コンサート:第58回定期演奏会★バッハ・コレギウム・ジャパン 4月18日(金)
■演奏:バッハ・コレギウム・ジャパン
■独唱:野々下由香里(ソプラノ)、ロブン=ブレイズ(アルト)、ゲルト=テュルク(テノール)、ペーター=コーイ(バス/イエス)、ヨッヘン=クプファー(バス/ユダ、ピラト)、他BCJ合唱団員
■日時:2003年4月18日(金)18:30~
■会場:東京オペラシティコンサートホール(タケミツメモリアル)
■曲目:『マタイ受難曲』
聖金曜日の今日。
年一回が定番なんだろうか(笑)、BCJの定演でバッハのマタイを聞いた。
去年は速いテンポだった(ような気がする)が、今年のテンポはオーソドックスだった。
要するに、全曲でぴったり3時間コース。ええそう、この曲は演奏時間が平均3時間なの(笑)。
何しろゲルト=テュルクがむちゃくちゃ上手い。
もう最初から最後までその印象。
アリアを退屈せずに聞けるのは、割と当たり前のことなのだが、
レチタティーヴォ(「そこでイエスは言った」とかって進行役のお喋り)の部分を聞いていて退屈しないなんて、全部彼のお陰である。
ふつー退屈するって。
あとはヴァイオリン・ソロの寺神戸氏もよかった。ブランデンブルクを聞いて以来、彼のヴァイオリンには一目置いている私。
オーボエの三宮正満氏もチェロの鈴木秀美氏もコントラバスの西澤氏もオルガンの今井奈緒子氏も、いつもどおり、安心して聞いていられる演奏だった。
ヨッヘン=クプファーというひとは初めてで(ペーター=コーイは何度も聞いて実力はさんざん知っている)、割といかつい四角い顔の、でも人の良さそうなかっこいいお兄さん(とあえて言おう)だった。……この形容では何がなにやらわからないな。
ともあれ、いい声であった(笑)。
「頬の涙甲斐なしとあらば…」のソロがロビン=ブレイズじゃなかったのが、個人的には大大大ダメージ。
なんかこれ、去年も書いた気がするんだけど……毎年聞けないってことか?
別にBCJのカウンターテナーが下手なわけじゃないんだけど、お気に入りのアリアだからさー。一度はロビン=ブレイズで聞いておきたいと思うわけさ。
ペテロの悔恨(アルト)や「我が心を清めよう」(バス)は安心して聞けてよかったけれど。
テノールも、別にBCJのなかでも彼が出てくる理由がよくわからない。
まぁ、私は素人だから? 技巧に関する批評とかはできないわけだけれど?
少なくともテノールに関して言えば、今回一部ソロを歌った鈴木准氏よりは水越啓氏の声のほうがずっとずっと好きである。
声が好き、という点に関して言えば、ソプラノも、今回一部ソロを歌った星川美保子氏よりも懸田奈緒子氏のほうが好きだ。
(↑これをワガママと言う(笑))
あ~。
たまには他の人のマタイも聞きたいなぁ(もちろんナマで)。
どうも鈴木雅明氏の指揮は……ときどき、楽章の終わり方が非常に耳障りで……。
わざとかと思っていたけど、もしかすると単に終わらせ方がまだ下手なだけかも。
マタイ、日本語で歌えるといいのに。
英語なら追いかけられるけど、ドイツ語は私には無理。
一緒に口ずさみたくても口ずさめないのは悲しい(口ずさむような曲じゃない? いやいや……)。
そして今年もマタイの日は終わった。
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