« 電気ネコは電気毛布の夢を見るのか? | トップページ | ニナガワ論 »

2001年12月19日 (水)

舞台:蜷川★「四谷怪談」

■公演:四谷怪談 ■演出:蜷川幸雄
■出演:竹中直人、広末涼子、高嶋政伸、村上淳、田口浩正、持田真樹、藤真利子
■音楽:東京スカパラダイスオーケストラ
■会場:シアターコクーン(渋谷)
■期間:2001年12月8日(土)~2002年1月10日(木)

東京スカパラダイスオーケストラの軽快なビートに乗って「世界のニナガワ」がお届けする、世話物の名作『四谷怪談』(by 鶴屋南北)。
主要人物が、与茂七(高嶋)を除いて一人残らず死んでしまうこの浅ましの世界のお話は、怪談を通り越して地獄絵図のよう。
「一念通さでおくべきか」と捨て台詞を吐いて死んでいくお岩は、本当に浅ましくて哀れ。
そしてまた、お岩の亡霊に祟り殺された母を抱いて「口惜しや」と泣き、自ら滅んでゆく民谷伊右衛門も、結局のところ哀れである。

しかし。料理しがいのある素材だったろうに、今ひとつ不発。
でもこれはニナガワが悪いんじゃなくて、役者が悪い気がする(汗)。
竹中直人の伊右衛門はあくどい悪役で(でも主人公よ)良かったし、藤真利子のお岩も、最後に死化粧を自分で自分に施すところなど切なくて、鬼気迫るものがあったけれど、問題は若者どもである…。

与茂七(高嶋)はともかく、まぁお梅(持田)も良しとすることにして、お袖(広末)と直助(村上)の台詞回しが……(涙)。
せめて台詞は「だらだらべたべた」じゃなくて「はきはき」喋ろうよ(涙)。
みんなそれぞれにかっこいいタンカを用意してもらってるんだからさぁ~(涙)。
特に、ファンには悪いけど、お袖(広末)には役不足を感じた。
顔も声もかわいいけど、もの思わせられる部分はなかった。あと、もうちょっと着物(和服)らしい歩き方をしようね。高橋恵子さんとか、あのへんの優秀な先輩方にお習いなさいまし。

ま、しょうがないか。目玉となる役者を入れないと、商売あがったりだから。

仕掛けは面白かった。
舞台の下、つまり「奈落」を観客に見せるようになっていて、場面転換のときなど大道具を入れ替えるのに、褌(ふんどし)一丁の男たちが汗水たらして舞台を回転させるその様が、まるで本物の奈落(=地獄)の獄卒どもがこの世を回しているようで、胸に来るものがあった。
……もしかしてもしかすると実際には人力じゃなくて電力かなんかで回していたのかもしれないんだが(笑)、そこは皆さん、役者であるから、まさに「汗水たらして回している」ようにしか見えないのであった。
しかもそういう時には照明やスモークを使って、なんともいえない、この世にあらざるような雰囲気を作り出していた。
こういう演出が、ニナガワは本当に上手い。

東京スカパラダイスオーケストラの音楽が意外や、とてもよくマッチしていた。これでファンになるヒトも現れるかも。
あとは聖歌。ニナガワって好きなんだなぁ、あの聖歌。「マクベス」でも同じ曲を使ってたと思うのだが…。
いろいろ書いちゃったけど、総合的には面白かった。4時間もある舞台なのに、あっという間に過ぎてしまった。

|

« 電気ネコは電気毛布の夢を見るのか? | トップページ | ニナガワ論 »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 舞台:蜷川★「四谷怪談」:

« 電気ネコは電気毛布の夢を見るのか? | トップページ | ニナガワ論 »