読書:『闇先案内人』★大沢在昌
■書名:闇先案内人
■著者:大沢在昌
■出版社名:文芸春秋
■発行年月:2001年09月
売れっ子、大沢在昌が8年を費やしたといわれる和製ハードボイルド・ミステリー。
‥‥ホントに8年かけたのか?
読んでると、某国のトップの息子が、いつの間にか日本に密入国してたってあの事件しか思い出さないんですけど。もっとも現実の目的は東京ディズニーランド(話が本当なら)、小説中での目的は‥‥レベルが違うけどね。
内容は‥‥葛原と名乗り「逃がし屋」をやっている男に舞い込んだある依頼(もとい脅迫)。同業者つまりプロによって密入国した重要人物の行方を、密出国するまえに押さえて欲しい---追いつ追われつ、プロの意地と誇りをかけた凄絶なる死闘の幕が上がった。
ハードボイルドである。固ゆで卵である。
ハードボイルドが苦手な人はまず脱落。
ただし、欧米のものほどハードではない。「そっちに転んでラッキーだったね」という感じが多分にある。
それから予定調和である。
予定調和が苦手な人にもあまりオススメしない。
そこそこ面白いとは思う。でもまぁ、魂を揺さぶられたりはしない(ファンのひと、ごめんなさい)。
主人公の葛原が、頭が良くてカッコイイ。
はったりとだましが非常に上手い。
あとは「裏社会ってこんなふうになってるの~?」と興味深く思う。
登場人物の過去や内面もきちんと書かれていてグー。
でも、変な話だが、それらの人物たちの過去や心情が、たがいに決定的に関わりあうことはない。
とはいえ、やっぱり上手いよね。
一気に読めるもん。所要3時間。
ヘンなカッコつけじゃない、薄っぺらなワルぶりでもない、中年の、男の、「カッコイイとはこういうこと」みたいなのを読みたければこちらをどうぞ。
▼この本はこちら。
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