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2003年2月の記事

2003年2月28日 (金)

六本木クローバー

昨日は私の誕生日で、たまたま当日六本木に行った母親が、六本木クローバーの店の前を通りがかって「そうだ、ケーキを買っていこう」と、お祝いにケーキを買って帰ってきてくれた。
直径15センチくらいのかわいいケーキで、上に生ブルーベリーがきゅうきゅうに並べられていた。
中にもブルーベリー。
タルト生地も、フィリングも、生クリームも、何もかも美味しかった。
さすが、クローバー。
久しぶりに美味しくて、ケーキらしいケーキを食べたなぁと思った。

ああ、本当に美味しかった。しあわせ。

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2003年2月27日 (木)

誕生日

隠しても隠さなくても、誕生日である。
いくつになったか?
それは、私は構わないが、聞いた方が「聞くんじゃなかった」と辛い思いをするといけないから言わずにおこう。

今年は友人からとても高価な贈り物をもらってしまった。
マクラである。
ただのマクラではない。
えーっと、「宇宙開発レベルの高機能素材」でつくられていて、「体温と体圧で愛用者の身体のラインどおりに形状変化するユニークな素材特性」を活かしたマクラで、寝たときに背骨が曲がらずまっすぐの状態を保てるという、とてもとてもスグレモノのマクラなんである。
有難く押し戴いて、このマクラで寝ている。
硬いようなのに、頭をのっけるとメリメリと重みで沈む。
でも起きて、放っておくとまた元の形に戻っている。
不思議なマクラだ。

妹からは映画のサントラCDを2枚もらった。
そのうちこれらの感想も日記に書くかもね。

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2003年2月26日 (水)

舞台:蜷川「ペリクリーズ」★さいたま芸術劇場

■演目:ペリクリーズ
■原作:ウィリアム=シェイクスピア
■演出:蜷川幸雄
■出演:内野聖陽、田中裕子、白石加代子、瑳川哲朗、市村正親、他
■日時:2003年2月26日(水)19:00~
■会場:さいたま芸術劇場(与野本町)

いやまったく、シェイクスピアは面白い。
古典がこんなに面白いモノだとはだれが思うだろうか。

あらすじは割愛。
ファンタジーである。といっても「夏の夜の夢」のように妖精が出てくるわけではない。
人間と、姿は現さないが気まぐれな運命の神、登場人物はそれらだけ。
主人公のたどる運命は奇想天外、しかして善き想像力に彩られた物語である。その意味でファンタジーとあえて言った。

まぁなんつーか、さすがにイギリスに渡ると、気まぐれな神々もハッピーエンディングをお許しになられるようで。これがギリシア悲劇だともう……「なんでこんな目に遭わなければいけないんだ、一所懸命生きただけなのに」とカミサマに対する理不尽な(どっちが理不尽かようわからんが)怒り爆発しちゃうんだけど、それはないです(笑)。

いろいろあるのだけれど、しっかりした感想は、もう一度見に行ってからにしよう(3/11にも行く予定)。

時の経過を表すのに、詩人ガワーが語る後ろで文楽仕立ての無言劇を上映したのは面白かった。でもいまいち、人形らしさが表現されていない。去年見た……なんだっけ、テアトル・ド・ソレイユだっけ、去年じゃなくて一昨年……? どれでもいいけど、あそこの劇に比べると人形としての表現力がナイ。あのフランスからやってきた太陽の劇団の人形劇は凄かった。これも「人形役」と「それを動かす黒子役」とが両方とも人間でなされていたが、本当に人形のようだった。それでいて表情が豊かである(本当に表情をつけるわけではない、彼らは人形なんだから)。そうした違和感すら感じさせない表現力が、この劇中劇には足りなかった。

他はいろいろ面白かった。最初と最後の問題提起も。
あとは3/11に。

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2003年2月25日 (火)

Windowsのフォント

ウィンドウズのユーザー諸氏には悪いが、私はウィンドウズのフォントが好きではない。
ふとした瞬間に思ってしまう。なんであんなに美しくナイの。
特に字間! 勝手にどんどこ詰めるな!!(フォントによるが)
さらに、和文フォントの半角英数字がこれまたエライ醜い。ひー。和文フォントで英数字打っちゃいかんってことなんか~。そんな~。でもでも半角英数字だけ英文フォントにすると、画面と出力時の字詰めの差が激しかったりするし~。

とにかく紙面が制御しにくいのなんのって……。
あのね、日本語の印刷物はね、欧文と違って基本的に一字一字が決まったスペースを取るモノなの。句読点も括弧も、そんな変な詰め方はしないものなの。そうでなければレイアウトしづらいでしょ~!!

とかなんとかいろいろと。
耐えられない。
いや、日常的な用途には十分耐えられるんだけど、何かまともな作品として残そうとすると(版下作るとかさ)、ウィンドウズのフォントじゃいやだ~!!!!! と、つい、思ってしまったりするのだった。

まぁね、Winではフォントはお金出して買ってないせいもあるかもしれないけどね。
でも無料でついてくる分だけを比較してもなんだかなぁ……
ときどきWinからプリンタで出力したものを見て、許せなくなるときがある、たまに(笑)。

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2003年2月24日 (月)

コンサート:ヨハネ受難曲★ミシェル=コルボ

■演奏:ミシェル=コルボ指揮、ローザンヌ声楽・器楽アンサンブル
■独唱:アンディエ=ペルショルカ(ソプラノ)、エリザベート=グラフ(アルト)、クリストフ=アインホーン(テノール/ピラト)、ヴェルナー=ギュラ(テノール)、マルコス=フィンク(バス/イエス)、ピーター=ハーヴェイ(バス)
■日時:2003年2月24日(月)19:00~
■会場:サントリー大ホール(溜池山王)
■曲目:ヨハネ受難曲(J.S. バッハ)

そもそもマタイ受難曲と比べてヨハネのほうが「精神性が高い」と評されることが多い。
それは恐らく、福音書のうちでヨハネの福音書が一番瞑想的で思索的であるように言われることが、影響しているのだろう。
加えて「コルボ」ゆえ、精神性はいやまして高いわけで。

出だしが圧巻だった。
バッハの音楽は美しい。そう思わずにいられないほど。

しかし、途中は半分くらい寝ていたので、何とも言えない(すみません)。
例の「キリストを磔にしバラバの釈放を」と民衆(すなわち合唱)が叫ぶ辺りは、もとから大好きなのでパッチリ起きていたが。
なんだか天上から降ってくる音楽を枕にお休みしてしまったようだ。
なんという贅沢(贅沢を通り越して愚かというべきかも)。

レチタティーヴォを主に受け持つテノールが、豊かな声を聞かせていた。
今まで聞いてきた語り口とは違う気がして、本当に古楽といっても千差万別、楽団でも指揮者でもすべて色が異なるモノなのだと思った。

サントリーホールのプログラムは、ヨハネ受難曲の歌詞が載っていなくて「なんでだ」と怒っていたら、舞台の両袖に電光掲示板が設置されており、曲にあわせて日本語訳が表示されていく。
これなら歌詞を読むためにページをめくる音もせず、経済的である。頭いい。
でも私は紙に印刷されてるほうがいい(わがまま)。できれば原語も載ってるほうがいい(超わがまま)。

コルボはむしろレクイエムの演奏を聴きたかったかな(モーツァルトとフォーレ)。
残念ながら東京公演ではやらないので、どのみち聞けなかったのだが。

それはそれとして私はやはり、ドラマ性のあるマタイの方が断然好きなのだった。
精神性が高すぎるものには、ちょっとついていけないところがあるかも…。
早く4月のマタイを聞きたい。外つ国の楽団も、来日でマタイをやってくれないだろうか。いくつでも聞きに行くのに。

演奏を終えて、聴衆の拍手に応えて何度もコルボが挨拶に現れる。とても嬉しそうで、やさしげな表情だった。最初に出てきたときのいかつい厳しい表情のときとは、まるで別人のようだった。
気持ちのいい時間ではあった。

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2003年2月23日 (日)

ああ行きそびれた

「大日蓮展」のチケットを無駄にしてしまった。
確か今日までだったと思う。
あああ。
最近の東博(東京国立博物館のこと)は企画に底力を見せているので、行こうと思っていたのに。
風邪で時間を無駄にしたのが敗因。
あとは会社が異様に忙しくて。
いつもなら、平日の夜に行っちゃうんだけどね。今回はもう、忙しくて全体に時間的余裕がないわ、風邪は引いてて体力はないわ、毎日寒くて気力が萎えるわで。
全部言い訳ですが(苦笑)。

ああ。

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2003年2月22日 (土)

屋根屋

今日は会社。休日なんだけど会社。

会社から帰ってきたら、なんだかエライ騒ぎだった(笑)。
「鬼瓦がない」ということで屋根屋さんが来ていて、2階の屋根に登って調べていたのだ。
結局、鬼瓦はあったんだけれど(お倒れになっていた)、とにかく全体に瓦の状態がひどいという。
ビデオにつないで、その場で撮ったデジカメ写真を見せてもらった。
(う~ん、そうか! デジカメってこうやって使うものなんだ!! あったまいい~!)

かなりボロボロであった(笑)。
ひび割れて、割れて、剥落して、隙間ができて、雨水が入り込んで、裏が白化して……
次から次へと傷んでいる証拠画像が繰り出された(笑)。
そのうちに雨漏りがするようになるかもしれないとゆー状況のよう。
まぁ、建ててから36年も経ってるんだから、瓦が古くなって傷むのは当たり前だよね。
屋根屋さんは、新製品(?)の瓦見本を出して、葺き替えを奨めだした。

それとは別に、妹がやってきた。
今日は土曜日で、久しぶりに父親が上京してきているので、一緒にご飯を食べようという話になったらしい。
しかし、母は屋根屋さんの応対で大わらわ。
父はそんなのどこ吹く風でパソコンでの計算に熱中。
空腹だった妹は、仕方なく来るなりハンバーグを作り出した。

屋根屋さんがようやく帰って、妹の作った美味しいハンバーグを夕飯にいただいた。
妹の夫が車でここまで来られるか、みんなで心配していたところ、21時半ごろになって到着。
ご飯を食べさせて、将来の見通しなどバカ話をしているうちにすっかり日付が変わっていた。
私は明朝までに投函しなければいけない書類を作っていたのに、ムコ殿が変なことを言うからすっかりそっちに気をとられ反論などもし、書類が仕上がったのは2時だった。
そして後片付けをして、お風呂に入って、寝たのは4時だった。
がーん。
ナニをしてるんだろーか。

全くもって忙しい一日だった。会社にいた時間が一番ゆったりしてたかも(笑)。

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2003年2月21日 (金)

コンサート:第57回定期演奏会★バッハ・コレギウム・ジャパン 2月21日(金)

■会名:ライプツィヒ時代1724年のカンタータ9
■演奏:バッハ・コレギウム・ジャパン
■独唱:野々下由香里(ソプラノ)、ダニエル=テイラー(カウンターテナー)、櫻 田亮(テノール)、ペーター=コーイ(バス)
■日時:2003年2月21日(金)19:00~
■会場:東京オペラシティコンサートホール(タケミツメモリアル)
■曲目:プレリュードとフーガ イ短調 BWV543(オルガン独奏:今井奈緒子)
    カンタータ第114番『ああ、愛するキリスト者、慰めを受けよ』BWV114
    カンタータ第99番『神の業こそ、麗しい』BWV99
    カンタータ第78番『イエスよ、あなたはわが魂を』BWV78

いやあ、よく寝た。気持ちよかった(笑)。
バッハの音楽(しかもナマ)を聴きながら眠るなんて、最高の贅沢ですね(笑)。
いやもう疲れ果てていたのよ。勘弁して。

寝ていたといっても、本当に熟睡していたわけではない(言い訳のよーだ)。
メロディは耳に届いているのだが、集中して聴いていないから「馬耳東風」に近い状態というだけ。

それでも最終曲の第2曲、ソプラノとアルト(カウンターテナー)のアリア・デュエットはあまりに美しくて、さすがに寝ていられずに起きました。
綺麗だったなぁ。
何度でも聴きたいようなアリアだった。
今日は野々下さんがすごく声が伸びていて、よく響いていた。まるでダニエル=テイラーさんに感化されたかのよう。彼のカウンターテナーは非常に響きのよい、豊潤な歌声だったから。

いつものアンコールで、カンタータ第99番のコラールを再演奏。
鈴木雅明氏の「もっとも好きなコラールの一つ」だそうで。
このとき、ふっと気がついたらチェロの奏者(鈴木秀美さん)とコントラバスの奏者(今手許に資料がないのでお名前がわからない…)が、合唱と一緒に歌を口ずさんでいた。ちゃんとその言葉を歌っているとわかる。なぜだか感動した。

結局、音楽を聴きに行ったというよりは、リラックスしに行ったみたいだった(笑)。
そういうのもたまにはいいか。

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2003年2月20日 (木)

売れ行き

そういえば昨日は帰りがけにタカシマヤのHMVに寄ろうと、南口を歩いたのだった。
しかし!
「タカシマヤタイムズスクエアは本日全店休業しております」
とゆー看板が立っていて、泣く泣く引き返した。

帰る途中に、以前、ここの日記でも書いた(2002/10/23)5弦ベースを弾いているひとがいて、久しぶりに聴いていこうと立ち止まった。

最初は2人くらいしかいなかった聴衆が、なんだかゾクゾクと増えてあっという間に10人以上に。
しかも今晩はCDを手にとるひとが多く、「今の曲、これに入ってるの」などとお兄ちゃんに質問する。
質問に答えている間は当然演奏がお留守になるわけで、「う~ん、早く次の曲やってくれないかな~」などと思いながらじっと待っていた。
珍しいことに(珍しいよね?)、見ている前で3人もCDを買ったお客さんがいた。
一人の客なんか、一度に二枚も買って、しかも「釣りはいらないよ」だって(おじちゃんだった)。
すごい売れ行きだ!
吃驚!!

反対に、そのおかげで私はほとんど1曲しか聴けなかったのだった(笑)。
いや、売れることはいいことですとも、うん。
でも今度は売れないときを見計らって聴きに行こうか?(笑)

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2003年2月19日 (水)

めん棒2

家での会話。

私「(ふと思い出して)そういえば、めん棒ってどこにしまったの?」
母「めん棒? そっちの引き出しに入ってるじゃない(いつも風呂あがりに自分も使ってるくせに、ナニ聞いてんのかしら)
私「(台所の引出しはたいがい見たんだけどなぁ…)どっちの引き出し? 向こう?」
母「その、電話の下の、右の引き出しよ」
私「薬の引き出し!?(何かが違う……)
母「何本でも入ってるでしょ(あけたところにすぐあるじゃない)
私「………お母さん、そっちのめん棒じゃなくて、あっちのめん棒(汗)」
母「どっちのめん棒?」

もうおわかりだと思いますが、私は「麺棒」の在り処を聞いたのに、母は「綿棒」の場所を教えてくれたのでした。
こういうときに限って「料理に使うほう」だとか「うどんをのばすやつ」だとかいった簡単な説明も浮かばず、結局ころころ転がす仕草で「あっちの麺棒」だとわかってもらったのでした。

日本語って難しい(笑)。

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2003年2月18日 (火)

最近使わないもの

最近使わないなぁ、裁断機。

実は私、ディスクカッターは持ってます。
円盤状のカッターを転がしてザクザク切るやつ。
A4もOKの大型。
どれだけ自家製本の縁を切り落としたかわからない(笑)。
最近ではアルバムに貼る写真のトリミングなんかにも使われていた。

ディスクカッターももちろん裁断機だけど、今、言っているのは学校なんかによくおいてあった「がちゃこん」と上からでっかい刃を振り下ろして切る形式の裁断機。
「裁断機」と言う以外にどう言えばいいかわからない。

切るのにはコツが要った。
まずしっかり紙を抑えていないと、ズレズレに切れてしまう。
それから、刃を台側の刃とすり合わせるようにして降ろすと、綺麗に切れることが多い。
最後に、勢いはつけすぎてもなさすぎてもダメ(笑)。
扱いのちょっと難しいデバイスだったかな(綺麗に切ろうとする場合は)。

中・高校はもちろん、大学でもずいぶんお世話になったのになあ。
最近はとんとご無沙汰。
今いる職場にはなぜかない。
大量にざっくり切り落とす必要が、どこの部署にもないみたい。
あればあったで使うだろうが……。
それ以外にも、ディスクカッターのほうが楽だし安全だし、取って代わられつつあるのかも?

なぜだかふっと思い出したので書いてみました。

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2003年2月17日 (月)

泣ける絵本・その2

また日記ネタが切れてしまった……(汗)。
しかも、「泣ける絵本」もそんなにたくさんネタがあるわけじゃないんだけど……。

有名な『スーホの白い馬』をあげます。
モンゴルの馬頭琴の由来を描いた絵本ですが、こちらも、一二を争う「泣ける絵本」と言っていいでしょう。

スーホは白い子馬を育てる。
子馬はすくすく育って、やがて有力者カンネイの目にとまる。
けれどスーホと白い馬は別れたくない。
「競馬に出て、優勝したら別れないでいい」
その約束を信じて競馬に出たけれど。
他の馬をよせつけないくらい速く走って優勝したけれど。
カンネイはスーホの白い馬をとりあげてしまった。
けれど白い馬はスーホのもとへ帰る。傷だらけになりながら……

これも涙なしでは読めないですね。
競馬のシーン、見開きの絵ですが、二次元なのにすばらしいスピード感です。
ゲームの画面なんか目じゃないくらい、躍動感にあふれています。

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2003年2月16日 (日)

洗顔石鹸

最近、お肌の調子がいい(ような気がする)。
頬杖をついたりすると、以前よりほっぺたの手触りがふわふわになった(気がする)。

「ずっと風邪気味だったから、ずっと微熱気味で肌の調子がいいのかな(高熱出したあとは肌がつるつるするから、体温が高いとイイのだと思っている)」と言ったら、母親に「あんたの顔はひとりじゃ皮膚呼吸も新陳代謝もできないのか」とあざ笑われた。

ともあれ。
そっちの理由じゃないかもしれない。

先日、母から「アルージェ」という基礎化粧品の新聞記事を見せてもらった。
もともと皮膚科向けの製品を作っていたものを、最近、一般の流通にのせるようにしたらしい。それが好評を博している、という紹介記事だった。
私も割と敏感肌?なのか、化粧品は滅多なものを使えない。
でもここなら大丈夫そうだから、試してみようと、サンプルを取り寄せた。
ローションなんかは1日分くらいしかないので、あまりよくわからなかったのだが、洗顔石鹸のサンプルをその後ずっと使い続けている。

もしかしてこの石鹸のおかげなのかも。
そう思って、近所のドラッグストアで商品版を購入。1,300円と、お安い。
この「アルージェ」のに全品換えようかな。
そうすれば経済的にすごく楽になる(笑)。石鹸以外もとってもリーズナブルな価格設定なのだ。
買いに行く先も近所でいい。いちいち新宿に出なくてよくなるのだ(まぁ出たって15分だけど)。

しかしとりあえず、ローションなんかは、先ず溜まっているやつを使って片付けてしまわないと、●千円捨てることになるのだった……しばらくは在庫整理ですな。

▼アルージェのホームページはこちら
http://www.arouge.com

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2003年2月15日 (土)

火事騒ぎ

夜、2階から降りてきたら母が「お隣、おまわりさんかだれかに叱られたみたいよ」。
となりの住人は、ときたま豪勢な焚き火をする。
ちょっと豪勢すぎて、危険である。うちの木を焦がされたこともある。
やり方が無神経なのね。
今晩もなんだかボーボーと木の枝か何かを燃やしていて(もう夜の10時ですぜ旦那)、ニオイもよくないし、母は気にしていたらしい。ところへ、だれか「こんな時間に燃やすな」と注意を与えてくれたらしい。もっともおっちゃんは「消せばいいんだろ、消せば!!」と吠えついていたそうな。

その話をしてから10分後くらい。
う~う~とサイレンの音がする。
「とうとう通報されちゃったんじゃない」などと冗談を言っていたら、冗談ではない、どんどん音が近づいてくるではないか。
そしてついに家の前あたりへ人が走ってくるような音が立ち始め、「ホントなのか!?」とさすがに様子を見に玄関を開けてみたら、いるわいるわ、消防員さんたちと、野次馬が(笑)。

本当の本当に通報されてしまったのだ。
そしてまた運良く(おっちゃんにとっては運悪く)焚き火はまだ鎮火しきっておらず、ぶすぶすとくすぶっておった。つまり現行犯。

焚き火の脇には大量の松葉(大きなゴミ袋3杯分)があり、母が様子を見に玄関から出ていったところ、「このマツの葉っぱ、どこから来たかわかりますか?」と尋ねられた。
さあて、どこから持ってきたんでしょうね。この近辺にはマツなんてないんだけど(本当に、実際に見て私たちも吃驚したくらい。あんな大量にどこから持ってきたのか、全然見当がつかん……)。

隣のおっちゃん(つまり焚き火の当事者)はさっさと逃げていた。
あとから戻ってきて「こんな大事になるなんて…」とぼやいていたようだが、そりゃー分別が足りないのとちゃうか?
そもそも夜にそんな大がかりな焚き火するか!?
しかも季節は冬、東京の冬ったら乾燥してて、火事の季節、放火の季節ではないか。
現に放火に対する厳戒態勢がとられていたのに、それでそんな怪しげな松葉を夜中の10時にボーボーと焼いてて「大事になるなんて思わなかった」はないだろー。
放火犯と間違えられてもしょうがないと思うが。

消防員さんたちは、ホースを引っ張って、まだくすぶっている焚き火にジャージャーと水をかけ、帰っていった。救急車まで来て、大騒ぎだった。皆さまお疲れさまでした。

これを機に、灯油かけてやるような焚き火をやめてくれるといいんだが。

火事騒ぎ
ホースで水をかけているところ

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2003年2月14日 (金)

会社の空気

会社の空気って、悪いみたい。
11日の日記に「咳が治まった」と書いたけれど、昨日も今日も一昨日も、会社に来たとたんにけほけほしている。
今日なんか…!!
本社に用があって、3時間ほど会議室でチェック作業をしていた。
そのときは「コン」とも言わなかったのだ。快調快調。
ところが、その後、社内に戻っていつもの席についたとたん、げーほげほげほ。
5分くらいずっと咳き込んでましたね。

やっぱり空気が悪いんだ(ホコリ高き職場?)。
しかたないので、またマスクのお世話に。
おかしいなぁ。もうマスクとはご縁切れのはずだったのになぁ。
咳出るの、本当にここでだけなんだけどなぁ。

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2003年2月13日 (木)

天然ウール

やっぱり。
切りすぎた。
髪を。

最近どーも後ろ頭が寒い。例年の3割増くらい(当社比)。
先月、美容院に行ったときに、
「もっと段をつけて軽くしますか?」
そこで「お任せします」なんていい加減に返事したのがいけなかった!
「いいえ」と言うべきだった!!
美容院のおにーちゃん、激しく段をつけてくれたので、おかげで頭が軽くなったはいいが、一緒にスースーになってしまった。
髪形は気に入っても、とにかく寒い(風邪ぶり返しの原因もこれだったかも)。

そりゃね。髪の毛ってつまり、天然ウールですから。
冬は髪切っちゃいかん。
切るときも毛先3センチ、段はつけない!(笑)
……問題は来年の冬まで、この教訓を覚えていられるかどうかなのだった。

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2003年2月12日 (水)

コンサート:ヘンデル「メサイア」★レザールフロリサン

■演奏:レザールフロリサン(ウィリアム=クリスティ指揮)
■独唱:スン・ハエ=イム(ソプラノ)、ソフィー=ディンマン(ソプラノ)、クリストフ=デュモー(カウンターテナー)、イアン=ペイトン(テノール)、ポール=ゲー(バス)
■日時:2003年2月12日(水)19:00~
■会場:東京オペラシティコンサートホール(タケミツメモリアル)
■曲目:オラトリオ「メサイア」

まず音を聞いて、驚いた。
なんてやわらかい音を出すんだろう。
新鮮だった。

レザールフロリサンとは、「Les Arts Florissants」すなわち「花咲ける芸術」を意味する。
もともとシャルパンティエ(知らないなぁ…)が作曲した劇音楽の題名を、アンサンブル名に拝借したらしい。
17~18世紀フランス音楽を中心に、同時代のヨーロッパ作品復興に大きく貢献してきた楽団ということだ。

古楽というと、今まではストレートでストイックな演奏ばかりをイメージしていたが、ここのは違った。
物凄く抒情的である。
それから、BCJ(バッハコレギウムジャパン)などが「ソロの演奏を寄り集めている」趣を持っているのに対し、もっと全体的なイメージがある。あまり個々の楽器は目立たない。その代わり、アンサンブル全体で編み上げる音色が、まるで生き物のようだった。

面白かったのは、器楽が合唱と同じように歌うように弾かれていた部分。
何カ所かあったのだが、たとえばソプラノ(合唱)と同じメロディを、全く同時にヴァイオリンたちが弾く小節があると、ヴァイオリンは「伴奏」ではなく、「一緒に歌って」いるのだ。同じく、バス(合唱)と同じメロディをチェロたちが同時に弾く、そのときも、チェロは合唱の一員のように歌っていた。

歌声と同化するなんぞ、音がやわらかくなければできない芸当である。
BCJはドイツ的な、乾いた音のイメージがあるが、こちらはばりばりフランスのイメージ。やわらかくてやわらかくて。「洗練された」とか、時によっては「絢爛な」とすら言えそうな演奏だったと思う。
多くの古楽演奏者たちが、おそらく「宗教的」に彩るだろうこの曲を、むしろ「ドラマチック」に作り上げていた。なるほど、彼らは自分たちで言うように「オペラ・オーケストラ」なのだ。

そして何度聞いても、ヘンデルの曲の美しいこと。ハレルヤなんか涙が出る。
スタンディング・オベーションもあって、拍手の渦。
クリスティはちゃんとアンコールにハレルヤの部分を再演奏してくれた。うんうん。
会場はお世辞にも「満杯」とはいえなかったけれど、あれだけ拍手を受ければ彼らも満足なのではないか。

ところで、後ろでも音はいいはずだからと今回はA席を買ったのだったが、後悔しきり。
音がどうとか、目に見えないとか、そういう不満ではなく、席が最後方にあると「遅れて入ってくる人間のたてる音がうるさい」ということに気づいた。
ううう。
しかも今回は、モルガン=スタンレーとかゆー会社がスポンサーについており、その会社の社員が招待されたのかゴロゴロ来ていて(客集め?)、そいつらがことごとく「遅れて入ってきて」「足音高く席に着く」愚挙を冒していたのだ。もぉ。腹立つなぁ。遅れて入ってくるのはしょうがないけれど、もうちょっと遠慮しろって……。声を出すなんて論外だ。
今度は絶対にS席を取る。
少なくともそんな変なことでは悩まされずに済むだろう。

さて、来週はBCJの定期演奏会、再来週はミシェル=コルボの「ヨハネ受難曲」がある。
いろいろ聞き比べるのも楽しみだ。

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2003年2月11日 (火)

快復

やあっと咳がおさまったらしい。
今日はコンとも言わないぜ!
まぁ、これだけ毎週末ぐーたらぐーたら、家で過ごしてるんだから、直ってくれなかったら困る。
9日は午後から友だちと遊んだけど、1日も2日も8日も今日も、ずーっと家でごろごろごろ。
よく休んだ。

よく休んだはいいが、おかげで展覧会行きが一つパァになりそう……。
……しょうがないよね。
風邪だったんだもんね……。

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2003年2月10日 (月)

買い物の夢

今朝は夢を見た…らしい。
私は夢はだいたい忘れる性質で、そもそも覚えていないことが多いうえに、覚えていても視覚がはっきりしないことが多い。
あの、天然フルカラーの夢を覚えているひとって、不思議だ。
そりゃたまにはありますけどね、圧倒的に少ない。

それはともかく。
どうもどこかの店頭で(たぶんあそこら辺…)パソコンを買う夢だったらしい。
おそらくPowerBook G4 17インチだろう(笑)。
実際には買うところまで行ってなくて、「買おうかどうしようか」考えながら店員さんと話をしている、そんな場面だったようだ。
場面といっても、先ほど述べたように私の夢は不完全。「なんとなくこんな~?」という印象だけ。
今回の夢も、セリフ(なぜか声もイメージがない)と、手のイメージだけだった。
なんでここで手が出てくるのかはよくわからないのだが、お互いの手だけあったのだ。台の上に、差し向かいに。

笑えるのは、いろいろ聞いているような中で、はっきりと「キーボードはUS版に換えられるんですか?」と質問していたことだ(笑)。
あとで思い出して一人でゲラゲラ笑ってしまった。
そんなに気になるのか、キーボード(笑)。
いや、確かに気になりますけどね。
うちにあるiMacだって、結局US版キーボード欲しさにApple Storeで買ったんだし。
しかし、何も夢でまで問い詰めなくても………。

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2003年2月 9日 (日)

浅田飴パッション

咳止め対策第二弾として、ドラッグストアで浅田飴を買った。
おや?
「ニッキ」と「クール」の横に、なんか妙なヤツが並んでいるぞ?
「パッション」?

試してみたくて、つい買ってしまった。
が、「ニッキ」にすればよかったああああああ!!
(と、叫ぶほどは不味くないかもしれない…)

味はイマイチだが、効き目はいいらしい。咳はかなりおさまった。

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2003年2月 8日 (土)

ブロコデ

だめだ、こりゃ。
何の話って、咳の話。
お医者さんからもらった咳止めも、気管支の拡張剤とやらも、あんまり効き目がないみたい。
「咳だけになっちゃったら、あとは浅田飴とかブロコデのほうがいいよ」
と、母親に言われて、ブロコデ咳止め液購入。
すでに一本、開いている(笑)。

おいしくていいなぁ、この薬は。
でも気をつけないと、麻薬のように中毒になっちゃう(笑)。
そこまで飲みつづけたくないけど。

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2003年2月 7日 (金)

イラストレータ

提出〆切間近の申込書に、カットを描かなければいけなくて(別に文字でもいいんだけど)、久しぶりにAdobeのイラストレータを立ち上げた。
ええっと、以前描いたあのデータを流用して、あとはまる描いてちょんちょん、まる描いてちょんちょんちょん。

言葉で書くようには「あっという間」にはできないんだが(笑)、それでも適当なものができたのでプリントアウトして切り張りして、申込書作成おしまい。
最近、こういうカットはほとんどイラストレータで描いている。
何といってもフォントの使い勝手がいい。
それから、ビットマップ系の画像と違って、既存データの使いまわしがすごく楽。
ブラシを使えばちょっとした手書き風にできるし、位置の微調整が簡単だし、解像度を気にしなくていいし。

膚に合ってるみたいで、使っている間はとってもしあわせ。
でも遊びすぎると肩が悲惨なことになって、あとでふしあわせになることも。

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2003年2月 6日 (木)

スキャナ事情

なんてこったい(オリーヴ!)。
OSのバージョンをあげたら、今までつながっていたスキャナがつながらなくなっちまったい!!
うう~、そんなバカな~。
バージョンあげたっていっても、別にOS Xにしたわけじゃないのに~。
ホームページなど探しに行っても、もう新しいドライバとか全然出してないし~。
NECのバカ~!(バカ~バカ~バカ~…)

葉書大サイズの小さいスキャナで、手軽で気に入ってたのにな。
A4サイズのやつも、金額的には買えないわけじゃないんだが、置き場がナイ。
ああ、どうしよう。
古いOSも別パーテに入れておいて、スキャナを使うときだけそっちを使う?(なんかバカみたいだよ~)

思案中。

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2003年2月 5日 (水)

マスク

今日は往路復路だけでなく、会社の中でもずっとマスクをしてみた。
そうしたら咳き込みが減った。
わお。
つまり、社内の空気がものすご~く悪いってこと?(笑)
それともマスクすると喉の湿度が保たれるのか?
でもマスクしてなくても、ずっと口は閉じてるのに……。

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2003年2月 4日 (火)

低レベル

最近、文化的とはいえない生活をしているかも。
ここのところずっと舞台も音楽も展覧会もにゃにもにゃい(だから書くこともにゃい)。
あ、ノグチルームだけ見に行ったけど。

まぁ、しかしこの体調であっちこっち観に行ったり聴きに行ったりしてたら、直るもんも直らなくなっちゃうな。
ちんまり、お家で過ごす。
楽ちんでいい。
うう、でもちょっとつまらない。

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2003年2月 3日 (月)

熱だのだるさだのといった風邪の症状は抜けたのに、咳だけ止まらない。
いったん咳き込むとげーほごほごほと、思わずまわりを憚るような音をたててしまう。
ひどい咳き込みになるとほとんど吐き気と一緒。
気管支炎のひとって、こんな? もっとひどい?
つい、心から同情してしまった。

そして体力はなかなかもとに戻らないのであった。
このままの体調で2月も過ぎるのか?(それはヤダ…)

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2003年2月 2日 (日)

アプリ&ドライバ・インストール

PowerBook復旧作業もいよいよ大詰め……
って、大詰めも何も、一昨日の夜からそれしかやってない。
ほとんどの時間はインストールに持っていかれた(涙)。
そんでもって、まだ趣味のフォントはインストールしてないのだ。
ああ、フォント……そのうちに手配しなきゃ………あたしのロダンちゃんが………

本当に、昨日今日はインストールの嵐だった。
まずはドライバ類から。
とにかく外部HDDや外部FDD、それからタブレットを認識してもらわないと使い勝手が悪いということで、最初にひたすら周辺機器のドライバをインストールした。
それからB’sCrew、StuffItDeluxeなどのユーティリティ。
アップデートファイルの解凍にはどうしてもStuffItが必要だ。

昨日はだいたいこのあたりでおしまい。ひー。なんでこんなにあるのー(汗)。

今日は今日とて、アプリケーションのインストールにかかりきりだった。丸一日、潰れた。
まずは大御所Adobeの製品群を。
Illustrator, Photoshop Element, GoLiveなど。
イラストレータは最新バージョンがアップグレード版のため、元の古いバージョンをまずインストールしなければならない。二度手間。めんどくさいよー。
同じく、AdobeじゃないけどPainterもアップグレード版のため、古いバージョンのインストールから。そしてひとつひとつが重いんだ、これら画像関連のアプリは……。

エクストラブラシとかフリー画像もついでにコピーしちゃう。どこで使うかわかんないから。
画像素材のコピーがまたエライ大変で。容量が結構あるので、待ってるとうんざり。でも他のことを始めるとPowerBookのことを忘れちゃうし。

あとはエキスパンドブックとか、T-Timeとか、趣味のソフトを入れる。結構たくさんあります……。結構、ソフトキチガイの気があるのかも……?(汗)
(こう見えてソフト持ちかも……)

そんなこんなでほとんどインストールし終わったのは夜8時くらいだった。なぜ……。

はっ。そういえばまだExcelをインストールしてない! あ、使う予定はないけどiShadeもインストールしてない! そういえば、アレとアレも……(汗)
もーやだー。

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2003年2月 1日 (土)

ノグチルーム

今日が最後の公開日になるかもしれない、というので、慶應大学は三田校舎に出かけた。

昨日のメールに、2月1日の午後0時30分から2時の、90分間のみが最後の開放日となると、書かれていたのだ。
去年の年末までは、学生有志で「萬来喫茶(通称ノグチカフェ)」という喫茶室の試みをしていたそうだが、それはもう無く、今日はひたすら内部を見るだけとのこと。
だが、それでも。
保存がかなわなければ、内部を見学できるのはこれが最後になってしまう。
何が何でも行かなければならなかった。

しかして風邪引きだったので、できるだけ寒くないように、それでいて表を歩いても恥ずかしくない格好をする。
田町から行くのもいいが、ここは一発大江戸線を使ってみよう。
大江戸線・赤羽橋駅で降り、慶應大学方面へ歩いていく。道はまっすぐでわかりやすい。
大学の入り口には、さすがに「ノグチルーム解放」といった小さな掲示が貼られていた。しかし、そこから先はしばらく何のしるしもなく、ホームページであらかじめ調べてこなければ、構内で迷子になったかもしれない(笑)。

二階建ての地味な建物が見えてきた。あれが「新萬来舎」。
もともと「萬来舎」という建物があったのだが、それが戦災で焼けてしまった。
そのあとを継いで建てられたから、「新萬来舎」という。
名前の由来は、「千客萬来」の理念にある。千客萬来、来る者は拒まず、去る者は追わず、広く識見を求めようとする学生らの対話の場、そのための自由な集会所として、創設者・福沢諭吉先生がお作りになったのが最初なのだ。
戦後に再建される「新萬来舎」もその理念を継承すべきものでなければならず、建築家谷口吉郎と、彫刻家イサム=ノグチとは、新しい溌剌とした空間、弾むようなコミュニケーションの空間を合同で作り上げた。

このノグチルームは、ノグチの作品の中でも、室内デザインの傑作として知られる。
石の敷かれたレベル、少し高い木の床のレベル、それから畳のレベルの3つからなり、いずれも曲線的にしつらえられている。中央には丸い暖炉(といってもノグチデザインの暖炉)があり、火鉢兼テーブルの役目をきちんと果たすように設計されている。
簡単な図書室(とってもかわいい大きさ(笑))もあり、変幻自在な空間だ。

曲線、曲線、曲線ばかり。
直線は、部屋の外郭だけである。
それなのに、なぜか一切、無駄を感じさせない。
曲線的な室内デザインというのは、「無駄」を感じてしまうことが多い、難しいものだと私は勝手に思っているので、ノグチルームの完成度の高さには驚かされた(これも勝手に、だけれど)。

最後の公開(かもしれない)ということで、たくさんの人が訪れていた。
写真もたくさん撮られていた。
私は室内用のレンズをつけてカメラを持っていったのだが、失敗したかも。
やはり建築物の撮影には、広角が必要だ(苦笑)。

部屋から出ると、小さな庭。ノグチの彫刻が2点ほどある。
手前に座った5歳くらいの女の子。
スケッチブックを広げて、その前衛的な彫刻を一所懸命描いていた。
「そら見ろ」
つい、汚い言葉が胸の中に沸いてくる。
こんな小さい子だって、ここの空間の楽しさを感じているではないか。
それを壊すだなんて。

もっとも、学内の人びとからすれば、設備をよくしたいと思うのは当然で、闇雲に「保存しろ」と叫んでも反感を買うだけだ。
だいたい、私のようにノグチを知っている人間、ノグチの作品を愛している人間でも見に来なかったのだ。
「なくなるから」と言われて、いきなり「なくさないで」と頼むのも変な話で、もしかしてもしかすると理は向こうにあるのかもしれない。

それでも残念だ。
残念でならない。
今ごろになって悲しみが沸き起こってくる。とめどなく。
願わくば、効率を無視した空間を残すゆとりが、かの構内にできますように。
そしてこれを機に、福澤の「萬来」の理念が今ひとたび見直され、あの空間とともに世界に広められるといいと思う。

なお、ノグチルーム保存の署名運動に参加していただける方は、1月31日(つまり昨日)の日記を見てほしい。
そちらに署名の方法を記載してあるので。

最後に、「新萬来舎」を見学したときに渡された、福澤の言葉を記しておこう(一部新漢字)。

「萬来舎之記
 今度、当邸内に於いて、一棟の集会所を建築せり、之を萬来舎と云ふ。その記文左の如し。舎を萬来舎と名づけたるは、衆客の来遊に備ふればなり。既に客と云へば主あるべきが、先づ来るの客を主とし、後れて来るの客を客とす。早く帰るの客は客にして、後れて留まるの客は主なり。去るに送らず、来るに迎えず、議論をすべし、談話妨げず、囲碁対棋読書作文、ただ客の好むところ、危坐箕居ともによし。振腕技手二つながら問はず、来る者は拒まず、去る者は留めず、興あらば居れ、興尽きなば去れ、去て客尽くれば、明朝の客来を待つ。嗚呼世もまたこの舎の如し、しばらく楽でその日を長うせよ。大賢々々。萬来舎建築の趣意右のごとくなれば、江湖の諸君子、貴賤貧富の別なく、続々来舎してその楽みを洪ひにせよ。以上」


▼イサムカフェのHP(活動はとりあえず終了しています)
http://web.sfc.keio.ac.jp/~t00079ki/banrai/

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