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2002年9月14日 (土)

コンサート:第56回定期演奏会★バッハ・コレギウム・ジャパン 9月14日(土)

■会名:第56回定期演奏会
■演奏:バッハ・コレギウム・ジャパン
■独唱:野々下由香里(ソプラノ)、ロビン=ブレイズ(アルト)、ゲルト=テュルク(テノール)、ペーター=コーイ(バス)
■日時:2002年9月14日(土)19:00~
■会場:東京オペラシティコンサートホール(タケミツメモリアル)
■曲目:パッヘルベル『ただあなたにのみ、主イエス・キリストよ』
    バッハ プレリュードとフーガ イ長調(以上オルガン独奏・今井奈緒子)
    カンタータ113番『主イエス・キリスト、この上なく貴き宝よ』BWV113
    カンタータ33番『ただあなたにのみ、主イエス・キリストよ』BWV33
    カンタータ8番『愛する御神よ、我はいつ死なん』BWV8

最近にないヒットだった。つまり「当たり」の回。
ゲルト=テュルクっていい声だなぁ、やっぱり。

まずオルガンの最初にパッヘルベル。稚拙なほどシンプルで美しい。

カンタータ113番。ソプラノとアルトのデュエット部分がよかった。
オーボエがメロディをしっかり抑えていた。

カンタータ33番。アルトのアリア部分「我が歩みは、何と怯えつつよろめいたことか」。
通奏低音が凄い。
単にピチカートでボン、ボンと音を取っているだけなのに、ものすごい深み。
響く。
ゆるやかにゴルゴタまでの歩みを刻み、聴く者の胸を打つ。
ここをもう一度聴くためだけにCDを買うかもしれない……。
途中の、テノールとバスの二重唱もよかった。

が、残念ながら、オーボエの調子が悪かった(おそらく女性の方)。
次の曲もその気配があるのだが、この曲は特にオーボエが非常に重要な位置を占める何楽節かが含まれていて、それがこけると悲惨なことに。
全体の出来がよかったがゆえに、逆にオーボエの悪さが目立ってしまって残念だった。
奏者の体調が悪かったのかも。でも残念だ~。

カンタータ8番。
鈴木雅明氏オススメの一曲である。
いやもう、合唱のパートが……場内全体に震えが走りそうな美しさ。
とても言葉では表しきれない。
楽器の方も3拍子ベース(正確には12拍子らしい)で踊るように鮮やかに音を奏でる。
これも、最初と最後の合唱パートを聴くためだけにCD買うかもしれん……。
ホルン(コルノ)がうまいこと「縁の下の力持ち」的な働きをしていた。

どの曲も合唱のパートは少なかった。ほとんど最初と最後の2楽節だけ。
それなのに合唱の美しさは、とりわけて印象的だった。
最近、「巧いのは巧いけど別に感動までには至らないなぁ」というように、合唱を聴いてもずっとマンネリな感じだったのが、今日は違った。
久しぶりに宝石を見る(聴く)気分だった。
いや、宝石よりも美しかったと言うべきだろう。
アンコールでもう一度、たった一節でいい、もう一度聴かせてほしいとあれだけ思ったのは、初めてかもしれない。
しかし、残念ながら本日のアンコールはなかった。
もう一度聴きたかったなぁ。

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