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2001年11月11日 (日)

読書: 『中国怪談集』

編:中野美代子・武田雅哉
発行:河出書房新社(河出文庫)
刊行年:1992年

先日、日記で触れた『ラテンアメリカ怪談集』の姉妹編。他にも、ドイツ・フランス・アメリカ・イギリス・東欧などなど、兄弟分の怪談集が出ているらしいが、私が以前に読んだことがあるのは、まだこれだけ。

中国はなんとゆーか計り知れなくて、フィクションよりもノンフィクションのほうがコワイ。そんなノンフィクション(事実)を踏まえてリアリティたっぷりに書かれたフィクションはさらにコワイ。

よくある「ホラー」「サスペンス」「スリラー」なんかじゃなくて、本当に肝が冷える怖さがある。この本はそういうハナシを集めてあると思う(だって食人の記録から始まるんだよ…?)。

収録された短編の中で、私が今でも感じた恐怖をありありと思い出せるのは、魯迅の『薬』である。こんなコワイ話は読んだことがなかった。
それから『五人の娘たちと一本の縄』、これも怖かった、救いがなくて。特に私、いちおー女だし…。ちなみにこの短編は「五人少女天国行」という映画にもなりました。

「すぷらったぁ~!」とか「ちぇいんそー!」とかゆー怖さはないんですが、ずしりと肝が冷えます。「底なしの恐怖」の片鱗を垣間見ることが出来ます。
……このレビュー、夏に書くべきだったね。ごめん。

▼この本はこちら。
中国怪談集 (河出文庫)

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