読書:『堪忍箱』
■著者:宮部みゆき
■出版社:新潮社(新潮文庫)
■発行年:2001年11月
この間出たばかりの、文庫では新刊。江戸ものです。
正直言って「すごく面白かった~!!」って読後感はありませんでした。
でも、読み終わってみると胸のあたりがしんしんとする……。
特に、短編8本を全部読み通してみると、胸のあたりに何か降り積もっているものがあって、その積み重なったものがもぞもぞする……。
標題の「堪忍箱」は、近江屋に伝わる家宝。決してあけてはならぬ、あければ近江屋に災いが降りかかる、と、言われている。火事で主を失い、嫁も寝たきり目覚めず、実質的に主の座につかなければならなくなった娘お駒は「堪忍箱」を渡されて……。
他に、ちょっとした推理モノの風味がありながら、最後が切ない(最後が切なくないハナシは入ってません(笑))「かどわかし」や、新たに奉公を始めた少女がある日見知らぬ男に声を掛けられ……という最後の切なさ大爆発の「砂村新田」など、まぁ、ちょっと読んでごらんなさい。
日本語は読みやすいし、短いし、読んで損はしないはずですから。
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