コンサート:マタイ受難曲★バッハ・コレギウム・ジャパン
■演奏:バッハ・コレギウム・ジャパン
■独唱:ゲルト=テュルク(福音書記者:テノール)、エッケハルト=アーベレ(イエス:バス)、ドミニク=ラーベル(ソプラノ)、ロビン=ブレイズ(カウンター・テナー)
■日時:2002年3月29日(金)19:00~
■会場:彩の国さいたま芸術劇場・音楽ホール
■曲目:マタイ受難曲
聖金曜日。
オーケストラも合唱も、いつもと違って大編成(2倍:当社比)。左右2つのパートに分かれていた。
特に多くは書きますまい。
ゲルト=テュルクが美しかった(声が)。
アリアなどと違って、福音書記者のパートはほとんど「語り」に近い。それでいてあれだけ声を響かせられるのには参った。
ロビン=ブレイズは自分のパートがないときに、椅子に座り込み(まるで子どものように)、合唱やオケに合わせて体を揺らしたり歌ってみたり。歌っていないときでも「音の中にいるんだな」とよくわかった(他の方々も形こそ違えみなそうですが)。
もちろん、歌もよかった。私はアルトでは特に「この頬の涙が甲斐なしとあらば‥」が好き。
エッケハルト=アーベレは、一見、「どこの組の方ですか?」と訊きたくなるような風貌で、背も高い人だが、予想に反して高めのバス。個人的には低めのバスの方が好きだけれど、バスのアリア「わが心を清め、主を迎え入れよう」が受難曲中いちばん好きな私でも満足の出来だったと思う。
逆にドミニク=ラーベルは低めのソプラノで、もうちょっとソリストの取り合わせを考えてほしかったなぁ、BCJ。どのソリストも似たような感じに聞こえることが何度かあってちょっと残念だった(テノール以外)。
合唱・低音・オーボエが相変わらず冴えた演奏をしていた。
チェンバロが不在で、ヴィオラ・ダ・ガンバがソロを2本弾いた。聴くたびに、あんな美しい音を出す楽器があるのかと思う。
私は本当にマタイ受難曲が好きなのだと、再認識。演奏のせいなのか単に曲が美しいからなのか判然としないまま、もう最後のほうなんかボロボロ。国内でこのレベルのバッハが聴けるというのは実に実に嬉しいことだ。
ただ、個人的に私は規定のリズムよりわざと半拍ずらすような演奏はそれほど好きじゃない(今は)。ヴァイオリンのソロ、フルートのソロなどがこれを多用していて、本来のテンポを幾度か見失いそうになった。バッハではどちらかといえばリズムどおりにかっちり奏でて、それでなお情感を出す方に心を砕いてほしいなぁ、とは、全く私的な我儘であるが。
あとは客!! おおむね上客ばかりだが、演奏が最後にかかるところで荷造りを始めるのはヤメロ! 五月蝿い!!(涙)
まぁ‥‥先程も書いたとおり、国内でこれだけのレベルの演奏が聴けるのはありがたいこと。
合唱パートで群集が「磔にしろ!」と叫ぶところなんかもう‥‥ゾクゾクしちゃいます。
マタイは毎年やってくれないかな~、と、最後も我儘で締めるのであった。
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