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2002年2月18日 (月)

実生

「みしょう」と読む。
意味は、「草木が種から芽を出して成長すること」。
うちの庭には何本か実生の木がある。見るたびになんとはなしに「すごいなぁ」と思ってしまう。

「種から芽を出すなんて当たり前じゃない」と思うかもしれない。
確かにそうなのだが、草花ならともかく、樹木を種から育てたことがあるだろうか?
趣味の人やプロの人はともかく、普通の人がたとえば庭に木を植えようと思ったら、すでに育っている樹木を植木屋さんから買うなり、どこかから抜いて(盗んで?)来るなりするだろう。

もっとも、我が家の実生くんたちも、別に我々が種を植えて丹精こめて育てたわけではない。
種を撒いたのは、鳥たちである。
木の実を食べて、糞と共に種を我が家の庭に捨てていってくださったのである。
育てたのは、種自身である。
我々が水遣りも何にもしないのに、勝手にすくすくとお育ちになったのである。
滋養の豊かな土とはお世辞にもいえないこの庭で。

とりあえず、玄関脇に生えている桃は実生である。庭の桃の実を食べた鳥がそこへ落としていったらしい。
庭の正面に生えている榎(えのき)も実生である。
ある日、気がついたらなんだか若木が生えていて、「何だろう」と言いながらも放っておいたところ、あれよあれよと言う間に、実に見事にお育ちになってしまったんである。
こんなに育つんだったら、もっと若いうちに正面から別の場所に植え替えるんだったよ~(涙)。
植木屋さんに「邪魔だから切ってください」と頼んだら、「もったいない。ここまで育った榎を買ったら何万すると思いますか。せっかくの恵みなんだから切らずにおきなさい」と切ってもらえなかった。
そんなわけで、榎君も現在は庭の一員として日々を過ごしている。

まこと、自然の生産力は侮れぬ。

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