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2002年9月21日 (土)

コンサート:ハエ・スン・パイク☆ピアノリサイタル~「ピアニスト100」54/100

■演奏:ハエ・スン・パイク
■日時:2002年9月21日(土)16:00~
■会場:彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール
■曲目:シューベルト  即興曲集 op.90 D899
    スクリャービン ピアノ・ソナタ第5番 op.53
    リスト     2つの演奏会用練習曲(森のささやき、小人の踊り)
    リスト     パガニーニによる超絶技巧練習曲集(1~6)

この日は先に用事があって、会場に着いたのは一曲めが終わろうというまさにそのときだった。
遅れてきたひとびとは、基本的に曲の合間にしか入場できない。
それまでホールのテレビ(生中継中)を見ながら待つわけだけれど、ちらと耳にしたときには「ずいぶん綺麗な音色を出すひとのようだ」と思っただけだった。

しかし。
二曲目のスクリャービン。
会場内に入って聴いたが、すっかりノックアウト。なんで、どこにノックアウトされたんだかよくわからないんだが、とにかくノックアウト。
先々月も同じ曲を別のピアニストが弾いていて、それはそれで巧かったんだけど、こんなに叙情的に聴こえなかった。こんなに旋律に揺さぶられはしなかった。
すごい。

二曲目が終わり、休憩時間に入ったところでCDを買いに走る。
こんなこと、すっっっっっごく珍しいことなのだ、自分にしては。
CD売り場に「サイン会あり」との表示。これもチェックだ。
(列に並んでサインをもらおうだなんて、これも普通は考えません、私……)

三曲目のリストはあっという間に終わり。
四曲目、続けて小曲6曲を弾くが、これが「練習曲」ってのはどうかと思うぞ、フランツ=リスト……(まあ一応「超絶技巧」とタイトルに言い訳がついてはいるが…)。
このなかでは第3曲目の「鐘(ラ・カンパネルラ)」と第6曲目が有名。
「鐘」は、近く、遠く、低く、高く、うつくしい音色があちらこちらと変幻しながら響きわたるよう。
第6曲目、いつまでも聞いていたいと思うような流麗さ。動きがダイナミックで、それでいて旋律が流れるように美しく、ひとりで弾いているとは思えない音の厚み。

基本的にロマンチックな弾き方だけれど、ロマンチシズムに埋没してしまわないところがいい。
必ずある種の清冽さというか澄明さを伴っていて、表現に広がりを与えていると思う。

演奏の終わりに必ず「ブラボー」という掛け声がかかっていた。
毎回かかるわけじゃないんだよ。確かにいい演奏だった。
しかも妊娠中なのに。
来てくれて、弾いてくれてありがとう(あ、韓国のひとです、彼女)。

サイン会にもさっさと並び、先ほど買い求めたCDにサインしてもらった(わーいわーい!)。
始終ニコニコして、ひとのよさそうなひとだった。
こんな良質なピアニストが生まれていたなんて、同じアジア人として誇りに思う。
しばらく追いかけてみようか。

CDの話は別な機会に。

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