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2003年8月29日 (金)

展示:田中一光展★東京都現代美術館

展示レイアウトが安藤忠雄の作。
展示台や壁面に相当する部分が、すべて1.5リットルのペットボトル(同一規格)で構成されている。
まぁ、額縁のない展示だからできるんだよね?(額があると重くて支えきれないかも)
床面がまたすごい。
ワン・フロア全面使って、彼のポスターのひとつ(明石)を写し取っている。

しっとりとした自己主張をするひと。
アーティストにありがちな「狂った」部分が見受けられない。
でも作品を見ていくと、「えっ、これもこのひと!?」というものがとても多くて。
いかに印象に残っているか、ということ。
そしてまたいかに彼の二番煎じ(悪い意味ではなく)が現在も溢れていることか(笑)。
タイポグラフィの部類はほとんど二番煎じになってしまうような。

その部門は特にそうだが、他でも同様に「このひとがオリジナルかー!」というものが多い。
そのくらい、昔から変わらず新しいデザインを供出してきている。なんか日本語ヘンですが。なんというのでしょう? あの、「ああ、このデザインはこの時代特有だよね」というものがあまりない。1959年にデザインしたポスターを今貼ってもたぶん違和感がない。つまりそれくらい「新しい」デザインを50年前から生み出していたわけで。

それだけすごい仕事をこなしながら、アーティストらと違って名前が一般に売れないのは、デザイナーの宿命かな。
作品自体がそう。
ユニークでありながら、作者の自己主張が激しくない。
しかして作品の自己主張はきちんとあって、たとえば「Loft」や「SAISON」のロゴ、ぱっと見ただけでだれでもわかる、そういう明快さと独自性を備えている。
シンプルなのになぁ。
あのロゴはすごい。

会社を早くあがって、午後4時ごろに行ったのだが、そこそこ人の数が多くてびっくりした。
それでもゆったり見られたかな。面白かった。
亡くなられたのは残念だと、作品を見ると思う。

あの色遣いの巧さが羨ましい。

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