舞台:「十二人の怒れる男」(シアターコクーン、東京・渋谷)
蜷川の舞台。
久しぶりだ。
ちょっと行くのは躊躇っていたんだけど。
というのも、私はこのレジナルド・ローズの脚本、好きなんだけど、なんとなく今見るのは「歯が浮きそう」な気がして(うまく説明できないけど、偽善的に感じるんじゃないかと怖くて)、イヤだったのだ。
でも西岡徳馬が出るというのにつられてチケットを取ってしまったので、仕方なく足を運んだ(おいおい)。
観てみたら、上記のような心配は、全く必要なかった。
馬鹿みたいだな、私。
始まると同時に、すっかり舞台にのめりこんでしまった。
お目当ての西岡徳馬は、まさかとおもったけど、「No.3」という一番面倒な役どころ。
あの役は難しいんだよねー。
下手なやり方をすれば、単純な悪役に見えちゃう。
おかげで最後までドキドキしながら見られたけれど。
今になって脚本の内容を見直してみると、証人の証言を否定することが多くて、それは引っかかりを覚えてしまう(脚本の根底に「人間の善性」への信頼があるため、なんだか逆説的に感じられて)。
あとは、ラストが以前に読んだやつとちょっと違っていた(次の一文、ネタバレ)。
確か、最後にNo.7がNo.3に向かって「無罪」と言うと、No.3が「無罪!」と返す、というくだりで終わっていたと思ったんだけどなー。
しかしまぁ、いい舞台だった。
それぞれの役の個性づくりが非常によくなされていたし、何より、恐れていた「鼻に付く」ところがひとつもなかった。
シンプルに、観に行ってよかった。
▼終わってしまったけど、一応サイトはこちら。
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_09_12angrymen.html
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