の音でなく全体がまず耳に入ってくる気がする)。
そしてなぜか何を聞いてもアングラっちゅーか前衛的な印象がある、パイプオルガンの曲って(笑)。
バッハの曲は旋律がはっきりしているから、それほどでもないけどね。
全体に、コープマンも割とアップテンポが好きみたいだった。
ゆっくりやると音がだれちゃうのかな。
前半(6曲)より後半(4曲)の方がリズムが一定で好きだと思ったが、もしかするとそれは演奏自体がどうこういうことではなくて(彼の演奏そのものは前半も後半も同じで)、オルガンが何曲も弾かれるうちにやっと音がのびるようになったってことなのかも……と、あとで思ったり……まぁ何の根拠もなくカンで述べておりますが(とゆーわけであまり信じないでください)。
とにかくオルガンはよかった。終わったとたんに拍手喝采。
そして、アンコールもよかった。
実はアンコール2曲目のブクステフーデのフーガが面白くって、気に入っちゃったりなんかして(バッハを堪能しに来たのにね(笑))。
なんというか……たまにはこういう時間を過ごすのもいいよね。
久しぶりに贅沢な時間を過ごした気がする。
それにつけても、考えるに妙なコンサートだった。だって、演奏中は、オルガン奏者と聴衆ってずっと背中合わせ(顔の向く方向が真逆)に座ってるんだから(笑)。
そして、副都心線雑司ヶ谷駅を使えばここも割とラクに来られそうと判明したので、今度は昼間に建物を見に来てもいいかな、と、思ったのだった。
■曲目:
J.S.バッハ
前奏とフーガ ハ短調 BWV546
パルティータ《おお神よ、汝義なる神よ》 BWV767
幻想曲 ト長調 BWV572
ライプツィヒ・コラール《いざ来たれ、異教徒の救い主よ》 BWV659
シュープラー・コラール《目をさませと呼ぶ声が聞こえ》 BWV645
フーガ ト短調 (小フーガ) BWV578
トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
18のコラール 第4曲《おお愛する魂よ、汝を飾れ》 BWV654
18のコラール 第3曲《バビロン川のほとりで》 BWV653
パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV582
【アンコール曲】
J.S. バッハ 《主イエスキリストよ 我れ 汝の名を呼ぶ》BWV639
ブクステフーデ フーガ ハ短調 BuxWV157
おまけ: 裏手にある「岩窟の聖母」(かな?)
ほんとに不思議な教会……。
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コメント
祭壇に近い真ん中寄りの席で聴きました。コープマンのオルガンをオペラシティホールで、以前聴いてこんなはずない、こんな音でないとがっかりしましたが、ロレンツオの演奏をマリア大聖堂で聴いた時を思い出して教会だったらコープマンの音が聴けると確信しての11月11日でした。やはり、教会です。おなじみのコープマンの音でした。開演までの調整の2人に感謝した次第でした。11月24日の紀尾井ホールのチェンバロもジーニアス!それ以外ありません。全てが最高なのに金額が安く満席にならない。コープマン様の握手のあたたかさが残る一時を大事にしてます。そうそう、23日のオペラシティのbach collegium久々気合いが入っていたのよkoopmanの教え子鈴木様もジーニアス。
投稿: とんぼだま | 2010年11月25日 (木) 00時02分